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第13回 最先端の技術を駆使し企業を変革する、それがスーパープログラマ

映画に登場するような、何でもできるスーパープログラマにあこがれたことはないだろうか。映画はフィクションでしかないが、現実にもスーパープログラマは存在する。経営上の課題と目的を理解し、最適なシステムを設計・構築できる技術者だ。そんなスーパープログラマになるために必要な事柄を考える。

  スーパープログラマの実態は「技術で経営を変革できる人材」

 最近のアメリカ映画には、あらゆるプログラムを一目で解析し、サッとコードを書き換えて改変してしまうプログラマが登場する。どんな強固なセキュリティも破り、宇宙船の軌道を変えるのもお手の物――。「スーパープログラマ」という言葉に、こんなイメージを持っている人も多いのではないだろうか。

フューチャーアーキテクト
人財統括本部 人事採用グループ
ディレクター 栗田尚彦氏

 「高い技術力を生かし、顧客のビジネスを変革する」という理念の下、1989年に設立されたコンサルティング会社・フューチャーアーキテクト。同社 人財統括本部 人事採用グループ ディレクター 栗田尚彦氏は、スーパープログラマの能力についてこう語る。「今日の経営において、ITはもはや単なる道具ではなく差別化のための武器になっています。だからこそ、『企業を変革するためにどのような仕組みが必要か』ということから考えて初めて、システムを構築する意味が出てきます。時には、その目的の達成のために、既存の製品や技術の組み合わせの枠を超えて、われわれ自身で新しいものを作らなければならないこともあります。

 当社は、今日のオープンシステムの技術がまだ育っていなかった時代から、その技術を活用し、企業の仕組みを変革してきました。ないものはすべて自分たちで作ってきたからこそ、本当に経営を変革できる仕組みを作ることができるのです。これを担う人材がスーパープログラマなのです」(栗田氏)

 フューチャーアーキテクトには、「スーパープログラマ」と自ら名乗るこのような人材がそろっている。技術的な得意分野はそれぞれ異なるが、いずれも栗田氏の言葉どおり「経営の課題とシステムを導入する意味を理解できるスキル」と「それを実現するための仕組みを考えられるスキル」を持ち、システムのコアとなるエンジンを設計・開発できる人々だ。

 「ある特定の製品や言語に精通し、それを用いて高度な開発ができる」というレベルではなく、コンピュータサイエンスとIT全般について体系的な知識を持ち、CPUの動きを理解し、資源を最適に活用したプログラムを設計し開発できる、そのような人材がスーパープログラマだ。「だから、スーパープログラマはアーキテクトと一体なのです」と栗田氏はいう。もちろんその専門を生かし、プロジェクトの技術的な支援(スポット的に支援する役割も含まれる)を行う場合もある。

  どこにもないビジネスを提案し、実現できる人材

 フューチャーアーキテクトは、なぜ経営もITの本質も分かるスーパープログラマを重視するのか。その理由について、栗田氏は次のように語る。「当社はもともと、ハードウェアのエンジニアによって設立されたコンサルティング会社です。企業ではオープンシステムがほとんど導入されていなかった1989年に設立され、創業時からその技術を活用し企業の仕組みを作ってきました。当時のコンピュータの性能では、クライアント企業が本当に実現したい仕組みを作るには、さまざまな工夫を凝らすことが必要でした。クライアント企業の経営課題を分析し、その課題を解決するシステムを提案・構築するのは、まさに『どこにもない新しいビジネスモデル』を考え、『見たことがない新しいシステムを作る』という挑戦だったのです。当社が目指しているのは、新しいビジネスモデルを提案する『起業家』と、それを実現する『発明家』が知恵を出し合う集団なのです。その発明家の1つの職種として、スーパープログラマが果たす役割は非常に大きいのです」(栗田氏)

 経営手段としてITが欠かせなくなった現在、もはや「経営」と「IT」という区分けは意味を成さない。こうしたことから、同社内では「上流・下流工程」という区分けはないし、経営系にしろ技術系にしろすべて「コンサルタント」という職種でくくっている。キャリアパスにしても、本人の志向や得意分野を伸ばす方向で進められ、「キャリアアップ=管理職」という図式以外の選択肢も用意しているという。

  新しい技術をコンサルティングに生かす

 フューチャーアーキテクトのスーパープログラマの1人、研究開発本部 シニアコンサルタントで理学博士の篠原俊一氏は、普段どのような仕事を担当しているのか。

 篠原氏は、物理学の博士号を取得し、2003年に新卒でフューチャーアーキテクトに入社。現在も所属する研究開発本部に配属され、独自フレームワークの開発を担当することになった。

フューチャーアーキテクト
研究開発本部 シニアコンサルタント
理学博士 篠原俊一氏

 同氏の専攻は理論物理学だったため、一見するとシステム工学とは畑違いだが、「論理的な物事の考え方や、現場からのフィードバックを受けて実際に開発して検証するという仮説検証型のスタイルは共通しています」(篠原氏)と語る。

 プロジェクトから要請を受け、技術支援に当たったり、開発の一部を任されたりすることもあるそうだ。いずれにしても、「なぜこの改変が必要なのか」「このプログラムは、どんな目的を達成するために、どのようなアルゴリズムでなければならないか」を考え、開発するという。

 最近は、本部の中でチーム分けがなされ、純粋に新技術の研究開発を進めるチームへと配属された。これまでは既存フレームワークの開発作業が主な仕事だったが、現在はRubyやそのほかの技術を研究し、実際の開発現場へどのように適用していくかを考える担当になっている。まったく新しいシステムを考える場合、アルゴリズムから検討することもあるし、既存のアルゴリズムを基に、改変を加えて検証することもある。

 篠原氏は特にRubyについて個人的な関心があり、ライブラリを作ってフォーラムで公開したり、Ruby関連のイベントで講演をすることもあるという。こうした活動は会社でも積極的に支援しているそうだ。「個人的な考えですが、Rubyは、Javaと比べて簡潔に記述できるため、開発生産性を大きく向上させる可能性を秘めた言語だと思います。ただ、ミッションクリティカルな基幹システムに適用された事例は少なく、いろいろな課題も解決しなければなりません。オープンソースコミュニティを通じ、海外や国内の技術者と情報交換をすることで、結果を現場にフィードバックすることが可能です。こうした活動をどんどん広め、より良いコンサルティングに生かしたいと考えています」(篠原氏)

  スーパープログラマに必要な資質とは?

 理論物理学を専攻した篠原氏のように、各コンサルタントの経歴が多彩なのも同社の特徴だ。ちなみに採用に当たって「学部や専攻科目は関係ありません」(栗田氏)とのこと。むしろ重視するのは、本質を見抜く力や論理的思考力、またITやビジネスを学ぶポテンシャルだという。

 「入社時は未経験でもポテンシャルが高い人材であれば、その後のトレーニングで体系的に学べば実力は付きます。例えば、当社ではITについて、単に現在主流の言語や製品を学ばせるのではなく、『アルゴリズム』と『メカニズム』という基本の2つの軸を大事にし、ITの根本を身に付けさせます。技術がどのように進歩しても陳腐化せず、先端の技術にキャッチアップできる人材を育成しているのです」(栗田氏)。

 経営に関するスキルでいえば、少なくとも簿記の知識くらいは必要だとのことで、新卒採用者には入社前に簿記検定を課すなど、基本的な知識は身に付けさせるという。

 「後は、それをどのように生かし、クライアント企業と知恵を出し合いながらプロジェクトを進めていけるかがポイント。当社のスーパープログラマには、コミュニケーションスキルやリーダーシップ、本質を見抜く力も必要な素養だと考えています」(栗田氏)


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第13回:最先端の技術を駆使し企業を変革する、それがスーパープログラマ
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