ソフトウェアプロセスの改善を考える
特集 いま話題のCMMとは何か?

2001/9/28

1 CMMが注目を集めている理由

 “日本版CMM”や“成熟度レベル”、それに“政府調達制度の見直し”といった言葉を、最近新聞や雑誌などで目にすることが多いはずだ。これは、政府のe−Japan計画の“電子政府”に関連したキーワードだ。これらの言葉が注目を集めているのは、政府・自治体がソフトウェアを発注するに当たって、発注先を決める要因の1つとしてCMMを取り入れようとしようといるためだ。

 e−Japan計画では、2003年までに世界でも最先端の電子政府を構築し、2005年には世界最先端のIT国家を実現するという目標が掲げられている。その実現のために今後数年間、政府・自治体は多額のシステム発注を行うものと予想されている。“IT不況”の現在、このことはIT関連の大型“公共事業”ともいえ、大手のベンダやシステムインテグレータなどを中心に、電子政府案件に熱い視線が注がれている。しかし、政府案件のシステムは、これまでは限られた企業しか受注していなかったという事実がある。それは、政府の発注の仕組みが、大手ベンダなどに有利に作用しているためである。

 そのため、こうした懸案を解決する施策の1つとして、経済産業省が中心となって政府が導入しようと検討しているのが、日本版CMM(Capability Maturity Model)である。経済産業省が検討している案(2001年6月に経済産業省から中間整理案が公表されている)では、今後の政府調達案件で積極的にCMMを活用し、一定額以上の案件では、CMMの導入を受注しようとする企業に義務付けようと考えている。

 ただし、経済産業省の中間整理案への批判は多く、同省では現在案の見直しを行っているようだ。最終的には、CMM導入に一定の猶予、条件を付けたり、ほかのプロセス改善方法などを検討するなどして、最終報告がまとまるといわれているようだ。とはいえ、CMMの重要性が薄れるわけではない。

 そこで本特集では、この新しい動きのベースとなっているソフトウェアプロセス改善の基本的な考え方と、その中でも具体的に注目されているCMMの特徴について解説する。

(大内隆良 @IT編集局)

 
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ソフトウェアのプロセス改善とCMM

Index
いま話題のCMMとは何か?
1 CMMが注目を集めている理由
  2 ソフトウェアのプロセス改善とCMM
  3 能力成熟度をモデル化したCMM
  4 CMMのあるべき姿を考える
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