
Tech総研
2005/9/30
| エンジニアの給与と貯蓄について検証する。ソフトウェア系エンジニアの貯蓄額がハードウェア系エンジニアのものを60万円上回るという結果も出た。平均的には年収程度の貯蓄があるという。自分の貯蓄と比べてどうだろうか。(Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載) |
年収8割以上の平均貯蓄額!? |
Tech総研が2005年8月に行った、25〜35歳のエンジニア200人を対象にした給与調査では、年収の全体平均は583万円であった。職種別では高い順に「コンサルタント、アナリスト、プリセールス」(798万円)、「セールスエンジニア、FAE(フィールドアプリケーションエンジニア)」(709万円)、「光学技術」(700万円)、「ハードウェア系研究、特許、テクニカルマーケティング」(682万円)となっている。調査対象の母数が少ないだけに、厳密な意味での賃金統計とはいえないが、それでも傾向はうかがえる(表1)。
毎月の貯蓄額には3つの山が見られた。1つ目は「月々2万〜3万円程度」、2つ目は「月々5万円」、そして「月々10万円以上」という人も17%いる。
貯蓄方法で最も多いのは銀行預金(61%)で、財形貯蓄(18%)、株式投資(8%)と続く(表2)。実際はいくつかの方法を組み合わせるケースもあると思われるが、投資信託、外貨預金などは少ない。超低金利の時代に銀行預金に頼る人が多いのは少し驚きだが、マネービルディングには関心が少ないのかもしれない。
それでもエンジニアの貯蓄額は少なくない。現在の貯蓄額は全体平均で504万円。ほぼ年収の8割以上の貯蓄があるということになる。総務省が発表している全国消費実態調査によれば、シングル世帯の平均貯蓄高は、30歳未満の男性で161万円、30〜39歳でも498万円というから、それに比べても高い金額だ。これをもって「エンジニアの貯蓄額は平均よりも突出している」といい切ることはできないものの、かなり健闘している数字とはいえるだろう。
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| 表1 職種別で検証! エンジニアの平均年収・貯蓄額・小遣い | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
図1 同年代より年収は多い? 少ない? |
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年収が高ければ貯蓄も多い。 |
貯蓄額を職種別、つまりソフトウェア・ネットワーク系(コンサルタント、システム開発、ソフトウェア開発、ネットワーク設計、運用・監視、テクニカルサポート、研究・特許関連などを含む)とハードウェア系(回路・システム設計、半導体設計、機械設計、品質管理、生産管理、セールスエンジニアなどを含む)に分けてみるとどうなるだろうか。ソフトウェア・ネットワーク系が525万円であるのに対して、ハードウェア系は461万円と60万円以上の開きがある。これはほぼ現在の年収に比例している。
先に見た職種別年収の上位、「コンサルタント、アナリスト、プリセールス」(貯蓄額758万円)、「セールスエンジニア、FAE」(850万円)、「光学技術」(750万円)、「ハードウェア系研究、特許、テクニカルマーケティング」(700万円)は、貯蓄額でも上位にランクされている。年収が多ければ貯蓄も多いという当然の傾向がうかがえる。
貯蓄額は年代によって当然差があるもの。20代後半だと平均393万円と、400万円に達しないのに対して、30代前半になると536万円と増える。ただし、これも結婚などライフスタイルの変化を機に増減する可能性はある。例えば結婚資金としていた貯金は結婚を機にかなりの部分が支出されるが、結婚後はしばらくダブルインカム・ノーキッズ(DINKS)の生活が続くので貯蓄額が増えていく、といったパターンだ。
一般的には、このDINKS時代が生涯家計資産のベースをつくるといわれており、この時期にどれだけ蓄財に励むかで、40代、50代の貯蓄額が変わってくる。
月々の小遣い平均5万円。 |
貯蓄に励みたいのはやまやまだが、20代、30代はまだまだ遊び盛りでもある。結婚したとしても、子どもが生まれるまでは年に1度は海外旅行、月に1度は豪華ディナーなどというカップルも多いはず。何かと出費の多い年代ではある。そこで聞きたいのが、月々の小遣いの金額だ。
平均では5万円という数字が出た。これも、ソフトウェア・ネットワーク系が6万円、ハードウェア系が4万円と、職種による差が見られる。平均年収、平均貯蓄額でもトップだった「コンサルタント、アナリスト、プリセールス」職種では14万円と突出している。ただ、ほかの職種ではそれほど大きな差は見られない。20代後半と30代前半との年代差も大きくはない。
主な小遣いの使い道を自由回答形式で答えてもらった。「食費3万円、飲み代2万円、交友費1万円、ショッピング2万円、雑費1万円」(計9万円、外資系大手・システム開発・25歳)というリッチ派から「お菓子5000円、飲み代5000円」(計1万円、国内大手・研究・特許関係・27歳)というつつましい人までさまざまだが、全体的には小遣いの大半は飲食代に消えているようだ。
| ☆職種でアリかキリギリスか | |
貯蓄額はライフステージや環境によって大きく影響される。年齢、未婚か既婚か、1人暮らしか親と同居か、既婚者なら配偶者の収入、子どもの有無などで左右されるだろう。だが今回はエンジニアの職種で分けており、独特で興味深い。 概して年収が高ければ貯蓄額や小遣いも多いようだが、職種別に見ると意外と違いが出ている。年収に対する貯蓄額を見ると、同じくらいの年収でもくっきり違いが出たものもある。年収の倍近い貯蓄を持つ「回路・システム設計」と、年収の半分ほどしか貯蓄のない「機械・機構設計、金型設計」の差は顕著だ。それなのに小遣いが同じなのがまた意外だが。 一方「コンサルタント、アナリスト、プリセールス」は年収がダントツで小遣いもダントツだが、貯蓄は年収を下回る。貯蓄をあまり重視していないことがうかがえる。職種により堅実にためるアリ派となるか、小遣いとして消費するキリギリス派となるか、ある程度傾向として浮かび上がってきたのは面白い。 ただし本文にもあるように、人生には貯蓄しやすい時期と消費が重なる時期がある。ためられる時期にためておくことも心に留めておきたい。 (加山恵美) |
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