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第30回 元エンジニア告白! 辞めたワケといまのキモチ

Tech総研
2006/7/13

エンジニアからまったく違う道へ転身する人もいる。5人の元エンジニアが、エンジニアを辞めた理由と新天地で働いての気持ちを語る。(Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載)

 

5人の“元”エンジニアが語る
それぞれの「過去」と「いま」

 ひと口にエンジニアから異業種への転職といっても、そのパターンは実にさまざま。そこで、エンジニアを辞め、高校教諭、タレントマネージャ、編集者、マーケティング、営業へとそれぞれまったく違う業種に転職した5人の“元”エンジニアにインタビューを試みた。さまざまな立場から語られる多種多様な“元”エンジニアの生の声に耳を傾け、エンジニアの異業種転職とはどのようなものなのか、まずは探ってみた。

CASE1
「新しい夢に挑戦するための転職」……
工場FA・SE→高校教諭Aさん

 Aさんは、「モノづくり」が大好きで、エンジニアの仕事自体には十分満足していたという。だが、会社の派閥争いに巻き込まれた際、友人から誘われたことをきっかけに、もう1つの夢だった高校教諭としての道を歩むことを即決した。

■エンジニア時代のプロフィール
A大学工学部を卒業後、エンジニアとしてB社に就職。その後、C社に引き抜かれ、工場のFAシステムエンジニアとして29歳まで記録計の設計を担当。後に係長となり、海外の関係会社における技術指導にも携わる。

■現在のプロフィール
工業高校で臨任の機械科教諭として採用され、その後正規雇用に。現在、教師歴15年。常に自分の力を試したい、新しいことにチャレンジしたいという意欲を持ち、44歳にして今後の転職をも視野に入れている。

エンジニアを辞めたワケ……
「私は、教師になる夢をかなえるために辞めました」

 エンジニアとしての仕事は、公私共に満足いくものでした。当時の会社の方針は、「新しい設備を積極的につくろう」。そのため、さまざまな仕事を社員に任せてくれました。無論、非常に忙しかったし、ミスもたくさんしたけれど、その分やりがいも大きかった。自分のアイデアをどんどん形にし、それを現場の人が喜んで使ってくれることがうれしくて。いまでも自分がつくったものが工場で動いているんです。形に残る仕事っていいですよね。

 そんなエンジニアを辞めた理由は2つ。1つは社内の派閥争いに巻き込まれてしまったこと。もう1つは、別の夢をかなえるチャンスが私の元にやってきたこと。かねてから私は3つの夢を持っていました。1つは設計の仕事をすること、残りの2つは教習所の講師と学校教師になること。エンジニアを辞め、新しい夢に挑戦することにちゅうちょはありませんでした。何とかなるって思っていました。実際、何とかなりましたし(笑)。

高校教諭になったいまのキモチ……
「いまの仕事は、人を育てて自分も成長できる」

 昔からの夢の1つだからという理由で高校教諭への道を踏み出したのですが、やはり最初は大変でした。工業系の教員免許は教育実習をしなくても取ることができるので、教壇に立つのも初めて。自分が工業高校に通っていたときのことを思い出しながら、何とか授業を進めました。幸運なことに、同じ学校に知り合いが何人か勤めていたので、悩んだときにはすぐに相談できました。

 苦労したのは人のしかり方。私の勤務する工業高校は正直、どちらかというとやる気のない生徒たちが多い(笑)。学ぶ気がない相手に教えるって難しいんです。その半面、やりがいは、四苦八苦して指導した生徒に「分からなかったことが分かった。ありがとう」と感謝されることなんですよね。卒業後もつき合いが続く生徒たちがいるのもうれしいことです。利潤追求ではなく、人を育てることの醍醐(だいご)味を知りました。

 ちなみにエンジニア時代の経験も、生徒たちに進路指導をする際にとても役立っています。また、エンジニア時代の名残か、物事を効率よくこなす癖がついているため、自由時間をたっぷり確保できています。その自由時間を趣味などに使うと、さらに人脈は広がっていきます。趣味であれ仕事であれ、人から学ぶことはとても多い。人とのつながりは、エンジニア時代に比べて確かに増えました。つまり学ぶ機会も増えたということです。だから、いまの仕事に満足しています。ただエンジニアの性分として、そろそろ新しいことに挑戦もしたいかも(笑)。

エンジニア時代のメリット
・大きなプロジェクトに挑戦できる
・自分のした仕事が目に見える形となって残る
・給与が良い

エンジニア時代のデメリット
・忙しすぎる
・利潤追求に走りがち
・人と接する時間が少ない
  現在のメリット
・残業もなく、時間のゆとりがある
・人を育てるという醍醐味
・教師の立場は平等で、ノルマもない

現在のデメリット

・学校のシステム自体に無駄が多い
・すべきことがあらかじめ決まっている
・自分の力を試す場が限られている

CASE:2
「肉体的・精神的つらさに耐えかねて転職」……
システム提案・プロジェクト管理→雑誌編集者Bさん

 大学卒業後、Bさんは大企業に就職。SEとして活躍していたが、入社1年後に任されたシステム開発のプロジェクトでトラブル続発。肉体的にも精神的にも追い込まれ、転職したいと思っていた矢先、雑誌編集者への道が開けた。

■エンジニア時代のプロフィール
新卒で大手企業T社に入社し、SEとして3年間勤める。中堅中小企業向けのシステムの提案およびプロジェクト管理、ネットワークの販売業務など、多岐にわたる業務に携わっていた。

■現在のプロフィール
26歳のときにIT雑誌の記者兼編集者に転職。企画出しや取材はもちろんのこと、エンジニア時代のプロジェクト管理の経験を生かし、雑誌制作におけるもろもろの進ちょく管理までこなしている。

エンジニアを辞めたワケ……
「私は肉体的、精神的苦痛で辞めました」

 最初の1年は楽しかったんです。コンサルタント的な仕事が多かったので、クライアントの役に立っているという実感も得られましたし。

 問題はその後、リーダーを任された住宅関係のアプリケーション開発。頼るべき上司や先輩もいない状態で、すべてを取り仕切らねばならなかったんです。しかもプロジェクトが難航して。いくら綿密にスケジュールを立てても、その開発業者は納期を破るのが日常茶飯事。残業時間は月250時間にも上り、精神的にも肉体的にもつらくて。歩道橋を渡るとき、下を見下ろしては「飛び降りたら楽になるかなぁ」なんて考えてしまうくらいに。

 プロジェクト終了後、いわゆる“燃えつき症候群”になってしまい、再びこんな案件を押し付けられたらという不安にも悩まされました。異動願を出しつつ転職も考えている状態で、転職サイトをうろついていたとき、何げなくクリックした求人広告のバナーからいまの仕事を見つけました。

雑誌編集者になったいまのキモチ……
「いまの仕事は、自由気ままな私にとって適職だ」

 たまたま応募したのが編集者という仕事だったのですが、実際仕事に就いてみて、この転職は自分にとって成功だったなと思います。最初こそ文章力はないし、右も左も分からない状態で、まさにゼロからのスタートだったのですが、慣れるに従ってどんどん面白くなりました。そのうえ給与も転職前に比べてアップしましたから。

 もちろん編集者は忙しいし、2週間に一度は締め切り間際には苦しむんですけどね。それでも、あの会社でSEをしていたころのつらさに比べればいい方だと思います。要は締め切りに間に合えばいいわけで、スケジュールも自在に組み立てることができますし。すべきことさえしっかりしていれば、平日に休みを取ることも可能です。この自由気ままなワークスタイルは性分に合っています。

 ちなみに、エンジニア時代に培った交渉力は取材の依頼時に非常に役立っています。さらに、仕事の調整力は編集業務のスケジュール管理に役立っているので、エンジニア時代の経験も無駄になっていないのです。

 このように、前職の経験も生かすことができるいまの仕事には、とても満足しています。ただ、SEの仕事も好きだったので、それほど忙しくなければまた戻ってみたいなとも思います。いまの経験を生かしてコンサルタント的な仕事がやれるなら、なおいいですね。

エンジニア時代のメリット
・特定の顧客の役に立てたという満足感
・開発スパンが長い
・大きなプロジェクトの責任の重さ

エンジニア時代のデメリット
・超過労働
・他人のスケジュールに振り回される
・数カ月、数年、半年に一度の修羅場
  現在のメリット
・スケジュールが自由に組める
・多くの人と話すことができる
・給与アップ

現在のデメリット
・2週間に一度の締め切り
・感覚で仕事を進める同僚のしわ寄せ
・読者の評価を実感しづらい

CASE3
「ガムシャラに没頭できる仕事を求めて転職」……
エレベーター設計エンジニア→タレントマネージャCさん

 Cさんは、ミュージシャンになるという夢に見切りをつけ、エレベーターの制御盤を設計するエンジニアに。業務にも慣れたころ、ずっとPCの前に座り続ける単調な仕事を続けていたら後悔しそうだと思って退社。夢に近く、没頭できる仕事を求めてマネージャに。

■エンジニア時代のプロフィール
高専卒業後、21歳でエンジニアに。子どものころから興味を持っていたエレベーターの設計に携わりたいと思ったのがその動機。エレベーター制御盤の設計と、部品の手配業務に携わる。エンジニア歴は4年。

■現在のプロフィール
俳優である知人から声を掛けられたことがきっかけとなり、芸能プロダクションでマネージャとして働く。複数のグラビアアイドルのマネージャを兼務している。将来の夢は音楽プロデュースの道へ進むこと。

エンジニアを辞めたワケ……
「私は将来の方向性に“ズレ”を感じて辞めました」

 エレベーターといってもさまざまな種類のものが存在するので、設計はとても面白かったです。エンジニア時代に一番やりがいを感じたのは、難しいオーダー設計にもかかわらず、設計ミスが1つもなかったときですね。トラブルが起きれば残業で夜中でも作業するということもありましたが、基本的に土・日は休みでしたし、人間関係も良好で働きやすい職場でした。ものすごい数の部品チェックは退屈でしたけれど(笑)。

 ただ、仕事に慣れてきたら、毎日がとても単調なものに思えてきて。この先10年、20年、ずっとPCの前で作業をしているのかなと考えると怖くなったんです。これ以上居続けることに意味があるのかどうか。将来の自分のことを考えると、もっと多くのことを学ぶことができる仕事があるんじゃないかと。そこでエンジニアを辞めました。そして本気で打ち込める仕事を真剣に探し始めたんです。

タレントマネージャになったいまのキモチ……
「いまの仕事は、私にとって未来への投資だ」

 求職中、友人が、知り合いの社長がタレントマネージャを探していると声を掛けてくれたんです。そのプロダクションは音楽のマネジメントも手掛けていて、将来その仕事ができたらいいなと思い、まずは下積みのためとタレントマネージャになりました。

 さて、このタレントマネージャという仕事ですが、給与はエンジニアをしていたころよりも下がりましたし、休みもまったくありません。常に新米のアイドルをどのようにプロデュースするかに心を砕き、プライベートな時間は皆無です。しかしそれでも、私はこの仕事にハマっています。“元”エンジニアだからでしょうか、毎日が勉強の連続で、それが楽しいんです。いろんな場所に出向き、いろんな人に会って刺激を受けています。まるでロールプレイングゲームのよう。いろんな人と出会うことにより、少しずつ経験値を上げてレベルアップしている実感が得られます。この経験は後に財産となるはず。営業先のリストも増えますしね。将来のための投資と思って、いまはがむしゃらにマネージャという仕事に没頭しています。

 ちなみに、エンジニア時代に培った記憶力とPC技能が、現在の仕事に役立っています。事務所に所属している女の子たちのスリーサイズもすぐに覚えられますしね(笑)。複雑なスケジュールを組む際にも、エンジニア時代の経験が役立っています。いかに効率よくスケジュールを調整するかは、この仕事においてとても大事なことなんです。

エンジニア時代のメリット
・土・日はしっかり休めた
・人間関係に気を使わないでOK
・給与が良かった

エンジニア時代のデメリット
・毎日単調な仕事の繰り返し
・人と話をする機会が少ない
・先が見えない不安
  現在のメリット
・多くの人に出会える
・将来性が感じられる
・日々、刺激がある

現在のデメリット
・休日がまったくない
・低い給与
・神経を使う

   

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