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第37回 世渡り上手なエンジニアの「自己PR術」

Tech総研
2006/12/20

自己PRなんて「気が引ける」かもしれないが、努力が気付かれていない、報われていないならアピールしてもいいのでは。うまくアピールするコツとは。(Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載)

 

Part1
その頑張りって、本当に報われてるの?

 職場での評価に対するアンケートの結果で特に注目したいのが、エンジニアが自己PRに対して消極的なところ。いったい何が原因なのか、データの中身を見てみよう。

 図を見てほしい。「あなたは積極的な自己PRを職場で行っていますか?」という質問で、「常に行っている」人が26%にとどまり、「まったく行っていない」人が46%と約半数を占めていた(図1)。「現在のあなたの査定に対する満足度を教えてください」という質問に対しては「やや不満だ」が26%、「不満だ」が21%となり、半数近くのエンジニアが評価に満足していないという結果が出た(図2)。

図1 あなたは積極的な自己PRを職場で行っていますか?
図2 現在のあなたの査定に対する満足度を教えてください

 グラフはないが、自己PR度と満足度をクロス集計したところ、自己PRを「まったく行っていない」で査定は「やや不満」「不満」と感じているエンジニアが46%。特に自分をアピールするわけではないが、査定には不満があるというエンジニアの姿が浮き彫りになった。

 技術職なので渡世術的な自己PRは苦手という人も多いだろう。しかし社会においては、自分を見せることがうまい人間ほど早く高みにいけるのが実際なのだ。ほんのちょっとの努力でいまのポジションから上に行ける可能性があるのなら、やっぱり自己をアピールすることは大切だろう。

 そこで今回は、そうした努力をした結果、環境が改善できたという具体例を紹介するとともに、自己PRについて徹底的に掘り下げていきたいと思う。では、まず成功例から見ていくことにしよう。

 

Part2
低評価脱却の「マイ自己PR術」はこれだ!

 自己PRすべき相手は、日ごろ接している直属の上司。上司にもいくつかのパターンがあり、それぞれ対応も違う。成功例から導き出される具体的な対策を見ていきたいと思う。

ケース1 客先の上長から直属の上司に成果を伝えてもらう
評価を行う直属の上司が多忙、人員が多いこともあり、全員の評価を適正にできているかが不安。そのうえ客先に常駐していて、普段直属上司と顔を合わす機会が少ない。
29歳 男性 神奈川県 システム開発(マイコン・ファームウェア・制御系) 年収520万円(うち残業代100万円)

■上司のタイプ
好き嫌いが比較的激しく、人によって態度が違う。自分は好かれている方だと思うが、嫌われたら大変そう。

■会社の評価制度
成果主義。半年に一度チャレンジ目標設定と前の期の評価を実施。面談により評価(ボーナス)が決まる。また、1年に一度自分の職務ランク付けを実施し、面談後に評価が決定し、給与へ反映。
■自己PR
客先で直属の上司の目が届かないので、自分から極力情報を流すようにした。

■PRスタイルとその成果
重要なメールに関してはCC/BCCに入れたり、客先の直属上司から自分の直属上司に連絡を入れてもらったりした。以前から実施しているので給料が上がった実感はないが、同期の中では一番評価が高い。給料には一応、満足はしているがもっと上げてほしい。


ケース2 報告・相談のときは解決案も提示
複数のシステム保守など、仕事がほかの人より多岐にわたっているのだが、そのことがきちんと理解されているのか不安。
39歳 男性 埼玉県 システム開発(Web・オープン系) 年収700万円(うち残業代30万円)

■上司のタイプ
見てないようで細かなところまで見ていて、困った顔をしていると何げなく声を掛けてくれる。技術の知識も豊富で、とても信頼できる。

■会社の評価制度
完全な成果主義ではないが、まず半期目標を設定し、半期ごとに目標と成果について上司との面談を行い、賞与査定、昇進などに反映される。
■自己PR
問題点などの報告では必ず解決案をいくつか用意し、上司が迅速に判断できるような資料を用意した。

■PRスタイルとその成果
「上司に解決策を考えさせるな」と新入社員のときの上司に仕込まれたので、具体的な解決案の提示は以前から行っている。また、報告という形を取って多くの仕事をこなしていることをアピールした。結果として、専門学校卒だが大卒の同期よりも早く、トップで主任クラスに昇格した。


ケース3 これまでの業務成果を、独自資料にまとめて提示
個人の業績評価の基準があいまいで評価が得にくいために、「縁の下の力持ち」タイプの業務はおろそかにされていた。
38歳 男性 兵庫県 素材、半導体素材、化成品関連 年収1000万円(残業代は管理職のため0円)

■上司のタイプ
優柔不断で、決断がタイムリーにできない。みんなが迷ってしまうので、部下を引っ張っていくタイプではない。

■会社の評価制度
年初に業務の目標設定を行う。本年度のボーナス額は昨年度の会社の業績ベースと個人の業績評価で決まる。
■自己PR
研究成果が学術面だけでなく、製品の性能、評価向上にどれだけ貢献しているのかを、数値化して上司に提示した。

■PRスタイルとその成果
もともと業務内容にも不満があったので、査定のタイミングでいままで自分が行った仕事の貢献度を、査定用の報告書とは別に資料にまとめてきちんと主張した。結果として職位(給料)が上がり、評価にはやや満足している。まあ当然といえば当然であるが、主張すれば認められる会社でよかったと思う。


ケース4 チームメンバーに働き掛け、間接的に伝えてもらう
具体的な数値で成果が分かる仕事ならいいが、半年以上のかなり長い期間を要する開発なので、明らかに成果がない限り年功で収められていた。
30歳 男性 東京都 機械・機構設計、金型設計 年収560万円(うち残業代50万円)

■上司のタイプ
よく話を聞くタイプだが、その裏返しに周囲の意見に影響されやすいところがある。声の大きい人の意見が勝つことが多い。

■会社の評価制度
年功型をベースに、半年ごとの目標に対する成果、チームでの貢献度などを考慮して加算される。
■自己PR
上司に直接訴えるよりもチーム(職場)内で認められるようにすることで、自然とほかのメンバーから上司に自分の働きが伝わった。

■PRスタイルとその成果
過去にほかのメンバーが上司に直訴し、チーム内がギクシャクしたことがあったため、上司1人に認められるより職場内で認められる方が波風が立たず確実だと思った。金額は数千円上がる程度の影響しかなかったが、職場でうまくやっていくには、お金よりも信頼されることの方が大事なので、多少給与に不満があるものの我慢だと思っている。


ケース5 査定面談の際はレジュメも用意
明らかに仕事量が他人よりも多いのに、給料にはあまり反映されず、業務量での給料の差別がされていない。
27歳 男性 岐阜県 品質管理、製品評価、品質保証、生産管理 年収420万円(うち残業代130万円)

■上司のタイプ
八方美人のため、決断が下せない。管理・判断すべきことをごまかし、結局物事は前に進んでいない。

■会社の評価制度
形式的には成果主義を導入。自己評価シートおよび年度初めに立てる目標の達成度を評価の土台とし、半年に一度上司と面接し自己PRの時間を30〜60分ほど設ける。
■自己PR
面談のときは、PRに漏れがないようにレジュメを用意し、会社に有益と確信しているものは時間をかけて何度も説得。そのたびに視点を変えた資料を作成した。

■PRスタイルとその成果
毎回面談のたびにレジュメは作成してきちんと説得しているため、多くの業務をこなしていることは認めてもらい評価点は上がった。しかし給与には反映なし。評価が上がっても報酬に反映されない会社の評価制度が問題だと感じている。


ケース6 仕事の依頼には積極的に対応し、アウトプットはきちんと残す
評価の給与への反映がとても少ないため、職場のモチベーションが低く、仕事を誰もやろうとしない。皆と同じように沈没するのが納得いかなかった。
31歳 男性 石川県 機械・機構設計、金型設計 年収450万円(うち残業代40万円)

■上司のタイプ
頼りがいはあるが、人に強くいえないタイプで、はっきりいわれるとどうしていいか分からなくなってしまう。特に上には強くいえていない。

■会社の評価制度
ボーナス時と年に一度の昇給時に上司の査定があり、給与と昇進に反映されるが、賞与や昇給の金額の差は微々たるものである。
■自己PR
仕事を頼まれたら積極的に行うようにし、アウトプットは口頭ではなく常にメールや紙で出し、エビデンスが残るようにした。

■PRスタイルとその成果
ほとんどの人が自分の仕事を増やしたがらず、作業分担で仕事をなすりつけあっている光景を目にしたため自発的に行った。給与額は変わらなかったが、上司にかわいがられるようになり、自分がミスなどをしたときはフォローをしてくれるようになった。また、職場での自分の行為が認められポジションが高くなったので、発言力が高まり、仕事がやりやすくなった。金額より人の心の部分の方が大事だと思う。

   

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