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最新データで見る「エンジニアのキャリア事情」

第38回 ソコがヘンだよ! 日本人エンジニア

Tech総研
2007/1/11

日本国内の開発現場にも外国人が合流するようになっているという。外国人エンジニアの目に日本人エンジニアはどう映るのか。(Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載)

 

Part1
技術力に国境なし?! 職場に外国人が増えた実感値は?

 少子化による理工系学生減少のため、IT業界の人材が不足し、大手メーカーも今後の巨大マーケットを見越して中国をはじめとするアジア諸国に海外事業所を設置するなど、優秀な外国人エンジニアの獲得に積極的だ。今回の調査でも「外国人と仕事の接点がある」と答えた人が50%と半数を占め、57%が外国人と仕事をする機会の増加を認めている。外国人エンジニアの技術力へのハングリー精神や高い語学力に「刺激を受けた」という回答も多く、外国人エンジニアの存在は「よき競争相手」「よき仕事仲間」として認識され始めている。

図1 外国人技術者と仕事の接点はある?(エンジニア4088人に調査)
図2 外国人技術者との仕事機会って増えてない?(外国人技術者と仕事の接点があるエンジニア100人に調査)

 

Part2
外国人から見た日本的ワークカルチャーの問題は?

 技術力は国境を越えても、なかなか越えられないのが言葉の壁とワークカルチャーの違い。テクノロジ先進国・ニッポンに期待して来日した外国人エンジニアも、この壁に突き当たってしまうことが多い。日本で働く機会の多い中国・アメリカ・インドのエンジニアたちに忌憚なき意見を聞いた。

中国人 SE
チャンさん
(仮名/31歳)
来日7年

大学卒業後、日本企業の中国事業所に入社。現在は日本で勤務し、中国人と日本人が半々のプロジェクトのマネージャを務める。日本の第一印象は「街にゴミがまったくなくきれい」。

アメリカ人 ブリッジSE
ピーターさん
(仮名/36歳)
来日13年
ロサンゼルス生まれ。大学では日本語専攻。報道のビデオエンジニアとして来日。現在はフリーのブリッジSEとして大手メーカーのオフショア開発に携わっている。日本の第一印象は「街に魚のにおいがする」。
インド人 SE
ヴァールさん
(仮名/27歳)
来日4年
バンガロールの日系企業で9カ月の日本語教育と3カ月の技術研修を受けた後、来日。大阪勤務から東京勤務になったばかり。インドへのアウトソーシングではマネジメント業務を行う。日本の第一印象は「自動販売機が多い」。

CASE1 会話でのギャップ
日本人だけに分かる微妙なニュアンスの指示は混乱を招く
  インドでは英語が準公用語。中国語は文法的に英語に似ている。英語圏のグローバリゼーションが進む中で、外国人エンジニアの日本進出を阻んでいるのが日本語という壁。しかも、たとえ日本語をマスターしても、日本人特有のいい回しや微妙なニュアンスが伝わらず、混乱を招いているようだ。

日本語は方言があって難しい

「日本語を学ぶときは標準語のため、『あかん』という関西弁の意味が全然分からなかった」とヴァールさん。来日当初は先輩に通訳してもらったりしていたため、コミュニケーションのストレスがやはり大きかったようだ。

英語で話すと腰が引けちゃう!

ピーターさんがクライアントの立場で英語で要望を伝えると、弱腰になる日本人が多いという。アメリカでは少しくらい強気で互いの要望をぶつけ合うのが当たり前。相手の要望を受け入れようとし過ぎて妥協してしまうと、「完成度が低くなる」と考えている。

日本人は何でも遠まわし

「ミスをしてもストレートにいわないから、分からない」(ヴァールさん)、「仕事の進め方に問題があってもすぐに指摘しない」(ピーターさん)と、外国人には日本人の遠まわしに伝える感覚が理解しづらい。「効率的でない」と思われがちだ。

命令ははっきりいってください

日本人は命令が苦手。相手を気遣うあまり、とかく語尾を問い掛け調にしてやわらげる。「こうした方がいいんじゃない?」と上司にいわれたチャンさんは「やってもやらなくてもいい」と受け止め、結局やらない方を選択してしまった。

無口でストイックすぎるよ

大の議論好きで知られるインド人のヴァールさんにとって、日本人はとにかく無口な印象。同僚と頻繁にコミュニケーションを取ることで「職場にダイナミックな動きが出て効率も上がる」と考えるアメリカ人のピーターさんにとって、日本人はストイックすぎる印象となっている。
一方、日本人エンジニアは……?
■日本人の相づち表現がインド人には分からないらしく戸惑った (システム開発/31歳男性)

■中国人や韓国人は自己主張がはっきりしている。こちらのいい分はあまり聞いてくれないので、仕様を伝えるのに時々苦労する(回路設計/39歳男性)

■アメリカ人とは英語で会話をしているが、日本的な微妙なニュアンスが伝わらず、意思疎通が難しい(ネットワーク設計/27歳男性)

CASE2 仕事のやり方・進め方
仕事の進め方に問題を感じたら、指摘すべきでは?
  外国人エンジニアから見た日本人の仕事ぶりは「細かい」「徹底的」「勤勉」など。残業や休日出勤など、プライベートを犠牲にしてまで仕事にいそしむ日本人の姿は「尊敬すべき」とする一方で、「効率的ではない」とする意見も。仕事のやり方に問題があっても指摘する人が少ないことに問題を感じているようだ。

勤務時間は長いし、バカンスもない

インドではプロジェクトが終わると、次のプロジェクトまで暇な時間が与えられ、2週間ほどバカンスを取ることも可能だ。「バリバリ元気に働き続けるためにもバカンスは大切」とヴァールさん。勤務時間が長すぎるため、平日は仕事だけで終わってしまうことに寂しさも感じている。

日本企業はスパルタン! 効率的じゃない

仕事の効率を重視するピーターさんにとって日本企業はインフラ投資をおろそかにして、安い給与で長時間働かせる労働力に頼って見える。そこでひと言「スパルタン!」。アメリカで同じやり方をしたら「みんな辞めてすぐにつぶれる」と話す。

日本人の仕事は細かすぎる!

ヴァールさんもチャンさんも日本人の民族性ともいえる「細かさ」を指摘。こまごまとした指示を出しすぎると、彼らは「うるさい」と感じてしまうようだ。しかし、そうした細部へのこだわりが高品質の製品を生み出していることも認め、「日本人の尊敬すべきところでもある」と考えている。

1日の社内メールが300通だって!?

ピーターさんの考えでは、日本人はメールに頼りすぎ。大量のメールを読むだけで時間が過ぎてしまう。「まずは電話で話して、その後に確認としてメールを使うべきだ」と話す。プロジェクト管理をすべてメールで行うのも非効率的と感じている。

トラブルが発生するとまずは徹底究明……

トラブルが発生した際、チャンさんによれば「日本人は原因を徹底究明したがる」傾向があるという。中国人はまず問題解決が先。問題の究明には時間も労力もかかるし、「結局分からない」ということも多々ある。徹底究明の姿勢により、作業がストップしてしまうことの方に問題を感じている。

技術力へのチャレンジ精神が低下

チャンさんによれば、日本人と中国人では技術力に対する目的意識が違うという。日本人は現在の仕事を完ぺきにこなすための安定した技術力を重視。中国人は現在の仕事をより発展させていく新たな技術獲得を重視。仕事で技術力の進歩が得られないと感じたとき、中国人は不満を感じるようだ。
一方、日本人エンジニアは……?
■欧米人は基本的に自分の責任範囲の仕事しかしない。あふれた仕事は出張や残業をしてやることになる(セールスエンジニア/34歳男性)

■技術を教えても自分の成長のためにはどんどん吸収するが、自分だけの技術だけにとどまり、ほかの中国人メンバーにはなかなか伝わらない(システム開発/35歳男性)

■ソフトウェアの品質に対する認識がまるで違う。外国人エンジニアは問題が出てから対処すればいいという考え方だが、日本では徹底した動作検証をして安全を保証する(コンサルタント/32歳男性)

CASE3 慣習・文化の違い
仕事より家族・恋人。価値観の違いが残業時間に表れる?!
 日本人エンジニアからは「外国人は残業しない」という意見が多い。これは、仕事よりも家族や恋人と過ごす時間を大切にするため。外国人は仕事を早めに切り上げ、アフターファイブを大切にしたがる。彼らからすれば、公私共に仕事を中心に考える日本人の感覚がナゾに映る。

日本人はあまり笑わない

日本は笑い顔を「失礼」とする文化的特色がある。しかし、異国の地で職場に溶け込めるかどうかと不安を抱える外国人にとって、無表情な日本人の集団はちょっと怖い。来日当初、チャンさんは笑顔のない職場の雰囲気にかなりのプレッシャーを感じた。

仕事の後も上司とお酒のお付き合い

日本にはお酒の席で親交を深める「飲みニケーション」文化がある。宗教的理由から飲酒の習慣がないインド人にとっては未知の文化。また、アメリカ人のピーターさんは「こうした慣習を受け入れない若い日本人が増え始め、上司と部下のきずなが弱まり、技術の継承がない」と分析した。

毎日、家で作ったカレー弁当です

インドでは宗教的理由からベジタリアンの人も多い。困るのが昼食だ。外食すると必ず肉や魚が出るため、ヴァールさんは家で毎日カレーを作り、カレー弁当にして会社に持参。「カレーが大好きだから」というだけの理由ではないのだ。

日本人は忙しすぎて遊んでくれない

アメリカ人は仕事を明日に回してでもアフターファイブを楽しむが、日本人は残業をしてでもその日のうちに仕事を終わらせようとする。せっかく日本で友達ができたと思っても、一緒に遊ぶ時間が作れないため、「人間関係が自然消滅しがち」とピーターさん。
一方、日本人エンジニアは……?
■イスラム教徒の習慣に合わせるため、歓送迎会の食事メニューにもかなり気を使った(運用・保守/39歳男性)

■欧米のエンジニアは、急ぎの仕事があっても残業も休日出勤もめったにしない(システム開発/38歳男性)

■外国人は仕事よりも家族と恋人が大切。仕事中に家族や恋人と連絡をとりすぎだと思う(コンサルタント/31歳男性)


   

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