Tech総研
2007/2/6
大学生に、将来の職業としての「エンジニア」はどのように見られているのだろうか。過酷な労働条件で嫌われているという声を聞くことも多い。ところがそうとは限らないようだ。(Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載) |
その1 |
「エンジニア」を応援し続けてきたTech総研では、あらためてエンジニアという職業が世の中からどう見られているかを解明すべく、就職を控えた大学3、4年生300人を対象にアンケートを実施。その結果、エンジニアという職業は意外?!にも、学生の間で人気が高いことが判明。また、エンジニアを希望している学生は、「いま大学で学んでいることを仕事でも生かしていきたい」と、ほかの職業を希望する学生よりも仕事に対して明確なビジョンを持っていることが分かった。
最近、理系離れによる「エンジニアの卵」の減少という事実に少なからず不安を感じていたTech総研にとっては、ホッとする結果が出たといえる。
学生にとって、エンジニアのどんなところが魅力的で、どんなところが不安要素なのか。今回はアンケートのほかにもそれぞれ理系、文系を専攻している2人の現役大学生にインタビューを実施。さらに現在の就職市場における最新動向も絡め、大学生にとってのエンジニアという職業の存在価値をひもとくためのヒントを探ってみた。
大学3・4年生300人の就職希望先(内定先)職種 |
エンジニアイメージ1 「エンジニア」と聞いて真っ先に浮かぶ仕事のシーン |
エンジニアに対するイメージ「黄金の3パターン」とは?
まずエンジニアという言葉は、大学生にはどの程度なじみがあるのだろうか。アンケートを行ったところ、図1のような結果が出た。それでは、エンジニアと聞いて真っ先に浮かぶ仕事のシーンとは? これは大きく3つに分類された。プログラム系、ハードウェア系、研究系である。
図1 「エンジニア」という言葉に対するイメージ |
インタビューをした2人の学生の意見も聞いてみた。理系を専攻し、将来エンジニアへの道を希望しているA君(24歳・大学4年生)からは、「作業服を着て大きな工場で働いているイメージ」、つまりハード系のイメージが浮かぶとの回答が得られた。一方、具体的なイメージがわかないと答えていた文系のB君(24歳・大学4年生)は、「エンジニアは車のデザインや設計などを行い、ひたすらパソコンの前で頭を酷使していそう」と、ソフトウェア系の仕事のシーンを思い浮かべたようだ。アンケートでも2人と同様の意見は多く、プラスして「研究室でひたすら研究している姿」と答えた人も多数いた。この3つのイメージは、学生の間だけでなく一般的な認識にも近いものだろう。
大学生300人のコメント ・IT関係の技術者を思い浮かべる。キレイな都会のビルで働いているイメージ(22歳・大学3年生) ・新製品の開発に四苦八苦しつつも、それを楽しんでいる人たち(20歳・大学3年生) ・研究室に閉じこもり、PCにひたすら向かっている。横には寝袋が常備(22歳・大学4年生) ・全身真っ黒で油まみれになって機械をいじくる姿(21歳・大学3年生) |
エンジニアイメージ2 「エンジニア」に対する印象 |
多くの学生にとって、エンジニアは魅力的!
山のように押し寄せる膨大な仕事の数々を、常に頭をフル回転させ次々とこなしていくエンジニアたち。残業はもちろん、貴重な休みも返上して仕事をするなんて当たり前。世間一般ではそんなマイナスなイメージを持たれかねない職業だが、学生にとってはどうなのだろうか?
アンケートの結果を見てみると、学生の持つエンジニアに対するイメージは意外にも良く、約半数が魅力的だと感じている事実が分かったのだ(図2)。その理由のうち最も多いのが「時代の最先端で仕事をしているから」というもの。若い学生たちにとって、時代のニーズに応え、自分たちの力で新しいものを次々と開発していくというエンジニアの仕事は、あこがれの的だったのだ! 実際にインタビューに答えた学生2人も、エンジニアという職業がいまの日本を大きく支えていると感じていた。「エンジニア=未来を切り開く」という定義が学生の間では浸透しており、魅力を感じる最大の要因となっているようだ。
図2 「エンジニア」という職業・仕事に対する魅力 |
大学生300人のコメント ・時代の最先端で活躍し、今後の未来を大きく変えていきそうでかっこいい(21歳・大学3年生) ・スペシャリストな感じがしてかっこいい。社会を支えている感じがする(22歳・大学3年生) ・ 自分が作ったものにより人々が楽しい気分になることが魅力的(20歳・大学3年生) ・ 時代に合った職業だが、離職率が高いことがちょっと不安でもある(20歳・大学3年生) |
今回のインデックス |
最新データで見る「エンジニアのキャリア事情」(39) (1ページ) |
最新データで見る「エンジニアのキャリア事情」(39) (2ページ) |
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