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第40回 約6割が年収UP! エンジニア転職給与事情

Tech総研
2007/3/5

好景気の影響か、転職で年収アップとなるケースが多いようだ。転職を決めた理由、また年代や職種別の転職前後の給与事情などを詳しく分析する。(Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載)

 

給与と将来性が転職2大要因。
事業転換、配置転換の影響も

 転職するには理由がある。アンケートで最も多い回答は、「会社からの評価や給与が上がらない、下がった」(42%)というもの。「会社や業界の将来に不安を感じた」(40%)という理由もかなりの割合であり、「給与」と「会社の将来性」は転職の2大要因ということが分かる。「希望する仕事に就かせてもらえない」(24%)、「休日数、残業、勤務時間に不満があった」(23%)などは、上記の理由をより詳細に述べたものということもできる(図1)。

図1 転職を決意した理由は何ですか?

 昔からの転職理由「人間関係に不満を感じた」(26%)も高率を占めてはいるが、興味深いのは「企業のコア事業・業務から遠ざかっていた」(10%)、「市場価値の低い仕事を担当するようになり、社外通用度が低くなっている気がした」(7%)などにも一定数回答が分布していることだ。

 好景気のため、企業倒産、人員リストラなどやむなく転職せざるを得ない理由は減っている。しかし、企業は生き残りのために事業再編を進め、コア事業への選択と集中を相変わらず強めている。そのコア部分を担えないことが、将来への悲観、仕事へのモチベーション低減となり、ひいては転職につながるというプロセスもあるようだ。

 また「いまの会社・職場にいては将来にわたるエンプロイアビリティ(雇用される能力)も高まらないし、いずれは社外で通用しなくなる」と判断して、それを転職理由に挙げる人もいる。自分のスキルの市場価値を、エンジニアは絶えず敏感に感じているのだ。

 転職理由と対になるのが、転職先の企業を選択した理由。転職理由については、よく仕事重視か給与重視かという二律背反論で語られることが多い。しかし、実際はそう簡単にどちらか一方だけを選べるものではない。もちろん「仕事内容の面白さ、だいご味」(49%)と「年収(残業代含)の額」(38%)との比較でいえば、仕事内容に軍配が上がっているが、実のところは「仕事も給料も」というのが転職者の本音だろう(図2)。

図2 転職先の企業を選択した理由は何ですか?

 「企業の事業戦略や経営目標の将来性」「会社の風土や慣習との相性」「経営者や社員への好感度」などもそれぞれ一定の割合を占めている。理由が1つだけというのは、むしろまれなのではないだろうか。

 今回は転職に伴う、業種変更、企業の資本特性の変化についても聞いた。転職前にIT・通信系の企業に勤務していた人が52%。転職後にIT・通信系になった人が51%ある。これは、今回の調査対象にIT・通信系の人が多いということ以上に、IT・通信系の人の出入りの多さを物語っている。業界内の転職が多いと思われているが、中には異業界に転職する人もいそうだ。逆に、異業界からIT・通信系に参入する人も、依然少なくないことが想像できる。

 企業規模・資本特性の変化では国内中小企業での出入りが多くなっており、外資系や国内ベンチャー企業はいわれているほど多くないことが分かる。

 

20代は全員が年収アップ。
30代後半以降は転職しても年収は増えない?

 転職後の年収の増減については明確な年代差が確認できた。20代から30代前半にかけてはほぼ100%の人が「転職で年収が増えた」と回答しているが、30代後半になると事情が様変わりするのだ。30代後半で「増えた」人は皆無である。「変わらない」が48%、「減った」が52%になる。40代前半になると、「減った」人がなんと97%に達する(図3)。

図3 年代別/転職で年収は上がった? 下がった?

 そもそも日本企業の新卒初任給は低く抑えられている。とりわけ20代前半は広い意味でのテスト期間中であり、企業もおいそれと昇給させる気はない。以前ならその時期を我慢し、30代に入って昇給幅が広がることを信じて企業に居続けたものだが、その構造が変わってきている。

 低い給与に我慢できない20代は早々に見切りをつけて高給与を目指し、容易に会社を変わるのだ。第二新卒採用ブームなどもあり、20代若手に給与額アップを強調して転職に誘導する企業も多い。つまり、20代での年収増大を可能にするマーケットが開かれているのだ。新卒時には大企業に入れず、比較的給与の低い中小企業に入った人が、好景気をとらえて大企業に転職するケースも増えている。いわゆる“リベンジ転職”などと呼ばれるものだが、この場合もほとんどのケースで年収はアップする。こうした事情も、20代100%年収アップの背景にあると考えられる。

 その一方で30代後半以降の現状は厳しい。転職限界年齢は35歳がピークとは以前からいわれていた“定理”の1つだが、これは35歳以上の求人が極端に減るということと同時に、「35歳を過ぎると転職しても給与アップは難しい」ということを意味している。理由として、近年の転職市場は採用ニーズでいうと20代の若手層にシフトする傾向があることや、年齢に合ったスキル・経験を積んでいるかを厳しく評価されることなどが考えられる。だが、プロジェクトマネージャなどのマネジメント経験などを求める企業も多いため、必ず下がるケースばかりともいえないようだ。

   

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