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第51回 スゴ腕? 下請け任せ? SEのプログラム愛情度

Tech総研
2007/10/11

勤務先企業で大きく変わる? 「SEのプログラムスキル」MAP

 ここまでのまとめとして、アンケート回答者300人の企業規模と全業務に占めるプログラミングの割合をベースとして、SEのタイプ別にプログラミングスキルを比較してみよう。

 はっきりと分かるのは、ユーザー系企業でのプログラミング業務が少ないということ。当然、技術的にもプログラミングスキルそのものはあまり要求されない。

 一方で技術がウリのベンチャー系やソフトハウス系のSEはプログラムにかかわることも多い。もっとも、これらの企業は規模が小さめのところが多く、人が少ないのでやらざるを得ないという側面もあるだろう。

 ベンダ系SEはばらつきがあり、はっきりとした傾向をつかむのは難しいのだが、平均するとちょうど真ん中くらい、大まかには下の図のように分布している。実際には担当するプロジェクトによってプログラミング比率が多かったり少なかったりするようで、「前の仕事では必要とされなかったのに、今度は急にプログラミングの技術が要求された」というようなこともあるようだ。

図5 SEのタイプ別プログラミングスキル


  PART2
プログラム知識の習得は、仕事に必要? それとも……?

 Part1で見てきたように、SEにも多かれ少なかれプログラムの知識が要求される。当然、仕事を続けていくためには、絶えず最新のプログラミング知識やスキルを習得しなくてはならないだろう。そこでアンケート対象者に聞いてみた。「プログラムスキル、磨いてますか?」

 最も多かった回答は、仕事上必要だという意見。「常に技術が進化し続けるため、日々スキルアップして取り残されないようにしたい(27歳・アプリケーション開発)」「少しでもプログラムから離れていると、すぐ腕がさびてしまう(32歳・アプリケーション開発)」「プログラムを知らなければ有効な設計ができない(29歳・オープン系)」などの声が多く寄せられた。ほかには若手を中心に「いつでも転職やキャリアアップができる状態にしておきたい(25歳・汎用機系)という、積極的な理由も目立った。

 一方で「最新技術についていくのもきついが仕事上しかたなく(33歳・制御系)」というお疲れ気味の意見や、「最新技術ばかり追っても使うところがない(28歳・Web系)」「プログラムは考え方だけ分かっていればいい(28歳・汎用機系)」「SEの業務は開発だけじゃない。コミュニケーション力の方が大事(28歳・オープン系)」という考え方もあるようで、このあたりは担当している仕事の内容によっても違うようだ。

 最新技術を身に付けるために努力していることは? との問いには、「毎日家で勉強する時間を取っている(31歳・汎用機系)」「最新情報を書籍やネットで常にチェックしている(31歳・Web系)」「好きな言語のフォーラムには必ず参加している(28歳・オープン系)」という答えが。思いのほか、最新技術にキャッチアップしている人が多い。いくら仕事で必要とはいっても、なかなかできることではない。最新技術を追う裏には何があるのだろうか? 「プログラムが好きだから(34歳・アプリケーション開発)」「最新知識を知っていることがうれしい(31歳・アプリケーション開発)」という意見に代表されるように、「好きな技術にかかわっていたい」という気持ちが、彼らを駆り立てているようだ。

図6 SE300人に聞いた「今後もプログラムスキルは磨いていきたい?」


☆ソースコードは語る

 本文にあるように、人によってプログラムへのこだわりはさまざまだ。しかし最後のアンケート結果にあるように、「プログラムスキルは常に磨き続けたい」SEが全体の40%。多くがプログラミングのスキルを重要視しているといえる。

 SEがプログラミングした結果、出来上がるのがソースコード。システムのロジックが記されているものである。命令や変数などが淡々と並び、無機的に見えるが実はそうではない。SE歴の長い人なら分かるだろう。

 ソースコードにはそれを書いたSEの性格、技量、理念、経験が隠れている。同じ処理を行うソースコードでも、コメントの内容や記入様式が違うこともある。多くの現場では標準的なプログラミング方法が指導されてはいるが、やはりどこかに個人差が出る。

 ロジックにも個人差があるだろう。どのタイミングでどういう分岐をして、どういうループにするか。堅実でセオリーどおりのロジックにする人もいれば(恐らくこれが大半)、斬新なロジックをひねり出す人もいる。こうしたロジックから作者の発想力や頭脳の切れ具合、またセンスをうかがい知ることができる。

 性格も出てくる。丁寧できちょうめんなソースコードもあれば、どこかぶっきらぼうなソースコードもある。書き方やロジックの進め方からこうしたものが見えてくる。

 ソースコードこそシステムの中身を如実に示すもの。第1に完成度や正確性が重視されるところではあるが、よくよく見ると作者のいろんなものが浮かび上がってくるのが面白いところだ。ソースコードはSEの作品であり横顔だ。

(加山恵美)


この記事は、Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載しています



 

今回のインデックス
スゴ腕? 下請け任せ? SEのプログラム愛情度
(「オレは職人」SE、「発注オンリー」SE……)
スゴ腕? 下請け任せ? SEのプログラム愛情度
(プログラミングスキルは、なぜ必要?)

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