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第53回 そのひと言にムカッ! 年下上司vs.年上部下

Tech総研
2007/12/11

年功序列の崩壊や能力主義の採用、あるいは転職のため、年下の上司や年上の部下が登場してきている。その間で起こり得るトラブルとは?(Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載)

  その1
年下上司vs.年上部下 エンジニアの複雑なトラブル事例

 年功序列の制度が崩れつつある現在、職場の人間関係は大きく変わりつつある。特に上司の年齢が部下よりも低い場合、お互いに気を使い、やりにくさを感じることがあるだろう。「年齢なんて関係ない」といいつつも、心の中では複雑な攻防が繰り広げられているはずだ。

 そこで今回、年上部下または年下上司になった経験のあるエンジニア100人に対するアンケート調査から、両者の間にある「壁」を明らかにしつつ、最適な関係を徹底検証してみた。

 下の図は、今回のアンケートを基に作成されたもの(図1)。年齢差について、「最大いくつ離れた状況で仕事をした経験がありますか」という質問では、5歳未満が最も多く49%。次いで5歳以上10歳未満が36%。

図1 経験者100人の「年下上司」と「年上部下」の年齢差

 なぜ、「年下上司・年上部下」という構造を経験することになったのか。ダントツに多かった理由は、やはり「年功序列の崩壊」と「完全能力主義」。次いで「転職による不可抗力」。確かにこの業界では、「転職」はありふれたものとなっている。新しい職場でゼロから始めるという経験者も少なくはない。当然、経験も知識も年齢も重ねていながら、年下上司の下で働く機会は増えてくる。

 このように、会社の人事は確かにその性質を変質させた。では、そこで働く人間たちの感情面は、こうした変革にしっかりとなじむことができているのだろうか?

年下上司→年上部下の典型的トラブル事例
指示に従わない、失敗を認めない、頭が固い、上から目線……、
年上部下の傍若無人は止まらない?

 年齢も経験も知識も上! と自負する年上部下。これまでやってきたというプライドがあるために、なかなか年下上司に素直になれない。

 「頭」では分かっていても、「心」がそれを受け入れられず、どうしてもひと言、物申さずにはいられない。指示を出すとき、出されるとき。悲しき闘争本能がむき出しにされる瞬間だ。

「年下の自分をバカにする」
「年上だから気を使ってしまう」
「経験の少ない自分が何をいっても不満顔」

などなど、年下上司は年上部下の扱いに苦慮している様子。

 年上部下の「自分を認めさせたい」「年下になめられたくない」という「年長者のプライド」が地雷となり、チームや職場に混乱を招いてしまうハメに。

エンジニア100人の典型的トラブル事例
注意をしたら、「オレがこの会社で何年やってきたと思ってんだよっ」と逆ギレ。(研究、特許、テクニカルマーケティング/35歳)

客先への訪問で年上部下の方が上司に見えてしまい、気まずくなった。(システム開発(Web・オープン系)/34歳)

中途入社の年上部下。なめられるものかという意気込みが露骨で、失敗をなかなか認めない。何かと前の会社を引き合いに出していい訳するので大変だった。(ネットワーク設計・構築(LAN・Web系)/34歳)


年上部下→年下上司の典型的トラブル事例
実力ゼロでも態度はデカい。失敗すれば部下に責任転嫁!
年下上司のしりぬぐいに、てんてこ舞いの大騒動。

 「年下だからってナメんなよ!」とばかりに、自分を大きく見せようとする年下上司。その行き過ぎた言動は、時に「傍若無人」になってしまうことも。

 経験豊富な年上部下には、その虚勢が、何やら面倒くさいし痛々しい。それはこうした方が……などと、自らの経験を基にアドバイスをしたくても、「私が上司だ」とふんぞり返り、聞く耳もたぬ。そのくせ失敗したときはここぞとばかりに「年下」ぶり、責任は部下に押しつけて涼しい顔。

「現場のことをナニも分かっていない若造に、どうして頭を下げなきゃならんのか?」
「経験不足、コミュニケーション下手でどうにもならん!」
「カッコいいことはいいません、とにかく年下には従えない!」

 導くものが道に迷い、いらぬ仕事だけが増えていく……。これまでの努力と軌跡を振り返るとき、年上部下の心には、なんとも苦い思いがこみ上げる。

エンジニア100人の典型的トラブル事例
親の縁故で昇格した年下上司。実力はなく仕事は部下に丸投げ状態。部下の残業が規定をオーバーする月が増え、労組からクレームが……。(運用、監視、テクニカルサポート、保守/39歳)

現場レベルでの経験値が少ない人が上に立ったため、開発スピードの目測の誤りや、協力業者の反感を買って板ばさみに。(ネットワーク設計・構築(LAN・Web系)/42歳)

院卒というだけでいきなり主任になったものの、経験が浅いためあいまいな指示ばかりでトラブル続発。しかし、なぜか責任はこちらにあると主張された。(機械・機構設計、金型設計/37歳)


  その2
年下上司vs.年上部下 複雑な心理模様を徹底分析

年下上司&年上部下、気になる年齢差は?

 年下上司への質問では、「何歳であろうが特に気にならない」との答えが一番多く、全体の30%(図2)。「年齢よりもその人の適性や性格が問題」との意見が目立つ。次いで3歳以上5歳未満、1歳以上3歳未満とのこと。「1歳でも年上なら気になる」との回答は6.0%で、それほど目立たない。

図2 年下上司もしくは年上部下になった場合、気にせず付き合える年齢差は?

 ただ、そうはいってもやはり年齢差は開き過ぎない方が……と考える傾向はあるようで、10歳以上15歳未満の年上部下と「気にせず付き合える」と答えた人はわずか1%。「年下の上司がいたのでは部下がやりづらいだろう」「ネガティブな感情を持たれてしまうのでは」と、自分の感情よりも相手の心理面を考える回答が圧倒的に多かった。

 で、年上部下はどう考えているのだろうか。 やはりこれも「何歳であろうが特に気にならない」が33%。「年齢幅ではなく、年上の理解がすべてだと思う」との含蓄のある意見が光る。

 次いで1歳以上3歳未満、3歳以上5歳未満と続くわけだが、この部分が上司側の回答と逆転している。年上の部下からしてみれば、「1歳でも年齢差の開きがない方がラク」ということなのだろう。15歳以上年下の上司でも気にならないとの回答はゼロ。「プライドの問題」を指摘する人が多かった。

 職場の年功序列はなくなりつつあり、そのことを世論も個人も頭では理解している。年齢差は問題ではない、「でも」「だけど」……。働く側の心には、まだまだ古き日本の「年の功」制度が根を張っているのではないだろうか。

年下上司or年上部下 どっちの立場が嫌?

 この質問では圧倒的に「年上部下の立場が嫌!」と答える人が多かった(図3)。

図3 年下上司or年上部下 どっちが嫌?

 「年下になんか従えるか」「これまでの経験を否定されてしまったような気持ちになる」「仕事ができないと思われるのはイヤだ」「やる気を失う」などなど、ほかの質問には冷静な大人の答えを出していた回答者たちも、この質問には思わず本音が出てしまったようだ。「能力があれば年齢なんて……」といいながらも、「年上部下にだけは絶対になりたくない!」との、アツい意見が大氾濫。

 一方、「年下上司の立場は勘弁」と答えた人のその理由は、「ただでさえリーダーは大変なのに、年上部下のプライドにまで気を使ってやらなきゃならないなんて面倒くさい」「年下の上司なんて、年上の部下には不愉快でしょう」「年上には指示が出しにくい」と、相手のプライドを考慮した切り口になっている。裏を返せば「だってオレなら年下の上司に指示されるなんてイヤだもん!」ということか。



年下上司or年上部下と、うまくやっていくコツ  

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