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第56回 エンジニアはデンジャラス。危機管理術を装備せよ

Tech総研
2008/1/29

仕事編3
キャリア設計における危機管理

キャリア設計をするうえで、何らかの危機管理をしていますか?

 アンケート結果に見るキャリア設計上の危機は、会社の業務にかかわっているうちに全体的な技術トレンドが分からなくなって道の選択を誤った、1つの技術にこだわり続けているうちにいつの間にか時代の流れから取り残されたといった“忙殺型”と、ついつい勉強を怠ってしまってスキルを身に付ける機を逸したという“怠慢型”の2つに大きく分かれた。

 技術は生き物であり、常に変化していくものだ。自分がかかわっているテクノロジが、それを土台に大きく発展していくタイプのものなのか、あるとき別の優れたモノに取って代わられるようなタイプのものなのかといった将来展望を冷静に認識しておく必要があろう。社内や業界内の評価だけでなく、別分野のエンジニアと交流して意見を求めるなど、積極的な情報収集を行うことが、より正確な情報を得るためのコツだろう。

エンジニアたちが証言! 「キャリア設計における危機を私はコレで解決しました」

リスク1●常に情報のアンテナを広げておく リスク2●1つのことにこだわりすぎはNG
★こんな危機
痛恨の判断ミスは、電子系からWeb系プログラマに転向したこと。当時は旬の仕事だったが、いまは将来が不安な仕事の1つになってしまっている。

★コレで解決
判断ミスをしないためには、技術、人脈ともに、常にアンテナを最大限に広げておくこと。
(Web系システム開発、31歳)


Sniper's eye
技術トレンドの読みはエンジニアにとって死活問題。流行で判断せず、将来の技術展望などを最大限収集したい。
★こんな危機
同じ技術ばかりに携わっていたので幅が狭く、技術的な深みのない経験ばかりが身に付き、つぶしの利かない技術者となってしまった。
 
★コレで解決
いまはやりたいことをやるために経験を積んでいる。1つのことにこだわることは大切だが、同時に全体を見て、事を進めるように心掛けている。
(機械・機構設計、38歳)

Sniper's eye
1つのことに熱中して自分のスキルの幅を狭めてしまうのは、エンジニアが陥りがちなことだけに気を付けよう。
リスク3●会社の状況にも目を配ろう リスク4●便利屋にならないよう注意せよ
★こんな危機
現場のプロジェクト進行に熱中していたら、社長をはじめ幹部の横領や乱出費に気付かず会社が倒産した。

★コレで解決
どんな局面にも対処できるよう、常に逃げ道をつくっておくべし。
(サービスエンジニア、37歳)

Sniper's eye
会社の業績が悪化したり倒産したりということは珍しくない。経営状態にも注意を払うことは大事です。
 
★こんな危機
会社からいわれた仕事ばかりしていたら結局、トラブル対応ばかりになってしまい、運用・保守に関して通常の業務に精通する機会を失ってしまった。
 
★コレで解決
上司に交渉し、自分の目標とする道に進めるような仕事をアサインしてもらっている。
(運用・保守、42歳)

Sniper's eye
便利屋にならないためにも、キャリアパスを思い描き、自分の希望を会社にきちんと伝えよう。

仕事編4
まだまだあるこんな危機

 エンジニアの日々の仕事においては、上記以外にも、実に多種多様なリスクが存在する。

 例えば、足の引っ張り合いに近いいざこざ。「懸案事項に関して間違った感情的な指示を出されたが、あえて指示に従った(素材、39歳)」「上司が学歴を気にする。配置換えをしてもらった(ファームウェア系システム開発、35歳)」など。いざこざが起こった場合、後のことを考えて決して感情的になるべきでないことはいうまでもない。

 上司の仕事がいいかげんで、仕事のミスが誘発されたり、そのとばっちりを食らったりというリスクもある。「業務内容を理解していない上司が、新人に安易な指示をしてプログラムが消失、リカバリで私が徹夜する羽目になった。新人はショックを受けてしまい、フォローするのが大変だった(Web系システム開発、33歳)」「顧客の追加要件を安請け合いされ、自分の業務が増えてしまった。結局、休日出勤などで対応し解決した(Web系システム開発、35歳)」など。自分の仕事さえやっていればいいというのではなく、周辺の仕事についてもきちんと視野に入れておきたいものだ。

 モノづくり面でのリスクもさまざま。開発過程におけるリスクだけでなく、いいモノを作っても「新しく開発し、いままでにない機能付加、性能アップをして発売したが、通常の製品との見栄えが違うため受け入れが悪かった。機能、性能だけではなく、見栄えも重要だと感じた(生産技術、32歳)」など、消費者のちょっとした気分や発売時の社会的雰囲気に売れ行きが左右されてしまうこともある。開発、企画、営業といった業務が縦割りになっていると、トレンドを読むための情報交換もままならない。組織改正を要望するなどの自衛策が求められるところだ。

プライベート編
家族・恋人・友人などプライベート面における危機管理

家族や恋人などプライベートなシーンにおいて何らかの危機管理をしていますか?

 プライベート面でのエンジニア的トラブルとして圧倒的に多かったのは、家族や恋人との人間関係。商品開発が遅れてリカバーに追われる、自分の研究開発のテーマが面白くて没頭するといった理由で残業が続くにつれ、付き合う相手との関係悪化というリスクは飛躍的に増大する。

 仕事のストレスにも要注意。「仕事のイライラが原因で彼女とけんかになった」「仕事で機嫌が悪く、彼女に八つ当たりした」など、破局の直接原因につながりかねないケースが多数見受けられた。休日にはきちんとストレス発散をしておくべし。「仕事が忙しくて長期間連絡しなかったら相手がキレた」ということも。もっとも「浮気がばれた」「不倫で慰謝料を請求されそうに」などは自己責任だろう。

 たとえどんなに忙しくとも自分の時間を確保し、将来設計を立てて行動することが、人間関係をはじめとするプライベート面におけるリスクマネジメント上、極めて大切だ。

エンジニアたちが証言! 「プライベートにおける危機を私はコレで解決しました」

リスク1●誕生日デートをぶっちぎり…… リスク2●二股がばれそうになった
★こんな危機
彼の誕生日だというのに、急な残業でデートができなかったため、すっかり彼の機嫌を損ねてしまった。


★コレで解決
その場は電話でひたすら謝り、翌週に埋め合わせの超豪華デートをした。
(ネットワーク、34歳)

Sniper's eye
これはエンジニアにとって、よく起こる問題。恋人の機嫌をいつでも直すようなせりふは用意しておきたい。
★こんな危機
ある女性と一緒にいたとき、同時期に付き合っていた別の女性の名前でその女性を呼んでしまったことがあり、彼女に問い詰められた。

★コレで解決
結局、元カノということで押し通し、半信半疑ながらも彼女の怒りは収まった。
(研究、特許、33歳)

Sniper's eye
このケースではうまく収まったようだが、リスク管理的には失格。本音が出やすいエンジニアは要注意である。
リスク3●お金のことで大ゲンカ リスク4●盲目の恋にご用心
★こんな危機
多忙で情報収集もママならないのに株式投資をし、大損。結果、妻と大げんかに。

★コレで解決
離婚まで考えたが、最後には何とか謝り倒して回避した。
(パッケージソフト開発、33歳)

Sniper's eye
日々動く投資は、多忙なエンジニアにとってはリスクも大きい。情報収集できる余裕をつくってから取り組もう。
 
★こんな危機
ある女性のことを好きになりすぎて心が見えなくなり、彼女の一挙手一投足が気になり、疑心暗鬼に。また仕事にも身が入らず、結局振られた。

★コレで解決
しばらくの間、忘れられなかったが、いろいろな人と付き合うことでなんとか忘れられた。
(Web系システム開発、40歳)

Sniper's eye
猪突猛進型の多いエンジニアが陥りやすい恋のわなだろう。気を付けたいが、気を付けられないのが恋。仕方ないかも。



  リスクマネジメントは小手先のワザではなく生き方の問題

 日常的にいろいろなリスクに遭遇する私たちは、経験的にリスクに対して委縮してしまいがちだ。どうせ理解されないから黙って従っておけばいい、無難に業務をこなせば取りあえずその場はしのげる、といった具合だ。が、リスクコンサルタントの牛場氏は、それではリスク回避にならないと一喝する。

 リスクに直面したときになすべきことは何か。嘆いたり逃げ腰になったりすることではなく、そのリスクにどう対処するか、最善の方法を迅速に導き出すことなのだ。そうしてさまざまな経験を積み、知恵をつけることで、リスク回避能力は上がり、またリスクをある程度予測する力もつくことだろう。リスクマネジメントは小手先の逃げの技術ではなく、より良く生きるための能動的な生き方の問題なのである。

 2008年は始まったばかり。より良い1年を過ごすためにも、いま一度、リスクマネジメントを根底から見直してみよう。


☆取捨選択と効率、そして長期的視野

 本文でも述べられているように、リスクとはどんなところにも潜んでいるものだ。「リスクはある」という前提で、過剰に恐れることなく、うまく回避するすべを身に付けたい。

 リスクがまったくない世界はあり得ないが、もしあったとしたらどうだろう。緊張感がなく、人間も社会も進歩しなくなるのではないだろうか。時にはリスクを抱えながら物事に直面し、多少の失敗くらいなら経験してもいい。そこから学ぶこともある。

 ただし、取り返しのつかない失敗だけは避けたいところだ。その辺りのさじ加減が難しいところだが、優先順位を決めて取捨選択すればよいだろう。リスク対策を万全にできれば理想的だが、いかんせん人間の時間も費やせる労力も限られている。何をあきらめ、何を守るか、うまく判断できるようになりたいものだ。

 時間が限られているとはいうものの、効率を高めれば壁は低くできる。リスクをいち早く感知し、対策を素早く施すことができれば危機管理はより万全なものに近づけられる。リスクは決してゼロにはならないが、ゼロに近づけることはできるということだ。

 長期的な視野を持つことも大事だ。一時的にリスクを回避できたとしても、対処が悪ければ将来により大きなリスクを抱えることにもなる。自分なりの危機管理術を持ち、それを磨いていきたい。

(加山恵美)


この記事は、Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載しています



 

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