エンジニアの転職に欠かせない求人動向を押さえる
最新DATAで見る「IT系エンジニア」求人動向
第16回 スカウトを多く受けるエンジニアとは?
エン・ジャパン
2004/9/7
IT系エンジニアの求人動向を紹介します。いま企業が最も求めているIT系職種は何か? エン・ジャパンの協力をもとに、職種別求人件数を提示しますので、転職を考えている人も、いますぐの転職は考えていない人も、“自分戦略”の参考にしてください。 |
6職種で求人件数増加 今回ITコンサルタントは125%アップに |
2004年6月と7月の「IT系エンジニア」の求人動向はどうだったのか。6月の求人件数を基準値として、月間の伸び率を比較してみよう(表1)。
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表1 6月と7月の求人件数の増減率(%)。6月を100%として計算(提供:[en]社会人の転職情報/エン・ジャパン)。 |
全体的な求人状況は、厚生労働省が先日発表した有効求人倍率によると、0.83倍(平成16年7月)と上昇している。情報処理技術者に至っては、1年前の1.80倍(平成15年7月)から2.44倍(平成16年7月)となっている。1993年のバブル崩壊直後の高水準が続いている。
こうした全体的な状況を受け、今回の結果も、全体の求人件数は104%の増加となった。例年ならば7月は求人研修が減る時期だが、職種ごとの求人数は全般的にほぼ前回並み、もしくは微増という結果だった。“売り手市場”の現状を垣間見ることができる。
伸びが顕著に見られた職種を見ていこう。
汎用機系システム開発は115%の増加。製造業、金融業関連のシステム需要が伸びている中、IT業界経験の長いメインフレーム系技術者をプロジェクトリーダー、マネージャに迎え入れようという求人企業側の意図が読み取れる。
ITコンサルタントは、125%の増加。ERP関連やBPO関連のコンサルティングなどの求人が増えている。ネットワーク設計・運用、サーバ設計・運用は113%の伸びと伸長率は鈍化しているが、人材の不足感を訴える企業が多く、継続して求人に取り組む企業は多い。また、未経験者の採用に最も意欲的な職種でもあるので注目したい。
スカウトを多く受ける人の属性を公開 どんなエンジニアが人気なのか |
さて、今月は実際どのような人材を企業が求めているのか、スカウト動向を1つの指標として見ていこう。
「[en]社会人の転職情報」スカウトランキング(1人でどれだけのスカウトを受けたかをランキングにしたもの。数字が大きいほどスカウトを受けた数が多い)を見ると、「[en]社会人の転職情報」では、7月1カ月で、730社の企業がスカウトメールを利用した。その33%に当たる242社がソフトウェア関連の企業で、多数のスカウトが行われている。
以下は、7月のスカウトランキングの結果から、ソフトウェア関連職を抜き出したものだ。
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表2 7月にスカウトを受けたエンジニアのうち、1人当たりの件数ランキング(提供:[en]社会人の転職情報/エン・ジャパン) |
スカウトでは、6月はプロジェクトリーダー、マネージャ、制御系など対象職種の多様化が見られた。だが、7月は製造業、金融業などの業務系Webアプリケーションエンジニアにアプローチが集中している。Web技術に加え、特定業界・業種に強みを持つエンジニアに集中しているのが分かる。また、上位の人材に対する1人当たりのアプローチ量が増加している。
なお、秋以降は各種メディアでも取り上げられているように、第2新卒を対象とした求人が増えてくる見込みである。求人情報の変動だけでなく、スカウトの流通量でも、こうした点に注目していきたい。
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