第3回(最終回) 転職スカウト、最後は会って決めるべし
イムカ キャリアコンサルタント
2007/6/12
■人材紹介会社の人と会う
前回は、「転職スカウトサービスの2つのメリットを理解する」と題して、スカウトサービスのメリットを述べ、その後人材紹介会社をどのようにして決めていけばよいかについて解説しました。
スカウトメールに対して返信するなどしてやりとりをした後は、その人材紹介会社の人とアポイントメントを取り、実際に会っていろいろとお話しすることになります。
人材紹介会社のコンサルタントと会うと、いろいろな面が見えてくるものです。「スカウトメールで想像したとおりの人材紹介会社/キャリアコンサルタントだった」というものもあれば、「スカウトメールから想像していたのとは全然イメージが違っていた」といったこともあるでしょう。中にはスカウトメールを出した人とは別のコンサルタントが対応することもあるので注意が必要です。
会って話をした結果を踏まえて、最終的に利用する人材紹介会社を決定します。
では、会う段階で人材紹介会社/キャリアコンサルタントを見極めるポイントはどこにあるのでしょうか。それは、
- キャリアコンサルタントが属する会社の紹介や自己紹介をきちんと行うか
- 事前にあなた(登録者)の登録したプロフィールや希望内容を見てくれたか
- あなたの希望などを正しく理解でき、それに沿ったキャリアの方向性を提案できるか
- あなたにマッチした企業/求人案件を提案できるか
- 転職プロセス全体についてアドバイスできるか
といった点です。以下それぞれについて説明していきたいと思います。
■キャリアコンサルトが自身の所属する会社の紹介や自己紹介をきちんと行うか
これは当たり前のことだと思います。しかし、意外と行わない会社もあるようです。自分の会社がどういう会社であり、自己紹介として、前職では何をやっていて、キャリアコンサルタントになって何年になるのか、何に強みがあるのかなどをきちんと話してくれるかどうかは、とても重要な判断材料の1つとなります。
キャリアコンサルタントは、皆さんの経歴や得意な分野をお聞きするわけです。礼儀として、その前に自身が勤めている人材紹介会社について、キャリアコンサルタント自身のことをまず紹介すべきだと思うのです。
それが、双方向のコミュケーションではないでしょうか。
■事前にあなたの登録したプロフィールや希望内容を見てくれたか
スカウトメールを出した相手と会っているので、事前にプロフィールを見てくるのが当たり前です。ですが、中には定型文でたくさんの求職者にスカウトメールを出していたり、スカウトメールを出す人と実際に担当する人が異なる場合などがあるようです。そのような場合、プロフィールを事前に確認していないことがあります。
「あなたのキャリアならこの企業をお勧めします!」「ぜひ一度お会いしましょう」なんてスカウトメールが来たので喜んで会いに行ったら、「ではまずあなたの経歴を説明してください」「では、どんな企業を希望しているのですか」なんて、まるで自ら人材紹介会社に登録しにいったかのような対応をされ、びっくりされた人もいるかもしれません。こうなるともはや「スカウト」でもなんでもありません。
スカウトメールの延長線上できちんと話してくれるかどうかは、重要な試金石、ポイントといえます。
■あなたの希望などを正しく理解でき、それに沿ったキャリアの方向性を提案できるか
キャリアコンサルタントに対して、あなたの業務内容を詳細に話していると、そのコンサルタントが本当にIT業界に強いのか否か見えてくるはずです。
最近はIT業界出身のキャリアコンサルタントが増え、話が通じやすくなりました。が、中には初歩的なことを質問してくるキャリアコンサルタントもいるのは事実です。そのようなキャリアコンサルタントは敬遠した方がよいと思います。
また、あなたの仕事内容を理解したうえで、あなたが何に悩み、どんなことを希望しているのかを理解できるかも重要です。これが理解できないと、転職メリットのある会社を紹介することはできませんし、ほんとに親身になってくれるかどうか分かりません。
あなたの経験や希望などからすると、こんなキャリアの方向が考えられますよ、といった客観点なキャリアプランのアドバイスができる方なら信頼できると思います。
■あなたにマッチした企業/求人案件を提案できるか
では、実際に転職活動を始めるとなれば、具体的な企業を紹介してもらうことになります。あなたの希望を理解したうえで、それにマッチした案件を的確に紹介できるか否かは、よい人材紹介会社を見極める重要なポイントの1つです。
ただ「こんな企業がありますよ」というだけではなく、「あなたのキャリアパスを考えると、こういう形態の企業に転職し、こんなキャリアを積むことが最適だと考えます」「この会社にもし転職すれば、現状と比べてこんなメリットが考えられます」といった「その企業を提案する理由」を含めて提案できるかが重要です。
そのほかにも、紹介する企業が元請けのシステムインテグレータ(SIer)なのか、2次請け以下のSIerなのかなど、「業界内での位置付け」を正しく説明してくれるかどうかも重要です。IT業界とはいえ、多くの形態の会社が存在し、業務もそれぞれです。同じような会社で同じような仕事に見えても、実際は微妙に異なることがあります。
具体的な企業をあなたに提案するということは、各企業や業界について知識・情報を持っていないとできないことです。こうした知識・情報も大きなポイントになります。
■転職プロセス全体についてアドバイスできるか
転職活動のプロセスや職務経歴書についてのアドバイスを的確にしてくれるかどうかは重要なことです。さまざまな局面で人材紹介会社のアドバイスが必要になってくるはずだからです。
転職活動初期の段階では、特に職務経歴書の書き方や効果的なアピール方法などについて、しっかりとしたきめ細かいアドバイスをしてくれるかどう、きちんとチェックしておきましょう。
■最後に大事なことは
転職スカウトサービスは、これまで3回にわたって述べてきたように、転職活動において非常に有効なものであります。
ただ決してインターネットの世界だけでのコミュニケーションや情報収集にとどまらないで、必ずスカウトメールに返信をした人材紹介会社には、積極的に直接会っていろいろと話をしてみてください。ネット上では見えないものが、会って話すことでさまざまなことが見えてくるはずです。
スカウトサービスも、最終的には人と人との信頼関係をどう築いていくかということに終始します。信頼できる人材紹介会社/キャリアコンサルタントを持つことができれば、転職活動の成功の可能性は高くなります。
ぜひ転職スカウトサイトを活用し、あなたの目でしっかり確かめて、あなた専任のキャリアコンサルタントを見つけ出してください。
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