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転職。決断のとき

第53回 「3日+5分」で転職が決まった“情熱派”中国人エンジニア

金武明日香(@IT自分戦略研究所)
2010/6/11

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いきなり動きが。3日間ですべてが決まった

 2月の中旬、テクノブレーンの藍田敬之氏から連絡が来た。「チャンスがあれば、助けてもらえるならうれしい」と、すぐに会いに行った。

 藍田氏は徐氏の要望を聞いて、2つの企業を提案した。どちらも大手Webサービス企業である。そのうちの1つがECナビだった。「最初は心配でした。もし『外国人は採用していない』といわれたらどうしようと思いました」。

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 無事にECナビの書類選考が通過し、さっそく面接が始まった。1次面接から、かなり厳しい印象を持ったという。「技術関係の質問がとにかくシビアでした。以前勉強したことに関する質問だったため、何とか答えられましたが」と徐氏。面接に合格後、「あなたが正答した質問は、正解者がほとんどいなかった」といわれたという。

 順調にECナビの面接をクリアしていった徐氏のもとに突然、外資系の企業からオファーが来た。「2月まではほとんど動きがなく、自信もなくなっていたため、いきなり状況が動きだして驚きました」。回答期限は3日後だった。

 徐氏から連絡を受けた藍田氏は、急いでECナビに状況を説明した。それからがあっという間だった。「3日しかない」という状況を知ったECナビ側が急きょ予定を変更して、3日以内にすべての面接を終わらせたのだ。外資系企業からオファーが来たのは月曜日。徐氏は火曜日に役員面接、水曜日に社長面接を受け、木曜日にECナビから内定をもらった。

「せっかく内定をもらったけれど、断ろうと思った」

 「わたしを採用したいという意思を感じて、非常にうれしかったです。いい会社だと思いました」。徐氏は、ECナビへの入社を決意した。

 しかし、ここからまた状況が変わる。役員と話をしたところ、「中国のオフィスでのブリッジ役」を望まれていると知ったからだ。しかし、徐氏は最低5年間は日本にいるつもりでいた。

 「わたしは妻と『これからの5年間をどう過ごすか』という計画を考えていました。わたしは、何百万人もの人が使ってくれるサービスを作ること、そして本を書くことを目標としていました。妻は、日本の大学院に進学するつもりでした」

 しかし、中国に行ってしまっては計画がうまく回らなくなる。徐氏は、ECナビからの内定を断ろうと考えた。

5分後に別のキャリアが見えた

 しかし、徐氏がiPhoneアプリ開発を経験していたおかげで、光明が見えた。ECナビの子会社であるアディンゴ(現ジェネシックス)が、ちょうどiPhoneアプリ開発を強化しようとしていたのだ。徐氏の話を聞くや、役員は「すぐに担当を呼びましょう」といい、その場でスマートフォン事業の責任者を呼んだ。事業責任者の「意欲のある人が欲しい」という思いと、徐氏の「熱い人と一緒に働きたい」という思いが一致し、彼らはその場で意気投合した。結果、ジェネシックスへの就職が決まった。まさにあっという間の出来事だった。

担当コンサルタントからのひと言

  徐さんに初めてお会いしたとき、「エンジニアとしてのまっすぐさ」が非常に印象的でした。同世代の日本人にはまずないであろう強さと情熱を感じ、どうにかしてお力になりたいと思いました。その一方で、この不況下では外国籍のエンジニア採用を控える企業が多いことは事実であり、不安もありました。

 徐さんにキャリアビジョンについてお伺いしたところ、打てば響くように答えが返ってきました。

 「世界中、数百万人以上のユーザーに愛されるようなサービスを1つ以上作りたい」

 これを日本で実現できる環境は、徐さんの経歴を考慮すると「強い自社サービスを持った企業しかない」とすぐに思いました。2社ほど徐さんに提案して書類を提出したところ、1社は「日本での就業期間が3年に満たない」というしゃくし定規な理由でNGでした。これほど力があるエンジニアでも難しいのか? と思いましたが、ECナビは違いました。

  「面接にさえ行ければチャンスはある」と思っていたので、自信を持って面接に臨んでいただきました。ECナビには電光石火ともいえる選考をしてもらい、配属部署の問題もクリアになって入社が決まりました。徐さんから入社する意志を聞けたときは、「コンサルタント冥利(みょうり)に尽きる」と感じました。

  転職後に一度お会いしましたが、入社2カ月にしてすでに社内で一目置かれているようでした。またお会いできる日が楽しみです。

不況下で転職できたのは「元気」「5年計画」

 いま、徐氏はジェネシックスでiPhoneアプリの開発をしている。1カ月で開発した「口コミ病院検索」アプリは、リリース後にはiPhoneアプリダウンロードランキングの上位に食い込んだ。現在は次のプロジェクトを計画中だという。

 不況下で転職を成功させた徐氏に、その秘けつを聞いた。「わたしが元気な人だからではないでしょうか。派遣として仕事をしていたときも、わたしほど元気な人はそれほど多くありませんでしたから」と、からりとした笑顔を見せた。

 徐氏は、もう1点挙げた。それは、「自分の未来を考えたこと」だという。

 「わたしは、5年後のこと、夢のことをきちんと考えました。それを実現するために何が必要かということも。その思いが、面接で伝わったのではないかと思います」

 

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