第1回 職務経歴書で現在の実力、未来の自分を表現する
キャプラン
山田雄督
2005/3/25
転職を決意しても、実際にはどこから手を付けていいか分からない……。そんな転職初心者のために、選考段階から内定、退職、入社に至るまで、転職の各局面の重要なポイントを解説する。ここだけは押さえて転職を成功させよう |
■職務経歴書は「現在のスキル」「将来なりたい姿」の凝縮
転職を意識し始めると、将来の自分の姿を想像したり、経験やスキルを整理したりすると思います。それらを書面に凝縮したものが職務経歴書です。
職務経歴書は企業に応募する際、選考の資料として必要となります。この書類選考を通過しない限り、次のステップには進めません。転職活動を経験した方の中には、職務経歴書でのアピールが足りなかったために面接に進めず、企業の担当者に直接アピールするチャンスを得られなかったという悔しい経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
企業の担当者は、職務経歴書に目を通して初めてあなたの経歴を知ることになります。書類の書き方から、経歴だけでなくあなたのキャラクターについても何か感じ取っているかもしれません。そういった意味で、職務経歴書は非常に重要な書類だといえます。
それほど重要な意味を持つ職務経歴書は、履歴書と異なりフォーマット・書き方すべてが自由とされています。現在はインターネットでもいろいろなテンプレートが取得できるため、どれを使ったらよいか、どのように書いたらよいか迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで、キャプラン「お仕事ネット」のサンプル(Word文書)を使って、職務経歴書の書き方のポイントを解説します。まずはサンプルを開いてみましょう!(図1)
(文中のサンプルは、上記のサンプルを分かりやすく抜粋したものです。) |
図1 サンプル全体概要。詳細は図2〜図4で後述 |
開発技術者向けのサンプルになっていますが、営業など開発関連以外の方にとっても参考になると思います。
このサンプルは大きく経歴、PRの2つに分かれています。
■経歴は時系列とスキルの2本立てで
まずは経歴について解説します。重要なのは、
- 経歴を時系列にまとめたもの(サンプルでの項目は「職務経歴」「開発経歴」)
- 取得スキルとその経験年数(サンプルでの項目は「主要スキル」)
この2本立てで表現することです。
1番目の時系列の経歴から見てみましょう。サンプルでは、まず「職務経歴」として会社名と在籍期間をまとめ、次に「開発経歴」としてプロジェクトごとに詳細を記述しています(図2)。
図2 職務経歴・開発経歴 |
「開発経歴」に記載する項目は以下のようなものです。
- 期間
- 参加人数
- その中で果たした役割(メンバー、リーダーなど)
- どの業界向けのどのようなシステムか
- 担当した開発工程
- 開発環境(OS・DB・言語・使用ツールなど)
これらを在籍した会社ごとに1つの表にまとめ、漏れなく記載しましょう。できる限り個条書きで簡潔に表現するのがベストです。
営業の方は、上記のほかに以下の3項目が必要です。
- 何を営業したか
- どのような営業スタイルか
- 営業の成果はどうだったか
2番目の「主要スキル」は、サンプル2枚目上部のような形で、どのようなことを何年経験したかを表にまとめると、誰でも一目で理解することができます(図3)。
図3 主要スキル |
■PRで得意分野と熱意をアピール
次にPRについて解説します。自分の経験に比べて採用条件のレベルが高い企業に果敢にチャレンジされる方にとっては、特に重要な部分となります。
サンプルでは「得意分野」「自己PR」の2本立てで表現しています(図4)。「得意分野」は個条書きで分かりやすくまとめましょう。「自己PR」の書き方については、以下の流れを参考にしていただければと思います。志望動機を添えることも重要です。
図4 得意分野・自己PR |
- 志望職種に対して、経験に基づく自分のセールスポイントを説明
- 1.を志望先企業でどのように生かせるか
- 将来的にどうなりたいか
- 3.を実現するために、志望先企業でどのような点を磨いていきたいか
今回使用したサンプルのテンプレート(Word文書)もありますので、もしよろしければ使ってみてください。
転職活動は人生を左右するビッグイベントです。皆さまのご成功・ご活躍を祈念いたします。頑張ってください!
筆者プロフィール |
キャプラン 山田雄督氏 大手生命保険会社に入社し、営業管理業務、社内SEに従事。2004年より現職。多数のエンジニアと接した経験を生かし、IT関連の技術職、営業職のキャリアコンサルティングを担当。求職者の可能性を幅広く追求し、引き出すことを心掛けているという。 |
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「履歴書・職務経歴書テンプレート集」
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