第6回　「自分のスキル」を評価するのは相手である

■ あなたの仕事をたくさん人にアピールすることから始める

　環境や相手の考え方によって、スキルや能力の評価が変わる。それを理解した上で、少し仕事のやり方を変えてみましょう。キャリアアップにつながるかもしれません。

　具体的には、あなたのスキルや能力を、もっと会社の同僚や顧客に「アピール」しながら仕事を進めていく、というやり方です。

　なぜアピールが必要なのでしょう。それは、あなたの存在が知られていないと、相手は評価しようがないからです。

　「自分の持っているスキルや能力は、アピールできるほど高度なものではない」――そう思う人もいるかもしれません。それでも、とにかくアピールを通じて、相手の反応をたくさん見聞きする機会を逃さないようにしましょう。

　あなたのスキルや能力をアピールしていく際には、次のようなビューで順番にやっていくとよいでしょう。

図1　スキルや能力をアピールするためのビューチェンジ

　アピールの第一歩は、いま与えられている仕事を正しくきっちりとこなすことです。

　アピールがうまくいって仕事をうまくこなせるようになってくると、あなたの目の前にいる同僚や上司から発せられる、「うまくやった」「上出来だ」などのスキルや能力を認めてくれる言葉が多くなってきます。

　次のアピールは、プロジェクトや製品開発にどっぷりとつかって仕事をすることです。

　大切なのは、顧客やリーダーに怒られたり、トラブルが発生しても、逃げたり責任逃れをしないで、しっかりと乗り切ることです。

　アピールがうまくいって信頼を得てくると、顧客があなたの会社の製品やサービスをもっとたくさん買ってくれるようになったり、その結果として会社があなたを評価してくれる可能性が高まります。

　1や2がうまくいくようになったら、あなたのスキルや能力をキャリアアップにつなげることを考えてみましょう。

　あなたのスキルや能力に満足する顧客（人）が増えてくると、その人がまた別の顧客（人）に、あなたのことをアピールしてくれるようになります。

　そうなればしめたものです。あなたのことを「スキルがある」とか「能力が高い」と認めてくれる人が、どんどん増えていくでしょう。

　こうした周りからの評価を生かして、転職や起業など、次のキャリアップを狙ってみるのもよいでしょう。

筆者プロフィール

樋口節夫●樋口研究室のマスターコーチ。株式会社ビューチェンジの代表取締役。

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