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外資系コンサルタントのつぶやき 第12回
外資系コンサルタントに英語は必要か

三宅信光
2002/6/5

   面接で知った英語の必要度

 この連載も12回目を迎えました。およそ1年の連載となったことになります。これも本連載を支持していただいている読者の皆さんのおかげだと感謝しております。

 さて、私はこの連載の題名にあるとおり、ある外資系のコンサルタント会社に所属しています。もともとはまったく異なる分野の仕事をしていたこともあり、転職するときは本当に勇気が必要でした。いろいろなことが不安を感じる要素となりましたが、その中で最も大きな不安と感じていたのは、「外資=英語」というイメージでした。

 外資系企業であれば、上司に外国人がいるのは当たり前、日常会話も英語でこなさなければならない、と思っていました。それに対して自分の英語力を考えると、読む方は何とかなるものの、話す、書くはまったく自信がないどころか、全然ダメでした。そのため、履歴書を送り、実際に面接を受けることになったときでも、自分が受かるとは思わず、外資系企業がどんなところかを見物に行くくらいの気持ちだったのです。

 面接で私が通されたのは、外資系企業のイメージどおりのこぎれいなオフィスの一室でした。そこで面接を受けたときに最も驚いたことの1つが、「英語はそんなに必要じゃないよ」という面接官の一言でした。日常接する相手は日本人ばかりだし、文書も日本語で書かれたものがほとんど。だからそれほど気にすることはない、とのお話でした。もっともこれは管理職以外は、というただし書きが付いているのですが、もちろん面接時にそこまでの話はしませんでしたから、「外資=英語」という自分のイメージは、これで覆された感じがしたものです。

   管理職でなければそれほど必要なし

 入社すると、面接官のいったことは半分は本当でした。たまたま配属になったプロジェクトにアメリカ人、インド人をはじめ、何人か外国人が参画していたこともあり、入って1カ月もしないうちに英語のミーティングに参加させられて苦労したことがありました。また、そのプロジェクトで使用したパッケージのマニュアルは、信頼できるものとしては英語版しかなく、必然的に英語を読まなければならなかったこともありました。ただ、普段接する相手は日本人ばかりでしたし、メールなどで送られてくる文書もほとんどは日本語でした。だから、それほど苦しまずに済んだことは事実です。

 もっとも、さまざまな知り合いから話を聞くと同じ外資系コンサルタント会社といっても、状況は会社によって異なるようで、日本法人の規模が小さな会社では、上司が外国人で、英語での会話が必須となる会社も多いようです。

   マネージャで必要な英語力

 このように、確かに管理職でなければそれほど英語に煩わされなくても済むのですが、マネージャなどの管理職になると、そうはいっていられない現実が待っています。これは私自身が経験していることです。ある一定規模以上の外資系企業では、中間管理職クラスまでは外国人が少ない傾向があります。従って、普通の社員であればあまり英語にさらされることはありません。しかし、管理職の上司などには多くの外国人が控えていますから、管理職になると同時に英語を使う機会がどうしても増えていくのです。

 実際、私がいたプロジェクトでも途中からプロジェクトの責任者(トップ)が外国人になったため、私の友人のマネージャなどは、「毎日英語のレポートを書かされているよ」と嘆いていました。

 もともとマネージャになるような人には英語が非常に堪能な人もいます。とはいえ、マネージャには英語が必須かといえば、意外にそうでもありません。それは、外国人と直接上下関係になるケースがまれだからです。もちろん、直接の上下関係となると厳しい現実が待っていますが……。ただ、業務上の連絡は英語のケースが多くなり、特に読む力(読解力)はある程度ないときつくなります。では、どの程度の英語力が必要か、というとTOEICのスコアでだいたい650点ぐらいあれば何とかなります。お恥ずかしい話ですが、私はその点にも達していませんが……。幸い外国人の上司に直接つくことはなく、周りに助けられてきたことなど、かなり幸運であったのは事実です。

   本国のトレーニングでの英語力

 ところで、私の会社のトレーニングでは本社のある国で行われることが多く、特にマネージャ向けのトレーニングは、高度な英会話能力が要求されるものがあります。私が知っている優秀なマネージャで、英語の力もかなりある人(日本人としてはですが)がマネージャ向けのトレーニングに参加して、「いやあ、外国人と英語でビジネス上の議論を行うのは大変だった」とこぼしていたのは印象的でした。私などは、それを聞いて絶対に本国のトレーニングには行くまいと思ったほどです。

 日常英会話ならともかく、ビジネス上の課題について英語で議論するのには非常に高い英会話能力が要求されます。マネージャ向けのトレーニングとなるとそうした高度なコースが多いようで、多少の英会話能力ではまったく通じません。さらに社内で上のポジションを目指すのであれば、そうしたトレーニングは必須であり、高度な英語力が必要になるのです。

   取締役ならば高い英語力は当たり前

 これが取締役クラスとなると、例外なく高い英語力を持っています。このクラスになると海外でのミーティングに出席する機会もよくあるようですし、日本法人にも外国人が高いポジションにいますので、彼らとのコミュニケーションは英語にならざるを得ません。当然、そのコミュニケーションは日常会話だけでは済まされませんから、取締役の外国人と議論できる程度の英語力は要求されてしまうわけです。このレベルをクリアするのはかなり大変です。最初からある程度の英語力がある人でなければ、入社してから苦労することになります。

 今回の話をまとめると、平社員ならばそれほど高い英語力は要求されません。しかし、中間管理職となればある程度の英語力は必須です。中間管理職ぐらいまでを目指すなら、平均的な英語力でも大丈夫でしょう。しかし、さらなる上を目指すのであれば、そうもいきません。かなり高い英語力が必要となるのです。つまり外資系コンサルタントにとって英語力とは、累進課税の税金のようなものです。ポジションが上になればなるほど重くのしかかってくるのです。

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