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ITエンジニアに贈るダイエット法実践編

第3回 ついにやってきた停滞期と還暦を迎えた体年齢

千葉大輔(@IT自分戦略研究所)
2007/3/26

 ダイエットを開始してから、ちょうど2カ月。前回の「ペースがつかめずに手探りで進む」では3週間で3kgの減量に成功したことを報告した。しかし、友人や周囲の人からは「気のせい」「誤差の範囲内」などとさんざんないわれよう。確かに筆者の体重から考えれば、微々たる変化かもしれない……。元の体重が多過ぎるので、少々減ったくらいではあまり変化が分からない。「減量したという実感は?」と聞かれると「まったく」としか答えられない。考えれば考えるほど「これはやっぱり気のせいなのだろうか」と気持ちがネガティブな方向へ行ってしまう。ここはポジティブに「ばっちり減っている」と思い込むことにしよう。その後、さらに2kg(トータル5kg)の減量に成功したことが判明したので、「これなら気のせいではないだろう」と少し安心した。しかし、それが命取りだったのだ……。

前回のアドバイスを踏まえて食事内容に若干の修正

 前回、管理栄養士の松本理華氏に「たんぱく質が若干少ないように見受けられます」というアドバイスをいただいた。たんぱく質は筋肉を作るために必要な栄養素。ダイエットでは基礎代謝を高めることが重要であり、たんぱく質は欠かせない存在だ。アドバイスにあるような卵や豆腐に加えて、話題になった納豆、牛乳やヨーグルトといった乳製品を意識的に食べるようにしている。  

朝食:豆乳、サンドイッチ(卵、ハム)
昼食:焼き魚定食、納豆
夕食:うどん、豆腐サラダ、野菜スープ

 コンビニで売られているサラダの中にも豆腐を使っているものがある。豆腐は半丁でも意外に量が多く、食後の満足感が得られる。その半面、カロリーが高めなので注意が必要だ。

 最初は何だか面倒だと感じていた食材選びやメニュー選びだったが、慣れてくるうちにパズルのような感覚でなかなか面白くなってきた。バランスよく食材を選び、あくまで食べ過ぎないことを心掛けたい。

 「3日後の夕食に甘いものを食べたい。なんとかねじ込めないものか……」などと電車の中で考えていることもある。

これからは体重管理もITの時代

 減量したからといって、体が軽く感じることはまだない。調子に乗って階段を駆け上るとすぐに息を切らしてしまう。冒頭にあるように減量したという実感がない。これは体重という1つの数値でしか自分の体を見つめていないからではないだろうか。もっと、いろんな角度から自分の体を探ることがいま求められている!

 思い立ったが吉日とばかりに、会社の近くにある家電量販店にて、体組成計(体重、体脂肪率、体年齢などを測る計測機器)を買ってきた。購入したのはオムロンのHBF-354IT。歩数計に体組成計で測定したデータを転送、USBで接続してPCで管理ができるという。データの管理にITを使うということで、ITエンジニアに向けたダイエット情報にぴったりではなかろうかというのが購入の決め手となった。いままで使っていた普通の体重計と比べるのはおかしいが、ものすごく高性能だ。

 早速、体組成計に乗って自分の体を計測してみた。体重、体脂肪率、筋肉率など自分のデータがいろいろと表示されている。製品の取り扱い説明書を見ると面白い項目があった。「体年齢」。「自分の体は一体何歳なのか」と気になり自分の体年齢を見ることにした。そしてそこには驚きの数値が……。

 「60歳」。それが筆者の体年齢だ。自分では20代半ばのつもりだったのだが、実は筆者はすでに還暦を迎えていたのだった。ふと脳裏に赤いちゃんちゃんこを着た自分の姿を思い浮かべたが、「そんなわけないだろう」と1人突っ込み、何回も体組成計に乗る。しかし、何度計測しても同じ数値が表示される。

 「せめて30代になりたい」。また、新たな目標が決まった。

ついにやってきてしまったのか停滞期。さてどう過ごす?

 さて、体組成計を新調してがぜんやる気になっているのだが、ここ2週間ほど値が変動していない。120kg付近を行ったり来たりといった状況だ。これが停滞期というものなのか。停滞期は、それまでよりも少ないエネルギーで体を維持し、急激な体重の変化を抑制するために起こる現象だ。ダイエットにはつきもので、結果が出ずにいらいらして、やけ食いをしてしまうと体重がリバウンドしてしまう。

図1 体重の推移。前回、体脂肪率も併せて計測するとしたが、体組成計の導入から間もないので来月以降グラフに反映させることにした。

 これまでのところ、1週間に1kgのペースで体重が落ちていったので、それほど急激な減量ペースではないと思うのだが、来る日も来る日も体重は変わらない。食事内容もたんぱく質を意識的に取るようにした以外は、それほど変化はない。カロリーも1日当たり1500〜1800程度を心掛けている。

 変わったことがあるとするならば、食事を取るタイミングだ。ダイエットを始めたばかりのころはしっかりと3食取っていた。しかし、ここ最近ではそれまでの自分に戻ることがあり、外出時などちょっと気を抜くと食事を忘れていることがある。中途半端な時間に食事を取ったり、食事の間隔が開くことが少し増えてきた。連載第1回「覚えておきたいダイエット中の食生活」で松本氏が指摘したように、体が飢餓状態になってしまい、通常よりもエネルギーを吸収しやすく、脂肪がつきやすくなる。この点は今後改善したいポイントだ。

 松本氏が運営するWebサイト「ReformDietetics」では「ダイエット中の停滞期には運動がおすすめです」とある。いま行っている歩数計のカウントに加えて、自宅でできる筋力トレーニングを取り入れる予定だ。(参考「肩こりや腰痛を寄せ付けない体づくり」)

管理栄養士 松本氏からのひとこと
停滞期を乗り切るために

 ダイエット経験者なら誰でもぶち当たる大きな壁が「停滞期」。いままで順調に体重が減少していたのに、ピタリと体重が減らなくなってしまいます。ダイエット開始2〜3カ月後くらいがちょうど停滞期の起こりやすい時期です。

 この時期の過ごし方で今後の結果が大きく違ってきます。体重が減らないのでストレスがたまりがちですが、焦らずにゆったりとした気持ちで過ごすことが一番です。運動をして体に適度な刺激を与えてあげるとストレス解消にもなり、消費エネルギーアップにもなるのでお勧めです。

 腹筋や腕立て伏せ、ストレッチなど、自宅で気軽に行える運動でも十分効果があります。


客観的に自分の体を知ることも大切

 体組成計を購入されたそうですね。体組成計は体重だけでは分かりづらい筋肉量の変化など、客観的に自分の体の変化を知ることができますので、ぜひ活用してください。

食事の適量をおさらいしましょう

 今回の食事の一例を拝見すると、

朝食:豆乳、サンドイッチ(卵、ハム)
昼食:焼き魚定食、納豆
夕食:うどん、豆腐サラダ、野菜スープ

 たんぱく質をしっかり取り、バランスにも気を使われているようで、非常に良い食事内容だと思います。ダイエットを開始して2カ月経過しましたので、あらためて食事の適量をおさらいしてみましょう。

 食事の基本は主食、主菜、副菜をそろえることです。主食(ごはん、パン、めん類)はエネルギー源となります。主菜(肉、魚、卵、豆、大豆製品)は筋肉量を維持するには欠かせないたんぱく源です。副菜(野菜、きのこ、海藻)は体の調子を整えます。

 それぞれの1食当たりの適量は、

主食:ごはん茶碗1杯(150g)、食パン6枚切り1枚半、ゆでうどん1袋(240g)
主菜:肉80〜100g、魚切り身1切れ、卵1個、豆腐1/3丁、納豆1パック
副菜:100g以上(数種類組み合わせるとさらに良い)

 これに果物(みかんなら2個)、乳製品を朝食などに取り入れると理想的です。外食でめん類や丼物などの単品メニューを選ぶときは、なるべく野菜がたくさん取れるメニューを選ぶと良いです。例えば、ラーメンよりタンメン、天津丼より中華丼などを選ぶと、バランスが偏りがちな単品メニューでも野菜を取ることができます。

(松本理華)


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