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ITエンジニアを続けるうえでのヒント〜あるプロジェクトマネージャの“私点”


第31回 なぜか、頑張らない人たちの行く末

トライアンツコンサルティング
野村隆

2007/11/12

自暴自棄になってはいけない

 後ろ向きなことをいっていれば、誰かが哀れんで助けてくれると思っているのでしょうか。やる気のない周りの人たちに合わせた発言をした方が、本人は心地がいいのでしょうか。

 私には理解できません。その理由を明確にするために、森信三(もりのぶぞう)氏の著書『修身教授録―現代に甦る人間学の要諦』(致知出版社刊)から、以下を引用させてください。

「苦しみに遭って自暴自棄に陥るとき、人間は必ず内面的に堕落する。……同時に、その苦しみに堪えて、これを打ち越えたとき、その苦しみは必ずその人を大成せしめる」

  実際大事なところですね。やけになるとは、われとわが身を捨てることで、人間としては最大の罪悪と言ってもよいのです。実際ある意味では、人殺しと並ぶほどの罪悪とも言えましょう。

 私は、後ろ向きな発言をするということは、自暴自棄になっているということだと理解しています。自暴自棄、つまりやけになることは、森氏の言葉を借りれば「われとわが身を捨てること」であり、「人間としては最大の罪悪」である、と私は思うわけです。

 後ろ向きな発言をする、自暴自棄になることは、自分に対する背信行為だと思います。自分自身のために、ぜひやめることをお勧めします。

 なぜ背信行為といえるかについては、プロジェクトでの人事評価、プロジェクト終了後の次のプロジェクトの人員計画、さらには転職という視点から考えると分かりやすいと思います。

後ろ向きな発言に対する評価

 プロジェクトでの人事評価において、後ろ向きな発言をすることはポジティブな評価につながるでしょうか。普通に考えれば良い評価につながることはないですし、発言によっては悪い評価に直結しかねません。

 次に、プロジェクトが終了した後、次のプロジェクトの人員計画を立てるときのことを考えましょう。もし、あなたがプロジェクト立ち上げの人員計画の責任者であったとしたら、過去に後ろ向きな発言をしたメンバーを加えることに積極的になるでしょうか。

 後ろ向きな発言をした人と同じスキル・経験を持つ別の人がいたら、後ろ向きな発言をした人より、そうでない人に参画してもらいたいと思うでしょう。ですので、後ろ向きな発言をすると、プロジェクト終了後の次のプロジェクトの人事にも悪い影響が出るということになります。

 転職という局面を考えましょう。あなたが転職しようとする会社に、かつてのプロジェクトの同僚や上司、部下といった知り合いがいることは、この業界では珍しくありません。

 もし、転職希望先にいるかつての知り合いが、あなたが後ろ向きな発言を連発していたことを知っていたら、その会社の人事部から意見を求められたとき、あなたの受け入れに前向きな意見をいってくれると思いますか。おそらく、否定的な意見をいうのではないでしょうか。

 もちろん、企業の人事部が個人的な意見によって人材採用の諾否の最終意思決定をすることはないでしょう。しかしこのことが、転職活動においてネガティブな方向に作用することは間違いないでしょう。

 後ろ向きな発言をすることは、その人の将来にとって、都合の悪いことに直結する可能性が非常に高いことが理解いただけると思います。

自分自身の可能性を否定することにも

 後ろ向きな発言をすることは、上記のような客観的な要素に加えて、自分の可能性を自ら否定することになると思います。「やってらんねー」という発言をしている間に、ちょっとでも前向きに仕事をする方が、自分自身のスキルアップにつながります。仕事をこなして結果を出すという意味で、プロジェクトの進ちょくにも貢献するでしょう。高い評価にもつながります。

 ですので、後ろ向きな発言をすることは、まさに「人間としては最大の罪悪」であると私は思うのです。

 そのときの気分によって行動が左右されるようなことは、誰にでもあるでしょう。気分を害するようなことも、システム開発のプロジェクトに参画していれば、それなりにあるでしょう。気分が乗らないのでやる気が起きない、愚痴がいいたくなる、という気持ちは分かります。

 しかし説明したとおり、他人からの評価という意味でも、個人の内面という意味でも、後ろ向きの発言をすると損することばかりです。まったく得はありません。

無邪気な子どもの行動から学ぼう

 冒頭の話に戻ります。運動会で常に一生懸命に走る子どもの姿を思い起こしてください。

 私は、人間は本来、自分のために、周囲のために、常に一生懸命頑張る、努力するという性質を持ち合わせていると思うのです。その理由を求めるならば、常に一生懸命頑張って努力することが、自分の成長に寄与し、周囲からの高い評価につながり、最終的に社会のためになるからなのではと思いたいですね。

 にもかかわらず、人生を何十年と生きていく経験の中で、「頑張っても無駄」というような計算高さ、打算・妥協という性質を身に付けてしまう人がいるのかもしれません。

 小学校の運動会を見る機会があったら、子どもの無邪気な行動から、常に一生懸命頑張る、努力するというところに注目してみませんか。思わぬところで、自己の反省材料になるかもしれません。

 私自身も、子どもが運動会で懸命に走る姿を見て、リーダーシップトライアングルの中心にLove、つまり「ココロ」を据えたのは正しかったと再認識しました。また、自分自身を振り返って、常に前向きに作業に当たったか、手抜きをしなかったかを問い掛けるいい機会に恵まれたと思い、あらためて感謝の気持ちを抱いています。

 

筆者プロフィール
トライアンツコンサルティング
エンタープライズアプリケーションサービス ディレクター 野村隆

無料メールマガジン「ITのスキルアップにリーダーシップ!」主催。早稲田大学卒業。アクセンチュアにて、金融・通信業界の業務改革・大規模システム導入プロジェクトに多数参画。ITバブルのころには、少数精鋭からなるITベンチャー立ち上げに参加。大規模(重厚長大)から小規模(軽薄短小)まで、さまざまなプロジェクト管理を経験。SIプロジェクトのリーダーシップについてのサイト、ITエンジニア向け英語教材サイト人材派遣情報サイトも運営。


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