第4回 可能性を潰さない――ワクワクできる自分のつくり方
テイクウェーブ 竹内義晴
2008/4/10
「幸せなITエンジニアが増えてほしい」「若いITエンジニアにエールを送りたい」という筆者が、自らのITエンジニア/マネージャ経験と、そこから得たものを語る。 |
テイクウェーブの竹内義晴です。前回「『人をどう動かすか』より『私はどう導きたいか』」では、「人間関係が変わるコミュニケーション術」というテーマで、人間関係を良くするいくつかの具体的な方法を紹介しました。
今回は「可能性を潰さない――ワクワクできる自分のつくり方」というテーマでお話ししたいと思います。私もいつも実践している方法です。とても効果的ですよ。
■このテーマでお話ししようと思ったワケ
「可能性を潰さない」というテーマでお話ししようと思ったのには理由があります。
先日、私はあるWebサイトでITエンジニアのキャリアに関する記事を書きました。それは多くの方に読まれ、コメントもいただきました。「キャリアを考えるいいきっかけになった」とポジティブなとらえ方をしたものもあれば、「それ以外できないし、それ以外望まない」というネガティブなものもありました。
ネガティブなコメントを読んで、「自分の可能性を自分で縮めるのはもったいないなぁ」と思いました。キャリアを考えるいいきっかけにする人もいれば、自分に制限をかける人もいます。「それ以外できない」と決めているのはいったい誰でしょうか? 誰でもありません。自分自身です。
ナポレオン・ヒルという人をご存じでしょうか。多くの成功者を研究し、成功哲学を体系化した人です。彼の代表的な著書の1つに『思考は現実化する』(きこ書房刊)があります。
最初にこの本を読んだときには「考えたことが現実になるなんて……そんな簡単なものかな」と思いました。しかしその後多くの成功哲学を研究してみたところ、言葉を変えてこれと同じ主張をしていることに気付きました。
考えたことは、現実になるのです。「私は何もできない」と考えていると、できないという思いが現実になってしまうのです。それ以来、私は「思い」というものを大切にするようになりました。
それからは、いろいろと試してみました。例えば、私は2007年5月に事務所を借りました。以前は「事務所を持てたらいいけど、お金もかかるし相当先だな」と思っていましたが、思いを大切にするようになってから、事務所を借りることを前提に考えるようになりました。最初はお世話になっている不動産屋さんにも「そんな条件で借りられるところはないんじゃないかなぁ」といわれていましたが、しばらくして立地も家賃も好条件の物件を借りることができました。
「借りられるはずがない」と思っているままだったら、事務所を探すことすらしなかったでしょう。事務所を借りることを前提に考えるようになったので、結果的に借りられたのではないかと思います。
■「思考」はどのように生まれるのか?
では、「思考」というものについて考えてみたいと思います。
私たちは、1日に数え切れないほどの思考を繰り返しています。「よし、この課題を考えてみよう」と意識的に考えることもあるでしょうし、何かを目にしたり、耳にしたりしたことがきっかけとなって、無意識に何かを思い出すこともありますよね。昔好きだった音楽を偶然聞いたとき、胸がキュンとなって、懐かしい情景や当時の感覚を無意識に思い浮かべるようなことです。
なぜ、無意識に思い出すのでしょうか?
私たちはこれまで、たくさんの食べ物と飲み物によって育ってきました。同様にいままで見たもの、聞いたもの、感じたもの、経験なども、私たちをつくっている要素です。コンピュータに例えるなら、頭の中に「見たもの、聞いたもの、感じたものデータベース」があるようなものです。
「昔聞いていた音楽」という情報が聴覚から入力されると、「見たもの、聞いたもの、感じたものデータベース」からどんな感情を出すべきかを無意識に検索し、その結果を思いや感情として出力していると考えられます。
■普段の「思考」をポジティブに変える方法
私たちの頭の中が「見たもの、聞いたもの、感じたものデータベース」になっていて、その検索結果が思いや感情を生むのだとしたらどうでしょう。可能性を広げ、いつもワクワクした気持ちでいられるように自分を変えるには、ネガティブな情報が格納されたデータベースを、ポジティブな情報で書き換えればいいのです。
データベースを書き換える方法としては、次の2つのものがオススメです。
- 自分の可能性を広げ、ワクワクする情報を選択する
- ネガティブなことでも、その裏に隠されているポジティブな意味を見つける
では、それぞれについて触れていきましょう。
あなたの脳のデータベース、どうやって書き換える? |
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