@IT自分戦略研究所 リバイバル(1)
ポスト・ロスジェネ部下を鍛える3つの教え |
@IT自分戦略研究所
2008/7/8
「ロストジェネレーション」と名付けられた世代が会社の中堅どころに落ち着き始め、「ポスト・ロストジェネレーション」と呼ばれる新たな若年層の世話を見る時代となった。@IT自分戦略研究所が発表した3本の新人教育記事を見直すことで、ポスト・ロスジェネ新入社員が陥りがちな3つの問題を指摘し、その対応策を検討する。 |
■ 「やっぱりできませんでした」というメンタリティ
新入社員に仕事を頼む。締め切りが迫ってきたので進捗(しんちょく)を確認した。すると「すみません。頑張ったんですけど、やっぱりできませんでした。頑張ってもできないものはできないです」といわれた……。
「新人が知らない会社の常識」の筆者 越川剛臣氏は「新入社員はつい1カ月前までは学生だったので、このあたりのメンタリティが社会人のそれとは全然違っています」とし、学生と社会人の意識の違いを諦観(ていかん)をもって記述している。そのうえで、学生気分の抜けない彼らに対し、“社会人として持つべきメンタリティ”を先輩社員の言葉で優しく教えることを勧めている。
■ リセット症候群
「『これは作り直した方が早いよ』というのはエンジニアがよくこぼす愚痴」だと「先輩エンジニアが心得ておくべきこと」(後編)の筆者である中越智哉氏は書いている。問題解決のプロセスがすぐに見いだせない厳しい状況に直面したとき、役に立つのは、危うい状況を何度もかいくぐってきた「経験」である。その意味で、経験値の低い新入社員は、すべてを白紙に戻す(リセットする)という道を選びたがる傾向にある。
しかし、中越氏はこう書いている。「きついと分かっている局面を耐えて乗り切るエンジニアの忍耐強さは、ビジネスパーソンとしての普遍的な忍耐強さにつながる、大事なスキルであるといってよいでしょう」。
新入社員とはこれから経験を積む人々のことである。そんな彼らに「そのうち分かる」という含蓄(がんちく)を込めて、「中途半端な状況」に耐える精神力の重要さを説くことは、彼らの将来を考えると、とても大切なことだといえる。
■ 「公」と「私」の区別があいまい
お客さまあての電子メールなのにもかかわらず、友人向けの調子で書いてしまう新入社員がいる。これは「公」と「私」の区別が(頭では分かっていても)身体化していないことの表れであると考えられる。
「お客さまへのメール、こんな感じじゃダメですか?」の筆者でもある中越氏は、ビジネスで活用できる電子メールの書き方のポイントを6つにまとめている。
- 文頭にはあて名を書く。他社に送るメールの場合、会社名、部署名も書くとよい。相手方の名前には「様」を付ける
- あて名の後にはあいさつ文を書く。ビジネスの場面では「お世話になっております」のように書くのが一般的。その後、「(会社名)(名前)です」として名乗る
- 読みにくくならないよう、一定の文字数で改行を入れて整える
- 敬語の使い方に注意する。なれなれしい表現にならないよう、特に注意
- 文末には「よろしくお願いいたします」のように書いて締めくくる
- 末尾には署名を入れる。署名はあまり華美にせず、ビジネスパーソンらしく落ち着いたものにする
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以上、新入社員が陥りがちな代表的な3つの問題とその対応策を提示した。これらの指摘が、あなたの新人教育の一助となれば幸いである。
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