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Web業界セミナー レポート
「Webサービスは戦略+技術+PR」
――Ameba技術者が講演

岑康貴(@IT自分戦略研究所)
2010/2/10

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ソーシャルアプリ開発秘話から「転職成功術」まで

 セミナーの後半では長瀬氏に加え、モバイルSNSやmixiアプリ開発を手掛けるgumiの代表取締役 国光宏尚氏と、iPhoneアプリ「30min.」を開発したサンゼロミニッツの代表取締役社長 谷郷元昭氏がパネリストとして登壇し、「Webサービスへの期待」と題してパネルディスカッションが行われた。モデレータはEagleの藤永真至氏とネクストの森明彦氏が務めた。

 「mixiアプリ開発の現状」について、国光氏は「最初は何を作ってもヒットする状況だった。いま、ソーシャルゲームはレッドオーシャン。海外の強いところや、国内大手、例えばサイバーエージェントさんなんかが、大人気なく全力で力を入れてきている。ベンチャーでは太刀打ちできない」と語り、「ゲーム以外のソーシャルアプリは正反対。まだ競争がない。なぜなら、ビジネスモデルが確立していないから」と実情を明かした。「大人気ない」といわれた長瀬氏も、「最初はエンジニアが1人でお遊びで作って『面白いねー』というレベルだったが、開発が大規模化している。組織、お金、アイデアの3つがしっかりそろってもヒットを生み出せるかどうか、というレベルにまでなってきている」と話した。

左から、ネクスト 森明彦氏、Eagle 藤永真至氏、gumi 国光宏尚氏、
サンゼロミニッツ 谷郷元昭氏、サイバーエージェント 長瀬氏

 「Webサービスやソーシャルアプリのスケール」については、国光氏は「mixiアプリなどはヒットすると一気に大規模なトラフィックが流れ込んでくるので、ベンチャーはクラウドを使う以外の選択肢はない」と断言。どの程度ヒットするかが読めず、ヒットしてからデータセンターを探してハードや回線を用意して対応するのは、時間とコストの両面で不可能なためだ。国光氏はAmazon EC2を利用しているという。ただし、「Webサーバはどうにかなるが、今度はDBサーバのスケールが難しい」と悩みを明かした。長瀬氏は今後、サイバーエージェントでもクラウドを活用していくとし、「Amazonはこの1年でクラウドサービスの性能をかなり向上させた。使わない手はない」と語った。

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 「位置情報系サービス」については、すでにサービスを運営している谷郷氏が「海外ではすでにfoursquareなど流行の兆しがきている」と解説。「海外の位置情報系サービスは現実の生活に合わせた便利サービスという側面が強いが、日本の場合は『位置ゲー』と呼ばれるように、ゲーム寄りのものが多い」と分析し、「もう少し生活密着型のものが出てくると日本でも盛り上がるのではないか」と語った。

 「WebサービスにおいてARPU(1ユーザー当たりの月額売上高)をどう上げるか」という議論でも、国光氏が「GPSが鍵になる」と主張。アメリカでは現在「ソーシャル(誰と誰が)+リアルタイム(いつ)」が主流であり、ここにこれから加わるのは「位置情報(どこで)」だという。「『自分がいま欲しい情報』を考えるとき、場所は非常に重要。マネタイズにも密接に絡んでくるはず。お金を落とすシチュエーションは『現実世界の場所』だから」というのが国光氏の考えだ。谷郷氏は「まさにそういうことをやろうとしている」と語り、「GoogleがAndroidを開発したのは、モバイル広告市場をねらっているからでは。モバイル広告を考えるとき、『どこにいるか』は重要」と、今後の位置情報サービスとモバイル広告について分析した。

 「こういう人材がほしい」というテーマでは、長瀬氏は「IT業界に夢があることが前提。その上で、指示待ちではなく、自分で考えて作る人がほしい」と語った。谷郷氏は「多少プログラミングのスキルが低くても、ユーザー視点がある人」、国光氏は「やる気があって、新しい技術が好きな人ならOK」だという。

 最後に、国光氏は「Web業界で100%転職を成功させる方法を話します」と発言。国光氏によれば、

 「自分で技術系ブログを書いていること。最低、過去1カ月分くらいは見られるので、書いておくこと」

 「Webサービスを自分で作ったことがあること。簡単なもので構わないが、『趣味で』作りましたというとポイントが高い」

 「入りたい会社の業務をしっかり調べておいて、この業務にかかわりたいです、と明確に伝えること」

の3点が重要だという。「あとは、社長ブログ読んでますっていっておきましょう。大企業なら、さわやかな写真と、長文の志望動機を書けば書類選考は通ります」と冗談めかして語り、パネルディスカッションは終了した。

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