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ITエンジニアに贈るダイエット法実践編

第7回 「ま、大丈夫だろう」をどう克服する?

千葉大輔(@IT自分戦略研究所)
2007/7/3

 ダイエットを開始して5カ月目が経過。順調に体重は減っていますといいたいところなのだが、実際のところ過去2カ月くらいあまり体重の変化がない。ダイエットに停滞期は付き物といいつつ、やはり体重が減らないとモチベーションが下がってしまう。

 先月の記事では、体重が減らない理由を「食事の時間や内容が不規則になっている」とした。今回はもう少し詳しく自分の食生活が不規則になっていく状況を確認して、その対応策を練る。

「ま、大丈夫だろう」はいろんな意味で危険

 筆者はこの企画を始める以前から、いろんなダイエットに挑戦してある程度までの減量に成功しつつ、その後派手にリバウンドをしてさらに太るという悲劇的な展開を繰り返している。その際も3〜4カ月というくらいの時期に失敗している。

 いま現在の状況やそれまでの経験から考えると、やはり問題なのは「慣れ」というか「大丈夫だろう」というメンタリティなのだ。この「大丈夫だろう」というのは、さまざまな状況で起こる。例えば、食事で考えると「ちょっとくらい食べても大丈夫だろう」という場合もあれば、「カロリーは取らないし、食事を抜いても大丈夫だろう」という場合もある。今回はまさに後者の状況だ。

 食事量が多くなってしまうことはもちろん問題なのだが、「食事を取っていない」ということもまた、非常にやっかいなのだ。ダイエットをするとき、どうしても気になるのは「食べすぎ」。普段の意識も「あまりカロリーを取らないように」というふうに働く。実際、筆者もダイエット開始してまもなくのころ、「少なめに少なめに」という意識でいたところ、結果として食事におけるたんぱく質が足りていないということもあった。

 連載第1回「覚えておきたいダイエット中の食生活」で、「偏った食事では、栄養が足らずに筋肉量が減ってしまい、運動をしない場合と同じくやせにくい体になってしまう」と書いた。いまのところ体重は現状維持なのだが、体の中では着実にリバウンドの準備が整ってしまっている。定期的に話題のエクササイズビデオなどでフィットネスなどをしているのだが、筋肉のもととなるたんぱく質が足りていないので、効果が低くなっている。

意識が薄れると体重が増える?

 ではなぜ、大丈夫だろうと思ってしまうのか。筆者個人のケースなので一般化はできないのだが、どこかで「めんどくさい」という意識がはたらく、第6回「そろそろラストスパートといきたいが……」では、1週間の食事内容を紹介したが、3食のうちどこかが抜けていたり、あるいはまったく食べない日もある。

 それは忙しかったり、文字どおり「丸一日寝ていた」ということもしばしばある。「いまはちょっと忙しいので後にするか」とか「食欲より睡眠欲」といっていると、いつの間にか食べることを忘れていることがある。「ダイエットは意識することで変化する」と常々連載中で触れてきたが、いつの間にかダイエットへの意識も少しずつ薄れていったのかもしれない。

 前回、管理栄養士の松本理華氏に「ダイエットを始めた時の気持ちを思い出して」というコメントをもらった。確かに始めたころのような大きな数字の変化はあまりないし、初めは食事内容を考えるだけでも新鮮な気持ちだったのだが、やはり慣れてしまうとそれも変わらない日々の日常に埋もれてしまう。

初心を思い出す

 さて、今後どういう対策を取るべきか。松本氏からは「食事内容やダイエットの決意を記録しておくことによって、数カ月経過してダイエットに疲れてきた時ときに、それらを見返すことで、また頑張ろうという気持ちになります。初心に帰ることができるという意味でも大変有意義なものだと思います」というコメントをもらっていた。そう、ダイエットがうまくいっていたときの自分の生活がどのようなものだったか、思い出し、そのときの生活や意識に戻る必要がある。

 こんなとき、自分の食事内容やそのときそのときのダイエットの様子を記録に残しておくと、振り返りがかなり楽だ。筆者の場合、食事内容は手帳に記録してあるのでその内容を見る、あるいは本連載のバックナンバーを読むとひと月ごとに自分がどういうアクションをしていたか、どういう意識を持っていたのかを振り返ることができる。

 これからダイエットを始める人や、いまダイエットをしている人で自分の状況を記録していない人はいまからでも遅くないので、自分の食生活などの記録を取るといいだろう。

 また、ブログなどを使って周囲の人にアピールすると、モチベーション維持の効果が期待できる。筆者の場合、知り合いに会うたびに「ダイエットの調子は?」と尋ねられる。中には「全然変わってないね。もっとやせて見えるかと思った」という言葉とともにやる気を減退させてくれる人もいるのだが、「確かにすっきりしたね」という言葉をもらうと、仮に社交辞令だったとしてもうれしいものだ。自分自身の代わりに周囲の人に観察してもらうとよい。

今月の結果は?

 さて、今月は初心に帰り生活を元に戻す努力をしている。まったく最初の状況には戻せないのだが、できるだけ3食食べ、食事の間隔を開けないようにしている。休みの日も眠くても起きて、ジュースや果物など軽いものでもいいので、お腹に入れるようにしている。

図1 体重と体脂肪率の推移。体重がようやく少しずつ減少し始めて安心した。体重が変わらない時期に体脂肪率が上昇している。つまり、体重は変化しなくともやせにくい体になっていたと思われる。

 その効果が出てきたのだろうか、また少しずつ体重も減ってきた。図1を見るとまだ停滞気味かなと思う部分もあるが、停滞している範囲が先月よりも低いところに移ってきたのが分かるだろうか。

 自分で設定した期限まであとわずか、ただただ初心に帰ってダイエットを継続していく。

管理栄養士 松本氏からのひとこと
息抜きは必要、しかし油断は禁物

  ダイエットを継続させるには、ある程度の息抜きは必要です。「食べ過ぎてしまった」日、逆に「きちんと食事がとれなかった」日、「日課の運動ができなかった」日があるのは、長いダイエット期間では誰しもが経験することだと思います。

 しかし、翌日以降に持ち越さず、きちんとリカバリーしてあげることが大切です。また、体重に関しても、数日間の体重の変動は体内の水分の出納であると考えると、気にし過ぎるのは逆効果ですが、1〜2週間経過しても増えた体重が元に戻らなければ、要注意です。

 「1kgならすぐに戻せるから大丈夫」と油断すると、それが積み重なって2kg、3kgと増えていく場合も少なくありません。現在の自分のベースとなる体重が何kgなのかを把握して、ベース体重になかなか戻らなくなってきたら、気をつける必要があります。

 現在は、体重の減少はゆるやかでも、ベースとなる体重が減少傾向にあるというのは、良いことだと思います。体が慣れてくると、思うように体重が減らなくなって焦りが出てきたり、モチベーションが低下してしまいますが、痩せた自分をイメージし、かっこいいスーツを着る、ワンサイズ小さいジーンズをはく、など、自分へのご褒美を用意しておくと良いと思います。

周囲の協力を得て、モチベーションアップに

人知れずダイエットを成功させたいという人もいますが、周囲に思い切ってダイエット宣言をした方が、成功率は高くなると思います。

 宣言した手前、きちんと結果を出さなくてはいけないというプレッシャーもありますが、彼女や奥さん、同僚の応援や協力は思っている以上に心強いものです。食べ過ぎを注意されるなど、厳しい場面もあるかもしれませんが、素直に受けとめる気持ちのゆとりも大切です。また、「頑張ってるね」といったささいな一言でも、モチベーションが大いにアップすることと思います。

 そして、ブログなどもダイエットへのモチベーションを維持するには良いツールだと思います。顔見知りに限らず、自分を応援してくれる人を1人でも多く集めることは、ダイエットにもプラスに働くのではないかと思います。

(松本理華)


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