Oracleのフラッシュバック機能間違いやすいポイントを追え! Bronze DBA講座(11)(1/2 ページ)

Oracleデータベースエンジニアとしての基礎力を証明するORACLE MASTER Bronze。その取得を目指すITエンジニアのための講座が本連載だ。間違いやすいポイントを確認し、合格に近づこう!

» 2009年01月30日 00時00分 公開

 前回「バックアップ/リカバリ操作の自動管理」に引き続き、バックアップおよびリカバリの管理を学習します。今回は以下の項目を確認します。

  • フラッシュバック機能
  • フラッシュバックテーブル
  • フラッシュバックドロップ

フラッシュバック機能

例題1

フラッシュバック機能の名称とその説明として誤っているものを2つ選択してください。

a.トランザクション履歴フラッシュバック:トランザクションによって行われた変更を戻すためのSQL文を表示する

b.フラッシュバックテーブル:削除してしまった表を元に戻す

c.フラッシュバック問い合わせ:特定の時点を指定して問い合わせを実行し、その時点で表示されるはずの問い合わせ結果を表示する

d.行履歴フラッシュバック:指定した2点間で生成されたすべてのバージョンを表示する

e.フラッシュバックドロップ:削除してしまったデータを元に戻す

f.フラッシュバックデータベース:データベース全体を特定の時点に戻す

例題の範囲をおさらい

参考:「Oracleのデータを復元する

 フラッシュバック機能を使用することで、データベースを過去の特定の時点に戻すことが可能です。フラッシュバック機能には、以下のようなものがあります。

・フラッシュバックテーブル

 表のデータを、特定の時点の状態に戻します。

・フラッシュバックドロップ

 削除してしまった表を元に戻します。

・フラッシュバック問い合わせ

 特定の時点を指定して問い合わせを実行し、その時点で表示されるはずの問い合わせ結果を表示します。

・行履歴フラッシュバック

 指定した2点間で生成された、すべてのバージョンのデータを表示します。

・トランザクション履歴フラッシュバック

 トランザクションによって行われた変更を戻すためのSQL文を表示します。

・フラッシュバックデータベース

 データベース全体を、特定の時点の状態に戻します。

正解

b、e

解説

選択肢a:トランザクション履歴フラッシュバックは、トランザクションによって行われた変更を戻すためのSQL文を表示し、データを復元する方法を参照することができます。

選択肢b:フラッシュバックテーブルは、表のデータを過去の状態に戻します。例えば、誤って表から重要なデータを削除してしまった場合などに使用します。削除してしまった表を元に戻す機能は、フラッシュバックドロップです。

選択肢c:フラッシュバック問い合わせは、特定の時点を指定して問い合わせを実行し、その時点で表示されるはずの問い合わせ結果を表示します。例えば、データを変更してコミットした後でも、30分前を指定することで、コミット前の表の値を表示することが可能です。

選択肢d:行履歴フラッシュバックは、指定した2点間で生成されたすべてのバージョン(すべての変更データ)を表示します。過去の2つの時点の間で行われた変更などの操作は、行単位で表示されます。

選択肢e:フラッシュバックドロップは、削除してしまった表を元に戻します。DROP TABLE文で表を削除すると、表は一時的にごみ箱へ格納されます。フラッシュバックドロップを使用することで、ごみ箱に格納された表を復元することができます。削除してしまったデータを元に戻す機能は、フラッシュバックテーブルです。

選択肢f:フラッシュバックデータベースは、データベース全体を特定の時点に戻します。Point-in-Time(不完全)リカバリの代替機能といえます。通常のバックアップからの復元よりも簡単にデータベースを復元することが可能です。

 よって、誤っているものはb、eです。

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