エキスパートに聞く ぼくのスキルを支えた本
第10回
今回のエキスパート:中島伸氏

加山恵美
2003/3/13

 「最前線で必要なスキルとキャリアを知る!」でインタビューしたITエンジニアに、自分のスキルとキャリアを語るうえで欠かせない本を挙げてもらった。その本について熱く語る姿から、ITエンジニアの仕事への情熱が垣間見えるはず。

 今回お話を伺ったのは、エス・ヴィ・アイ・ジャパン(SVIJ)の中島伸氏。エンジニアとして駆け出したばかりの彼に期待されているのは、プログラミング能力だけではなく、日本とフィリピンの懸け橋となるようなエンジニアだ。そのためには、英語を磨き、さまざまなヒューマン・スキルが必須条件となる。彼が薦めてくれた本は、そうした彼の環境を抜きには語れないものばかりだった。

  英語をちょっと変わった視点から

英語屋さん ソニー創業者・井深大に仕えた四年半

浦出善文著
集英社
2000年2月
ISBN4-08-720016-7
660円

 入社2年目にしてソニーの創業者井深大に“英語屋兼かばん持ち”を命ぜられた筆者が、井深氏のそばで仕えた日々を語る。大企業の創業者の通訳ということで、英語で読み書きしなければならない範囲は、専門技術から海外の王族への格調高い文章までと多岐にわたった。貴重な体験談とともに、その過程で得た英語表現のコツなどがちりばめられている。

中島氏:
これはアメリカでのELP(English Language Program)時代に、日本にいる友達が送ってくれた本です。英語を学んだり、それを使う仕事について、変わった視点から見聞きすることができて、とても面白かったですよ

  プレゼン能力を磨きたい人に

How to Develop Self-Confidence & Influence People by Public Speaking

DALE CARNEGIE著
Pocket Books
1999年5月
ISBN0-671-74607-3
7.5ドル

 自信を養うこと、また、相手の心を打つスピーチをするためにはどうしたらよいのかが分かる1冊。人前で話すときに準備することやプレゼンテーションのスキルが具体的に書かれている。営業やマーケティングなど、人前でプレゼンする機会が多い人には参考になるだろう。もちろん、クライアントなどに提案を行うエンジニアなどにも役立ちそうだ。この本はそれほど厚くないペーパーバックなので、洋書(英語)だがチャレンジしてもよいだろう。

中島氏:
 「これは上司に薦められた本です。この本を通じて、自信を持つこと、さらにはリーダーシップというものを学んでほしいといわれました。今後のマネジメントに役立てばと思いながら読んでいます

  危機管理から状況にうまく対処することを学ぶ

DANGEROUS COMPANY:Management Consultants and the Businesses They Save and Ruin

JAMES O'SHEA、CHARLES MADIGAN著
Penguin USA
1998年9月
ISBN0-1402-7685-8
13.95ドル

 「危険な会社」という刺激的なタイトルだが、会社で起きる陰湿な事件からの教訓を学ぶ本。すべての会社員に向けた実用的な教訓と、実際にある企業に降りかかった危機の一部始終と警告が説かれている。その中で、会社へのアドバイスというものの真の価値と、その対価を誰が払うべきなのかを問う。なお、紹介している書籍の写真はハードカーバ版のものだが、書籍のデータはペーパーバック版のもの。

中島氏:
 「実はこれも上司からの推薦で、読んでいる途中です(笑)。推薦した上司によると、学校での知識だけではなく、経験も大事だということで、薦められました。会社に降りかかるトラブル、その危機管理をどう乗り越えていくのかを諭した本です

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