新CCNA試験について知ろうネットワークの基礎を学習する CCNA対策講座(1)(1/2 ページ)

本連載では、シスコシステムズ(以下シスコ)が提供するシスコ技術者認定(Cisco Career Certification)から、ネットワーク技術者を認定する資格、CCNA(Cisco Certified Network Associate)を解説します。CCNAは、2007年12月に改訂されたばかりで、2008年1月現在、新試験の情報がまだ少ない状況です。よって本連載は、改訂前の試験(640-801J)で解説をしますが、新試験の解説が可能になり次第、新試験(640-802J)も含めて解説していきます。

» 2008年01月22日 00時00分 公開

 連載第1回の今回は、2007年12月に改訂されたCCNA試験の試験科目、試験範囲、出題方式などを中心に説明します。

シスコ技術者認定とは

 CCNAは、シスコが提供するシスコ技術者認定で、ネットワーク環境の技術者を認定します。シスコ技術者認定には、次の3つのレベルがあります。

アソシエイト 初級レベルとして、基礎的な知識を有することを証明する資格
プロフェッショナル 上級レベルとして、高度な知識を有することを証明する資格
エキスパート 最高レベルの知識を有することを証明する資格
表1 シスコ技術者認定の3つの認定レベル

 各レベルは、特定の技術や解決策、職務分担に対応する、次の6つの分野に分類されています(表2)。

ルーティング&スイッチング シスコ技術を使用したLAN/WANのルータとスイッチの配置(インストール)やサポートを行う
デザイン シスコ技術を使用したLAN/WANのルータとスイッチの設計を行う
ネットワークセキュリティ シスコのセキュアネットワークの設計や構築を行う
サービスプロバイダ シスコのエンドツーエンド環境(電気通信業界など)のインフラストラクチャやアクセスソリューションに携わる
ストレージネットワーキング 複数のトランスポートオプションを使用してストレージソリューションを実装する
ボイス 音声ソリューションの導入と保守を行う
表2 シスコ技術者認定の6つの分野

 レベルと分野の組み合わせで次のような資格が用意されています(表3)。

分野 アソシエイト プロフェッショナル エキスパート
ルーティング&スイッチング CCNA(CCENT) CCNP CCIE Routing & Switching
デザイン CCNA&CCDA CCDP
ネットワークセキュリティ CCNA CCSP CCIE Security
サービスプロバイダ CCNA CCIP CCIE Service Provider
ストレージネットワーキング CCNA CCIE Storage Networking
ボイス CCNA CCVP CCIE Voice
表3 レベル・分野別資格

CCNAの試験科目

 シスコによると、CCNAは次のように説明されています。

CCNA認定資格では、WANでのリモートサイト接続の実装と確認を含め、中規模ルーテッドネットワークおよびスイッチドネットワークの導入、設定、運用、およびトラブルシューティングを行う能力を備えていることが証明されます。


 ちなみに、日本では昨年12月から、CCENTという試験が新たに導入されました。シスコによると、CCENTは次のように説明されています。

CCENT認定資格では、エントリレベルのネットワークサポート担当者に要求される技能を備えていることが証明されます。


ccna01 図1 資格のレベルを表した図

 CCNA、CCENTの試験では、シスコ製のルータやスイッチの使用方法を理解することも必要ですが、ネットワークの基礎知識、ネットワークに関するハードウェアの知識も問われます。従って、ネットワーク技術者の最初のステップとして最適であるということです。

 CCENTに認定されるには、次の試験に合格する必要があります。

試験番号 640-822J
試験名 ICND1(Interconnecting Cisco Networking Devices Part 1)
試験時間 90分
問題数 50〜60問
受験料 1万5000円

 一方、CCNAに認定されるには、640-801Jまたは640-802Jのうちどちらか1つの試験に合格するか、640-811Jと640-821J、または640-816Jと640-822Jのどちらかの組み合わせで、2つの試験に合格するか、の2種類の方法があります(受験料は変更される可能性があります。詳しくは、シスコのWebページをご覧ください)。

1つの試験で合格
試験番号 640-801J(2008年3月31日まで)
試験名 CCNA(Cisco Certified Network Associate)
試験時間 90分
問題数 55〜65問
受験料 1万8000円

または

試験番号 640-802J
試験名 CCNA(Cisco Certified Network Associate)
試験時間 90分
問題数 50〜60問
受験料 1万8000円

2つの試験で合格
試験番号 640-811J(2008年3月31日まで)
試験名 ICND(Interconnecting Cisco Networking Devices)
試験時間 60分
問題数 40〜50問
受験料 1万2000円

試験番号 640-821J(2008年3月31日まで)
試験名 INTRO(Introduction to Cisco Networking Technologies)
試験時間 75分
問題数 45〜55問
受験料 1万2000円

または

試験番号 640-816J
試験名 ICND2(Interconnecting Cisco Networking Devices Part 2)
試験時間 90分
問題数 50〜60問
受験料 1万5000円

試験番号 640-822J
試験名 ICND1(Interconnecting Cisco Networking Devices Part 1)
試験時間 90分
問題数 50〜60問
受験料 1万5000円

 時間と問題数に差はありませんが、1つの試験で試験を完了できる640-801J(CCNA)または640-802J(CCNA)は魅力的かもしれません。ただしその分、試験の中で高度な知識の占める比率が高くなります。一方、640-821J(INTRO)と640-811J(ICND)、または640-822J(ICND1)と640-816J(ICND2)では、試験が2つに分割されることで、1試験当たりのレベルも低くなります。どちらを選択するかは自由です。

 シスコ技術者認定の有効期間は3年となっており、3年ごとに新しい試験での再受験が必要です。今回の改訂は、IPv6やセキュリティなどが追加され、時代に合った資格となっています。

 試験は、ピアソンVUEで受験を申し込み、会場を選択して受験します。

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