
第1巻
第2回 分析モデルはユーザー視点でシンプルに
萩本順三(匠Lab 代表取締役)
2008/12/19
| 開発者の悩みその3 「ロバストネス分析から設計モデルを作成したが設計的に見ておかしいのではないか?」 |
| ユースケースごとにロバストネス分析を行い、その流れでクラスを抽出し、設計につなげたが、ユースケースそれぞれに対し設計を行ってしまった。それによって、後で機能追加およびメンテナンスがほぼ不可能なシステムになってしまった気がする。 |
この問題の本質は、すでにお分かりのとおり、ユースケースごとに設計をしていることにある。大規模システムでは、このような開発をしているところを結構見かけたりする。
そもそもソフトウェアを動かすためのアーキテクチャは、その中で活用する情報の構造(例えばデータベース設計)や、ソフトウェア上で制御を行うための最適な仕組みを設計するものだ。アーキテクチャはシンプルなものから、重たいものまでさまざまだが、アーキテクチャというお皿のうえに、ユースケースとして作成するプログラムを乗せることになるのだ。それなのに、アーキテクチャを考えずに、それぞれにユースケースを実装してしまったら、プログラムの共通部分がバラバラに作成されてしまうのである。
ロバストネス分析には、このような落とし穴があるのだ。それを回避するために、ユースケース分析の前段階で、ビジネスの分析モデルを確立しておく必要がある。ユースケース記述からの流れでロバストネス分析を使うとしても、ホワイトボードで書く程度の非常にシンプルなものにし、分析モデルをユースケースで叩く(評価する)という観点で使用するのが望ましいのである。
これで、「現状のソフトウェア開発は間違っていないか?(手法編)」は終わりである。次回からは、第2巻「現状のソフトウェア開発は間違っていないか?(プロセス編)」に入る。プロセス編では、第1巻に引き続き、開発プロジェクトで起こる開発プロセスに関する諸問題について具体的な事例を基に述べることにする。また、その本質的な問題と解決策についても触れていく。
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ソフトウェア開発の匠 バックナンバー
- 第1回 「ITエンジニアは職人気質を取り戻すべき」
- 第2回 分析モデルはユーザー視点でシンプルに
- 第3回 「現状のソフトウェア開発は間違っていないか?」
- 第4回 アジャイル開発と反復開発の落とし穴
- 最終回 ソフトウェア開発の革命
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