特集・前半戦終了!
ORACLE MASTER Silver DBA 重要ポイント解説
有限会社 G.F.インフィニティ (Project - ∞)
2007/4/16
Oracle Database 10gソフトウェアのインストール
正解:b、c
参考:「Oracleを適切にインストールするには」
ソフトウェアをインストールするときというより、インストール後の使用の際に必要とされる環境変数です。
正解となる「ORACLE_BASE」では、OFA(Optimal Flexible Architecture)に対応するOracleディレクトリ構造でのトップディレクトリを指定します(正解b)。「ORACLE_SID」では、ローカル接続に使用するOracleインスタンス名を指定します(正解c)。Oracle Netを使用すれば、環境変数ORACLE_SID以外のインスタンスに接続することも可能です。
そのほかの選択肢の不正解の理由は次のとおりです。
●選択肢a:「NLS_LANG」では、「言語_地域.文字コード」を指定します。文字コード(キャラクタセット)だけを指定することはできません。文字コードだけを指定するのは、LANG環境変数やNLS_LANGUAGE初期化パラメータです。
●選択肢d:「ORACLE_HOME」では、ソフトウェアがインストールされたディレクトリを指定します。ソフトウェアのインストール時に指定したホーム名を指定するのはORACLE_HOME_NAME環境変数です。
Oracle Databaseの作成
正解:b
データベース作成時、または作成後にEnterprise Manager Database Controlの日時バックアップを有効化することで、ユーザーの介入なしにバックアップ取得ができます(正解b)。
そのほかの選択肢の不正解の理由は次のとおりです。
●選択肢a:フラッシュリカバリ領域は、アーカイブログやRMAN(Recovery Manager)によるバックアップファイルのデフォルトの保存場所ですが、バックアップのスケジュール化に必須のものではありません。
●選択肢c:リカバリカタログは、RMANリポジトリ(RMANのバックアップ情報の保存場所)として構成できるデータベースです。デフォルトでは制御ファイルのみがRMANリポジトリですが、リカバリカタログを構成することで、RMANリポジトリの損失を防止して長期の保存を有効化できます。こちらもまた、バックアップのスケジュール化に必須の機能ではありません。
●選択肢d:バックアップのスケジュール化は、Enterprise Managerにて構成します。有効化スクリプトが存在するわけではありません。
データベースの制御:データベースインターフェイス
正解:b
リスナーを停止すると、Oracle Netを使用したリモート接続ができなくなり、接続時にエラーが戻されます(正解b)。
そのほかの選択肢の不正解の理由は次のとおりです。
●選択肢a:リスナーの停止が行われても、インスタンスの停止は発生しません。ただし、次回リスナーが起動しても動的サービス登録が即時に行われるわけではないため、再起動したリスナーを経由してクライアントが接続するまでには多少時間を要することになります。
●選択肢c、d:リスナーが必要なのは新規接続時のみです。リスナーの停止は、既存セッションには一切の影響を与えません。既存セッションに影響を与えるのは、インスタンス停止(SHUTDOWN)です。
記憶域の構造
正解:b
参考:「Oracleデータベースの記憶域はどうなっている?」
表領域をオフラインにする際のモードには、NORMAL(標準)、TEMPORARY(一時)、IMMEDIATE(即時)の3種類があります。NORMALとTEMPORARYでは、オフラインにする前にチェックポイントが試行されます。正しくチェックポイントができたときのみオフラインにできるのがNORMALで、チェックポイントがエラーになってもオフラインにできるのがTEMPORARYです。選択肢cはNORMALの特徴といえます。
一方、IMMEDIATEの場合は、オフラインにする前のチェックポイントが実行されません。そのため正解bのとおり、次回オンラインに戻す前にリカバリ処理が必要となります。
選択肢aのような動作はできませんし、選択肢dのように既存セッションがオフライン処理の妨げになるということもありません。
ユーザーの管理:権限とロール
正解:d
参考:「権限とロールで効果的なユーザー管理を」
ロールは、権限をグループ化して管理するためのオブジェクトです。リソースに制限をかけられるのはプロファイルの特徴であり、誤りです(正解d)。
そのほかの選択肢はロールについて正しい説明を行っているため、不正解です。
●選択肢a:ロールは有効と無効の切り替えが可能であり、権限を一時的に使用不可にしたり使用可能にしたりすることができます。切り替えには、SET ROLEコマンドを使用します。
●選択肢b:複数の権限をまとめて1つのロールとすることで、権限管理を容易に行うことができます。
●選択肢c:システム権限を直接ユーザーに付与したり取り消したりした場合は、既存セッションに影響を与えることはできません。新規セッションから有効になります。一方、ユーザーに付与されたロールに対する権限の付与や取り消しは、既存セッションにも影響を与えます。
スキーマオブジェクトの管理
正解:b
ビューは、SELECT文に名前を付けて保存したオブジェクトです。そのため、正解bのように表領域に格納されるものではありません。「マテリアライズドビュー」の場合は、SELECT結果がセグメントとして表領域に格納されますが、問題文で「ビュー」としている場合は、基本的なビューの特徴で答える必要があります。
ビューについて正しく説明しているため不正解となったそのほかの選択肢のように、GROUP BY句を使用したSELECT文や結合を行っているSELECT文もビューにすることができます。また、ビューに対してはSELECTだけでなく、DMLの実行もできます(一部制限あり)。
データの管理:Data PumpとSQL*Loader
正解:d
参考:「Data PumpとSQL*Loaderによるデータのロード」
他スキーマにあるオブジェクトをエクスポートしたり、データベース全体をエクスポートしたりするためには、EXP_FULL_DATABASEロールが必要です(正解d)。
そのほかの選択肢の不正解の理由は次のとおりです。
●選択肢a:SELECT_ANY_TABLE権限があっても、ほかのスキーマのエクスポートはできません。
●選択肢b:SYSとSYSTEMにはEXP_FULL_DATABASEロールが付与されていますが、ほかのユーザーであってもEXP_FULL_DATABASEロールを付与すればエクスポートが可能になります。
●選択肢c:DBAロールにはEXP_FULL_DATABASEロールが付与されていますが、同時にほかの権限も付与されているため、他スキーマのエクスポートのためだけに付与するのは不適切といえます。
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