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プログラミングだけじゃない、SEのお仕事

第1回 SEの仕事は「人とコンピュータをつなぐこと」


茂木孝純(明治大学)
岑康貴(@IT自分戦略研究所)
2009/6/12


「SE(システムエンジニア)って、プログラミングをする人でしょ?」と思っていたら大間違い。予想以上にいろいろな仕事をしているのだ。SEとはどんな仕事なのかを学生記者が探る。

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 IT業界を目指す学生の中には、「SEって、要するにどんな仕事なの?」と思っている人が多いのではないだろうか。彼らの仕事は学生の目からはイメージしづらい仕事であろう。

 SEとは、実際にどのような仕事であり、どのようなスキルが必要なのかを探るため、それらを体系的に教えている教育ベンダ、富士通ラーニングメディアの済木安行氏に話を伺った。済木氏は現在、同社の執行役員を務めているが、実は20年以上SEとして働いていた「SEのプロ」である。

SEはプログラミングをやらなくなる?

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 「SEとはそもそもどんな仕事なのか?」という質問をぶつけたところ、済木氏は思いもよらず長考。しばらくしてからこう答えた。

 「SEといってもいろいろありますから。どこから話せばいいかな?」

 一口にSEといっても、その業務はわたしたちが思っている以上に多種多様。同じIT業界といえど、業態によってさまざまだし、企業の形態としても「独立系」「メーカー系」「ユーザー系」などがあり、業務もしばしば「上流工程」「下流工程」に分けられると聞く。どの企業のどこに携わるかで、仕事の内容はだいぶ変わるようだ。

取材の様子
富士通ラーニングメディア 済木安行氏(左)と学生記者(右)
中央奥は同社 ナレッジ・コー・クリエイティング推進本部 西井道太氏

 そこで今回は「広義のSE」について話を伺った。すると意外な答えが返ってきた。

 「SEって、最終的にはプログラミングをほとんどやらなくなるんですよね」

 SEのよくある業務として、仕事は以下のように進行していくようだ。

  1. クライアントの仕事のどこをどうシステム化するかを考える「企画・戦略(業務分析とも呼ぶ)」

  2. システムの大まかな仕様を決める「基本設計」

  3. そこから具体的にどのような機能があればいいかを決める「詳細設計」

  4. 実際にプログラミングする「実装」

  5. できたものがしっかり機能するかを確かめる「テスト」

  6. クライアントに納品する「リリース」

  7. リリースしたシステムの「保守・運用」

 企画から設計までの段階を「上流工程」といい、実装を「下流工程」と呼ぶ。「テスト」や「保守・運用」はどちらかというと上流工程に当たるという。

 入社してすぐは下流工程で基本的なスキルを学び、徐々に上流工程へとシフトしていくのがよくある形だ、と済木氏は語る。

4つの成長の階段

 プログラミング以外にもさまざまな仕事を抱えるSEだが、どのポイントで、どのようなスキルが必要となるのだろうか。済木氏いわく「成長の階段は4つあると思います」。

1. 実装・製品の知識を得る

 入社してまず取り組むのが基本的な技術(プログラミング言語や製品知識など)である。SEの基礎であり、イメージしやすいだろう。

2. 技術の特性を知る

 さまざまな技術の特性をつかみ、ケースバイケースで状況に見合った技術を選定・活用していくスキル。1を習得していくうえで、少しこの2の段階を意識するといい。

3. 業務の特性を知る

 クライアントと相談、あるいは仕事を観察する中で、どこをどうシステム化すべきか、何が必要なのかを見抜くスキル。業界ごとに求められるものはさまざまであるため、注意深く分析する必要がある。同時に、このスキルこそがSEに最も必要なものであるという。

4. 会社の特性を知る

 クライアントがどういうところを事業の柱としているのかを知り、システムの在り方を洞察するスキル。システムは活用されてこそ。3と同様に、SEの最も重要なスキルのうちの1つ。

 1と2は下流工程で、3と4は上流工程で求められるスキルといえるだろう。こうして見ていくと、プログラミングなどの実装スキルはSEの基礎となる部分であり、重要である。そして同時に、あくまで仕事のうちの1つであり、それがすべてではないということが分かる。

SEのやりがいは「めちゃめちゃクリエイティブ」なところ

 思った以上にさまざまなスキルを要求されるSEだが、上記1〜4とステップアップしていく中で、済木氏は「3と4こそがSEの仕事」と語る。同時に、これこそがやりがいでもあるようだ。

 「あくまでルーティンワークとの比率で考えると、普通のサラリーマンだとクリエイティブ性が問われる仕事って、自分がやっている仕事のうち5%から10%くらい。でもSEは、すべての工程でクリエイティブ性が求められる。お客さまの仕事の、どこをシステム化すべきなのか、どうシステム化すべきなのか……。これは、めちゃめちゃクリエイティブな仕事なワケですよ」

 「クリエイティブ」とは、記者にとっては予想外のキーワードが出てきた。しかし話を聞いているとうなずけることが多い。

 しばしばクライアントは、自分の仕事のどこをどう改善したいか言葉にできないケースが多いという。簡単には事務処理に置き換えられないが、もっとこうなったらいいな、こんなものがあったらいいのに、といったモヤモヤしたものを、SEがコミュニケーションを通じて明確にしていく。つまり「クライアントの潜在的な問題や要求をうまく聞き出し、それをシステムという形にしていく」ことがSEの仕事の核であるといえそうだ。

 また、例えば流通業のクライアントとやりとりする中で得た知識やノウハウを、金融業でも利用できないだろうかと考えるなど、他業界での転用の可能性を考えることも、仕事をするうえでは有効になってくるという。これも極めてクリエイティブな作業といえるだろう。

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