「人材不足」が叫ばれている組み込みエンジニア。しかし、恒常的に向上心を持ち続けなければ、早晩淘汰の憂き目にあうかもしれない。そんな中、格好の“腕磨き”の場として注目を集めているのが、組み込みソフトウェア専業ベンダだ。メーカー系企業と違って、自社ハードウェアにとらわれることなく、ソフトウェア開発にどっぷりと浸ることができる。果敢に求人活動を展開している2社に話を聞いた。
腕が磨ける場所を求めて動こう
組み込みソフトウェア技術者の不足が叫ばれて久しい(参考:日本は組み込みエンジニアが7万〜9万人不足している)。しかし、経済産業省が実施した「組み込みソフトウェア産業の実態調査結果」の2008年度版を見ると、それも一段落したようである(参考:組み込みソフトウェア技術者は「頭数よりスキル」)。
この記事では、“経営者が次第に「頭数ではなくスキルが重要」と考えを改め始めた”とある。もう、ブラックホールのように巨大な力で引き寄せてくれる吸引力は減衰している。望みさえすれば仕事はある、という時代は終わりを迎えつつあるのかもしれない。
ということは、組み込みソフトウェアの世界を志望し、この領域を極めようとするエンジニアは、考えを改めなければならないようだ。どう改めたらよいのか。腕を磨くのである。“質”を問われる時代がやってきたということだ。
経験があるというだけでは難しい。ましてや意欲だけでは話にならない。「この分野のスキルなら誰にも負けない」という専門性が必要だ。プログラム品質の高さにも気を配りたい。周囲と円滑にコミュニケーションを取る能力も求められる。技術があれば“ものいわぬ職人”でいいと開き直っているわけにはいかない。チームワークを意識しなければ、エンジニアとして成長するのは難しいだろう。
「どこでそんな能力を身に付ければいいのか」と思われるかもしれない。だが、キャリア形成の場所はある。向上心ある組み込みソフトウェア技術者にとって、頼りになる大きな選択肢の1つが、組み込みソフトウェア専業ベンダだ。
ものづくりエンジニアは「やはりメーカーに行きたい」と思う人が多いかもしれない。しかし、組み込みソフトウェア開発を真の意味で支えているのは、メーカー系企業以上に高いスキルとノウハウを持つソフトウェア専業ベンダなのである。なぜ、腕を磨くならソフトウェア専業ベンダなのか。今この時期、果敢に求人活動を展開している2つの企業に、具体的な理由を聞いてみよう。
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現状に不満を抱いているエンジニアに扉を叩いてほしい――アクモス
アクモス テクニカルリソース事業部 シニアマネージャー 清水信博氏は、国内大手メーカーで出身で組み込みソフトウェア開発の先行開発に従事していた経験を持つ。
シニアマネージャー 清水信博氏
「メーカー系企業といっても、製品をゼロベースで企画・設計して市場に送り出す、本当の意味での“ものづくり”ができる人は少ない」と清水氏は語る。そうした部署に配属されなければ、先の先まで決まったロードマップを、滞りなく消化することに汲々とすることになるという。
それに比べ、ソフトウェア専業ベンダは「開発すること」が本業だ。思う存分、“生み出す”行為に浸れる。また、思ったことが発言できそれが通りやすい、と清水氏は付け加える。
アクモスは、それを奨励する企業だ。ものづくりにおいて、日本と欧米の手法は大きく異なっている。日本の主流はニーズ開発。メーカーが主体となってマーケットの調査・分析を行い、商品企画が完成する。ソフトウェア専業ベンダが参加するのは、主としてそれを商用開発する段階だ。それに比べてアメリカでは、ベンチャーのソフトウェア専業ベンダが、ある技術要素をもとに、マクロ的にマーケットを見渡して商品企画を行い、それをメーカーに売り込む。シーズ開発なのだ。
同社は戦略として、ニーズ開発とシーズ開発の両方を、バランスを取りつつ進めていくという。また、望むメンバー同士で自由にチームを組んでもらい、それぞれのチームが競い合いながら、顧客、そのまた先の顧客が本当に望むものを作り上げていく風土もある。
同社が求めるスキル分野は、音声、画像、音響、通信、LSI、制御など多岐に渡る。もともと受託開発分野で強みを発揮してきたが、組み込みソフトウェア分野への本格進出に向け、主力のネットワーク、サーバエンジニアを中心に百人規模の採用を決断した。現在は特に中核となるコアメンバーを募集している。
アクモスのテクニカルリソース事業は、まさにこれから始まるところだ。「新規事業に携わってみたいエンジニア、“今までのやり方は何かおかしい”“エンジニアはこうあるべきだ”と、これまでの実態に不満を感じているエンジニアは、とにかくその思いをアクモスで実現してほしい」と、清水氏は力を込める。
家電量販店で手に取れる先進製品の開発が主体――コンピュートロニクス
「混じり気なく本当に実力だけで勝負したいと思うなら、メーカー系企業ではなくソフトウェア専業ベンダではないか」と、コンピュートロニクス 取締役 事業本部長 北田孝志氏は語る。
北田孝志氏
同社は通信制御分野から出発して、今ではデジタル家電、携帯電話、オートモーティブの領域まで業容を拡大。製品系組み込みソフトウェア開発の世界では欠かすことのできない存在になっているという。
開発実績は枚挙にいとまがない。国内大手メーカー向けデジタルTV用システムLSIやPC用システムLSI、次世代ハードディスクとして注目されているSSD(Solid State Disk)向けファームウェアを始め、携帯電話やカーナビゲーション、カーオーディオなど、ブランド名を聞けば誰もが必ず知っている製品の組み込みソフトウェア開発を幅広く担っている。
近年、この分野は細分化が進み、自分の作っているプログラムが何のどこに使われるのか分からない、というケースが多い。その点、同社のエンジニアは、開発に携わった最先端の製品を、家電量販店で手に取ることができる。これはエンジニアにとって、大きな達成感を得られるのではないだろうか。
同社の開発基本方針は、チームでのプロジェクト参画と問題解決型ソリューションの提供だ。リーダー格のエンジニアと数人のメンバーがチームを組んで、顧客企業との密接な連携のもと、受注したソフトウェアを開発させる。そのソフトウェアが搭載される製品の市場投入にも強い責任感を持つ。
とかくこの世界では、何か障害が生じると“どこのせいか、誰が直すのか”という議論になりがちだ。しかし、コンピュートロニクスは、“1つの製品の開発なのだから、チーム全員で解決すればいい”という考えのもと、柔軟な姿勢で臨んでいる。それが“頼りになるコンピュートロニクス”という、業界での高い評価の源泉になっているという。
マネジメントへのキャリアパスも用意している。今年で入社4年目という北田氏の肩書きが、まさにその事実を物語っている。
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提供:アクモス株式会社
コンピュートロニクス株式会社
企画:アイティメディア営業本部
制作:@IT自分戦略研究所編集部
掲載内容有効期限:2008年11月7日
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