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アクセンチュア エンジニア・キャリアファイル

大規模システムを一括オフショア、
桁違いのプロジェクトをマネジメントする楽しみ

SI企業で毎日同じような仕事ばかり……成長の場として限界を感じたため、アクセンチュアに転職。現在は、サーバ数千台規模の大規模システムをすべてアウトソーシングするという、一大プロジェクトのマネージャを務めている。アウトソーシング・プロジェクトは、日本だけのプロジェクトでは得られない経験や人とのつながりが得られることが魅力だという。

  大規模×グローバル×アウトソーシングのプロジェクト

アクセンチュア 楊俊氏
楊俊氏
アクセンチュア
ITアウトソーシング
マネジャー

 今、私が関わっているのは、非常に大規模なアウトソーシング・プロジェクトです。サーバが何千台もあるような大規模システムの開発、保守運用を数年かけて、すべて海外に持っていくというものです。関わる人数や国の数、ともに他のプロジェクトではめったに見られません。

 もともと日本でのエンジニア経験は長く、アクセンチュアに転職する前は、日本のシステム・インテグレータ(SI)企業に7年ほど勤めていました。ただ、何年か経つと似た仕事が続くようになり、成長の場として限界を感じ始めていました。そんな折、アクセンチュアでアウトソーシング・プロジェクト枠で採用があり、自分に向いているかもしれないと思って応募しました。以来、マネージャとしてこの案件に関わっています。

 大規模なオフショア・プロジェクトにおけるマネージャの役割と仕事、その大変さや面白さについて紹介します。

  大規模システムの運用の知識をすべて吸収し、移転する

 アウトソーシングにはさまざまなやり方がありますが、今関わっている案件は、さまざまな企業に依頼していたシステムの開発・保守運用をアクセンチュアがまとめて一手に引き受けるタイプです。

世界中に広がるアクセンチュアのデリバリー・ネットワーク世界中に広がるアクセンチュアのデリバリー・ネットワーク

 そのため、各システムについてそれぞれ膨大な引き継ぎ業務が発生します。まず、日本にいるアクセンチュアのメンバーが、それぞれのシステム運用を引き継ぎます。その知識を海外拠点に、1つずつ移転していきます。このことを私たちは“Knowledge Transfer”――知識の移転と呼んでいます。

 知識の移転は、4つのフェイズに分けて考えています。

  • フェイズ1:システムの運用業務についてアクセンチュアの日本メンバーがリストアップして、その項目をオフショア先に説明する

  • フェイズ2:オフショアのメンバーが、アクセンチュアの日本メンバーの指導の下、実際にシステムを運用する

  • フェイズ3:オフショアのメンバーに運用業務の主幹を渡し、アクセンチュアの日本メンバーはバックエンドでチェックをする役に回る

  • フェイズ4:お客さまに運用業務の内容が問題ないかどうか、判断していただく

 フェイズ1では、お客さまにシステムの運用業務について、持っている知識をすべて提供してもらう必要があります。

 ここでいかに漏れ抜けをなくすかが、最も重要かつ大変な部分です。今まで十何年間も同じ業務を続けてきていると、ノウハウは往々にして「暗黙知」化してしまいます。これらの知識をさまざまな関係者からヒアリングし、最終的にお客さまの情報システム部に「これで全部でしょうか?」と最終確認を取るまでが一段階です。

 この作業を、いくつもあるシステムですべてにおいて、漏れ抜けなく行う必要があるのです。いかに大規模なプロジェクトであるか、その一端がお分かりになるかと思います。

  テストは徹底的に行い、オフショアへ

 基幹業務に関わるシステム運用をすべて海外に持っていくということは、どの企業にとっても大変なことです。当然のことながら、お客さまはとても慎重な姿勢を示します。ですから、私たちもお客さまに「アクセンチュアになら安心してシステムを任せられる」と信頼してもらえるよう、中途半端な部分を残さず、何度でも議論を重ねます

 話し合いだけでなく、お客さまには運用テストにも関わってもらいます。テストに合格した運用スタイルでなければ、オフショアには回しません。通常の障害テストや遅延時間の計測といったメジャーなものから、めったに発生しない障害ケースまで、テストに掛ける工数はかなりのものです。

 それでもなお、長期的な目線で見れば、アウトソーシングによってコスト削減が実現できます。念には念を入れることは、お客さまの信頼を得るためには不可欠なのです

  コミュニケーションのズレを減らすため、
文書・手順を標準化

 もう1つ、海外拠点と連携するアウトソーシングには大きな課題があります。それは「コミュニケーション齟齬(そご)をいかになくすか」という点です。この点について工夫した点は山のようにあります。

 海外拠点と日本でのやりとりは通常、日本語で行います。しかし、海外拠点のメンバーは日本語のネイティブではないので、文章がおかしかったり、文章校正が分かりにくかったりします。そこで、こちら側でメールのテンプレートを用意します。また、リーダークラスの海外メンバーが書いたメール内容をレビューしてフィードバックし、彼らが上達したらメンバーに同じことをしてもらいます。

 また、電話会議における工夫もあります。海外拠点と日本の間で、画面共有をしながら電話会議を行うことはしょっちゅうです。画面共有は常にタイムラグとの戦いです。会議をスムーズに進めるため、「資料はパソコンのディスプレイの中に収め、スクロールを生じさせない」といった細かいルール設定も行いました。

 「なんて細かいんだ」という意見があるかもしれませんが、ほんの少しのズレが、めぐりめぐって大きなズレにまで発展してコミュニケーションに影響してしまうことはままあります。コミュニケーションのズレを完全になくすことは不可能です。しかし、こうした細かい工夫によってミスや漏れはぐっと少なくなります。

 実際のところ、プロジェクト立ち上げ当時はさまざまな問題が起こりましたが、最近ではかなり少なくなりました。

  海外拠点にそのまま定着した日本人スタッフも

 大規模システムの運用を海外に引き継ぐということは、すなわち「運用チームを新たに作る」ということです。そのため、このプロジェクトでは「チーム・ビルディング」の視点が欠かせません。

 チームリーダーを面接することには、かなり気を使いました。リーダー層が日本のシステム運用に必要な知識やセンスをきちんと持っていれば、リーダーにメンバーを教育してもらえます。オフショアの成否に、人選びは重要です。特に重要なメンバーは、数カ月間日本に招き、日本メンバーからの引き継ぎを受け、お客さまと一緒に仕事をしてもらいました。

 プロジェクトの初期は主に日本で仕事をしていましたが、プロジェクトが進行するにつれて、現場が海外へと移っていきました。私は中国出身なので、中国で働く機会があることはうれしいです。また、日本人スタッフも海外拠点での仕事を楽しんでいるようで、そのまま海外拠点に居ついてしまった人もいました

 海外で仕事をする機会を求めている人にとって、アウトソーシング・プロジェクトは非常に面白い仕事だと思います。日本だけのプロジェクトでは得られない経験や人とのつながりが、どれほどあるか分からないぐらいです。

 ※アクセンチュア「次世代アウトソーシングのご紹介 〜ITO/BPO/アウトソーシング戦略コンサルティング〜」について
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 ※「アクセンチュアのインフラストラクチャ・アウトソーシング」について


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提供:アクセンチュア株式会社
企画:アイティメディア営業企画
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2012年8月9日

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