大手SIベンダでは絶対に経験できない、社員が強いモチベーションを抱ける会社
オフショア開発の波、Javaエンジニアの将来は?
アイティ・フォレストはこれまで、堅実さと自由奔放さのバランスをうまく取りながら、独自の経営手法で成長してきた実力派の中堅SIベンダである。大手SIベンダで開発エンジニアとしてのキャリアを積み、中国遠隔開発を主体とする中国ベンチャー企業でプロジェクトマネージャとしての経験を重ねた現・代表取締役社長兼CEOの恒吉順二氏が、そこで出会った林忠氏(工学博士 現・常務取締役兼CTO)らと共同で1997年に設立した。
その翌年には、志を同じくする中国人技術者とチームを組み、中国南京市に開発センターとして子会社を設立。その後、アイティ・フォレスト本社と中国子会社との連携により、Javaあるいは.NETといった開発プラットフォームに依存しない、あらゆるタイプのWebアプリケーション開発ベンダとして、独自の地位を築きつつある。
恒吉氏自身の経験を基に、「大手SIベンダでは絶対に経験できない、社員が強いモチベーションを抱ける会社を目指してきた」というアイティ・フォレスト。話を伺ってみると、なるほど、なかなかユニークな会社のようだ。
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アイティ・フォレストには現在、日本に60名のエンジニアが所属しているが、それ以外にも、中国子会社“中国南京潤和信息系統有限公司”において150名ものエンジニアが開発に携わっている。同社のプロジェクトの多くは、そうした中国人エンジニアとの日中混合チームによって進められている。
近年、賃金の安い海外のIT技術者を活用する“オフショア開発”という言葉が定着しているが、恒吉氏は「われわれの開発手法は一般的なオフショア開発とは概念が異なります」と強く主張する。
大手SIベンダでエンジニアとしてのキャリアを積み、中国遠隔開発を主体とする中国ベンチャー企業を経て起業した 代表取締役社長兼CEO 恒吉順二氏 「中国人と日本人の長所を生かしたコラボレーションが新しい価値を生む」と熱く語る |
「オフショア開発というと、コストダウンのみを意識した単に海外下請けにプロジェクトを丸投げしている場合が多いでしょう。しかし、弊社の場合は会社を設立した8年前、つまりオフショア開発という言葉が生まれる前から、中国人エンジニアとの“協業”を実践してきました。アイティ・フォレストにとって、中国子会社は下請けではなく、重要な開発拠点でありチームの一員なのです。プロジェクトの丸投げではなく、中国人エンジニアの長所を生かしながら、日本人エンジニアと相互にスキルを高め合う関係であり、例えばブリッジSEを目指すエンジニアにとって、絶好の活躍の場だといえるのではないでしょうか」(恒吉氏)。
自己アピールが強く意見をハッキリ言い、自由な発想を持つが、システム構築を行う上でのきめ細やかさがやや不足する傾向があるという中国人エンジニアと、細かな部分にまで配慮が行き届き、ち密な開発を行う能力はあるが内気な傾向が強い日本人エンジニア。両者の異なる長所が互いに良い方向に影響し合い、最大限の力を発揮できるという。
「日本人と中国人、感性も文化も違うけれども同じベクトルを向き同じ目標を目指すエンジニアが集まってチームを作り、システムを構築する。それが、“F-Style”と呼ぶアイティ・フォレストならではの開発スタイルです。中国人エンジニアはお客さまにも、チームの仲間にも自分の考えをハッキリと言います。そうした意見を受け入れながら、日本人エンジニアも自分の意見を出し、より良い結果を導き出す。そうした自由闊達なコミュニケーションが、本当の意味でのチームを生み出します。その考え方はアイティ・フォレストの企業文化として根付いているのです」(恒吉氏)。
こうした“自由”は、開発面にも生かされている。通常、大手SIベンダなどではJavaか.NET、あるいは特定のデータベース・ミドルウェアに依存したシステムの受注が行われることが多い。しかしアイティ・フォレストでは、「まずお客さまにとってどのようなテクノロジーが有益なのか?」を考える。
そのように考えて、もし新しい技術や開発環境がお客さまに最も適しているのであれば、新しい技術へ挑戦する機会を検討するというのだ。所属企業が決めた枠の中でしか、アイデアを出しあえない大手SIベンダと比較した時の自由度ははるかに大きい。
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アイティ・フォレストの考え方として社長を中心に伺ってきたが、現場のエンジニアはそれに対してどのように考えているのか? 実際にアイティ・フォレストでエンジニアとして働いている技術開発事業本部Webソリューション事業部・課長/グループ長の中嶋大氏に話を聞いてみよう。中嶋氏は、あるプロジェクトでアイティ・フォレストに出向。中国人エンジニアとの協業によるシステム開発の手法に魅力を感じ、3年前に同社に入社した転職組だ。
「大学卒業後、中国に語学留学した経験があり、中国との協業に大きな魅力を感じました。その上、一緒に仕事をしてみると、誰もが人間的な魅力を持っており、本当に働きやすい。Webアプリケーション開発で大きな成長を続けている実績も大きな魅力でした」と中嶋氏は振り返る。「しかもオラクルマスターなど、技術者に求められる資格試験への支援体制もあります。初回の受験費用を負担してもらえますし、合格すれば報奨金をもらえます。私自身、この制度でオラクルマスターを取得することができました」(中嶋氏)。
出向先だったアイティ・フォレストの社風や社長の人柄に惚れこみそのまま社員となった技術開発事業本部Webソリューション事業部・課長/グループ長の中嶋大氏 「1つの仕事を頑張ると、その次には予想以上に大きな仕事を任せてもらえるのが魅力だ」と語る |
実際に入社してからも、自分の判断が間違っていなかったことを実感しているという。恒吉氏は「大手SIベンダで歯車になっていてはなかなか経験できない仕事も、われわれの会社ならばどんどん若いエンジニアに経験させ、成長を促している」と話したが、まさにそうした経営方針が、若手エンジニアの力を引き出しているようだ。
「1つ頑張って仕事をこなすと、社長は“えっ、僕にこんな仕事を任せてくれるの?”と思うような、さらに大きなプロジェクトを与えてくれます。能力を超えた仕事を押し付けるのではなく、より多くの責任を与え、影で支えてくれるのです。プロジェクトが成功したときの心地よさは、これまで味わったことのないものでした。無論、失敗もありますが、きちんとフォローし、仕事の成果を見ながら成長の跡をきちんと見てくれます。結果だけでなく、自分がたどった仕事の足跡をきちんと評価してくれますから、失敗を恐れずに取り組めるのです」(中嶋氏)。
その結果、入社当初は部分的なシステムの設計を担当する程度だった中嶋氏が、いくつかのプロジェクトでサブリーダーを任されるようになり、3年経過したいまではSEチームのプロジェクトリーダーとして、中規模クラスのシステム開発チームを率いるまでに至っている。中嶋氏は現在31歳、大手SIベンダではこの年齢で中規模クラスのプロジェクトリーダーを任せられることはまずないだろう。
「以前の会社では与えられたノルマをひたすらこなすだけで、人間同士のコミュニケーションが乏しかった。しかし、いまは上司からも部下からもハッキリとした期待が感じられ、会社も次々にステップアップする材料を与えてくれる。だからこそ踏ん張って能力を最大限に出せるのかもしれません。実際に社長と飲みに行くと、一緒になって考えてくれます。社長のそんな人柄も、大きな魅力の1つです」(中嶋氏)。
会社トップの考え方は、企業全体にも浸透するものだ。中嶋氏は職場の雰囲気を「アイティ・フォレストは、上下方向、縦に人がつながっているのではなく、同じ方向に向かって横につながりながら一緒に前進している」と印象を語っている。会社、従業員共に前へと進もうという企業姿勢が中嶋氏のモチベーションを一層高めている。
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恒吉氏は「チームとのコミュニケーションを積極的に行い、他人の意見を受け入れながら、自分の中で咀嚼(そしゃく)できる。そんな人物を求めています。自由さも必要です。確固たる考えを持っているのであれば、問題点と解決策を同時に提案すべきだし、上司や社長に対してでも意見をハッキリ言って欲しい。それがわれわれのスタイル、企業文化です」と話す。
「中国人エンジニアは自分の意見を積極的に言いますが、逆にわれわれの話すことも真剣に受け止めて考えます。それは互いの信頼関係が構築できていればこそです。意見やアイデアに“正しい/間違い”が必ずしもあるわけではないのです。異なる発想に対しても歩み寄り、理解し、チームとしてまとめ上げるだけのコミュニケーション能力があれば、その先の成長も速いと思います。当然、エンジニアとしての能力は後からついてくると考えます」(恒吉氏)。
「大企業では難しい“自分の実力よりも1歩先の仕事”がしたいエンジニアにはやりがいのある仕事場だろう」と語る恒吉氏 |
特にJavaに関しては、自らの開発負担を軽減するため、4年前にJakarta Strutsを基幹フレームワークとするWebアプリケーション開発ツール「WebPump(特願2001-175202)」を構築。アイティ・フォレストが行っている多数の開発プロジェクトで活用されているほか、製品として250以上のクライアントライセンスが販売されている。このようなことができたのは、技術力の高さと日本と中国、双方の意見を集約したユニークで汎用性の高いツールになったからだ。また、この春にはIDEとして標準であるEclipseのプラグインとして、「WebPump v2.0」のリリースが予定されており、すでにベータ版によるデモンストレーションなどで高い評価を受けているとのことだ。
WebPump基礎アーキテクチャ |
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WebPumpは、MVCアーキテクチャを採用しています。コントローラ、モデル、ビューの各クラスを完全分離することにより、分散開発やテスト効率の向上を実現します | |
■コントローラ(Controller) | モデルとビューを制御する部分です。ビューで発生した指示に従って、業務ロジックや検索するデータベースの選択をモデルに指示します |
■モデル(Model) | 業務ロジックやデータ処理、ユーザーのデータベースを担当する、いわゆるシステムの本体部分です |
■ビュー(View) | エンドユーザーのブラウザ機能やデータの入出力などの制御を担当します |
その時々やプロジェクト次第で最適な技術を選択し、解決策を模索するためには努力を惜しまない、という強い姿勢が窺(うかが)える。同社の得意分野はWebアプリケーションの開発である。しかし、特定技術の経験を強く求めることは特にないという。なぜなら、既存の基礎技術を尊重しつつ、新しい技術やプロジェクトに挑戦する向上心の方がはるかに重要、かつお客さまにとっての利益になり、さらには技術者自身のモチベーションやスキルの向上をもたらすからだという。
「大手SIベンダに所属する日本のエンジニアは、特定のお客さまを与えられ、開発に使うツールやフレームワークも会社に決められており、英語のマニュアルも読めず、それでも仕事ができる温室環境で育てられている。そこから抜け出て“お客さま、同僚、上司などが作る壁を飛び超えて自分の意見を言いたい”。そう考えるのであれば、チーム内のコミュニケーションで互いのスキルや人間性を高め合えるアイティ・フォレストは、とても働きやすい職場でしょう」(恒吉氏)。
募集要項 |
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応募方法 |
応募方法に関しては、こちらをご覧ください。なお、お問合せ先は、下記の通りでございます。 ※面接日、入社日はご相談に応じます。応募の秘密は厳守致します。 アイティ・フォレストのホームページはこちらです。 電話番号:03-5575-3671 |
アイティ・フォレスト
企画:アイティメディア 営業局
制作:@IT 編集局
掲載内容有効期限:2005年4月18日
募集要項 | ||||||
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会社概要 | |
商号 |
株式会社アイティ・フォレスト (英文標記:IT・Forest Corporation) |
設立 |
1997年9月 |
代表者 |
恒吉 順二 |
資本金 |
60,000,000円 |
技術者数 |
60名(契約などを含む) (2005年3月現在) |
事業所 |
東京都港区東麻布2-22-5 ベルス麻布ビル TEL:03-5575-3671(代表) FAX:03-5575-3675 |
事業内容 |
1997年の設立時より、一貫してWebアプリケーション開発に取り組んでおります。また、海外ソリューションベンダとの提携や、Webアプリケーション開発支援ツールの製品化などにより、エンドユーザーとの直接的なビジネスも拡大しています。創業時より中国開発子会社との連携を図っており、直近5年間では延べ工数2400人月のアプリケーション開発を行ってきました。 |
得意技術分野 |
アイティ・フォレストは、1997年設立時にJavaを中心としたWebアプリケーションテクノロジへの投資を決断しました。これまで、多数のWebサーバアプリケーション構築を通じて、最先端技術とWeb製品の実装に関するノウハウを培ってきています。 わたしたちは、特定のWebアプリケーションサーバを前提とした開発ありきではなく、Webサイトに求められる機能を大前提として、プラットフォームや開発支援ツールのご提案を行っております。また、Webサーバアプリケーション開発のキーワードである、スケーラビリティ(ロードバランシング)とオンライントランザクション処理(DBサーバの二重化)に対しても、豊富な実績を持っています。 本格的なWebサーバサイトの構築をご支援するために、JavaやVC++を中心としたオブジェクト指向技術には優秀な人材を配し、データ中心の開発思想でDBサーバ構築を含めたトータルソリューションのご提案を行っています。また、お客さまのご依頼による維持管理などの運用サポートも弊社および弊社パートナー会社と協力して受託しております。 |
子会社 |
中国南京潤和信息系統有限公司 (150名) |
待遇 | |
勤務地 |
東京都港区(本社):最寄駅 麻布十番及び、首都圏お客さま先 |
雇用形態 |
正社員/契約社員 (正社員という形態にとらわれずに、開発プロジェクトに意欲的に取り組んで見たい方も、ぜひご応募ください) |
給与 |
年俸制+α(α:四半期単位インセンティブ、半期賞与、決算賞与など) ※経験などを考慮の上、当社規定により優遇 |
年収例 |
年俸制 31歳(経験5年) :550万円上 35歳(経験10年):700万円上 ※上記年俸以外に四半期インセンティブ、夏季・冬季・決算単位の臨時賞与の形で功労者には別途支給もあります。 |
諸手当 |
通勤費実費支給、出張手当 |
勤務時間 |
8時間フレックスタイム制(コアタイム:10:00〜16:00) 休日・休暇: 完全週休2日制、祝日、年末年始、年次有給休暇(初年度12日)、傷病休暇、結婚休暇、配偶者の出産休暇、忌引休暇など |
福利厚生 |
各種社会保険完備、交通費支給、ビアバスト毎月開催 |
問合せ先・応募先: |
応募方法に関しては、こちらをご覧ください。なお、お問合せ先は、下記の通りでございます。 ※面接日、入社日はご相談に応じます。応募の秘密は厳守致します。 電話番号:03-5575-3671 担当者:業務管理部 村田潤二 e-mail:career-itf@it-forest.co.jp アイティ・フォレストのホームページはこちらです。 |