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コンサルティング会社として知られるアクセンチュアが、アウトソーシング事業の強化に向けてアウトソーシングコンサルタントを募集している。下流工程と見られがちなアウトソーシングだが、その重要性は年々見直されてきている。注目のアウトソーシングコンサルタントの実像とは?

  企業の経営戦略において重要性を増すアウトソーシング

 企業の経営戦略と決して切り離せない、ITソリューションの導入。成功に導くためには、システムの企画や開発はもちろんのこと、運用、保守に至るすべてが重要となる。特に近年、重要性を見直されているのが、運用保守を外部に委託する「アウトソーシング」だ。

 アウトソーシングは、インドやマレーシア、中国などの地域にIT業務を委託する「オフショアリング」などと混同されがちで、主にコスト面について議論されることが多い。だがコスト削減や業務効率化といった目的だけでなく、企業の戦略を具現化し、より良いサービスを提供するための手段としてアウトソーシングの活用が注目されている。

図1 戦略アウトソーシングモデル
(参考:アウトソーシング協議会http://www.socj.net/aisatsu.html

 上の図は慶應義塾大学総合政策学部の花田光世教授による「戦略アウトソーシングモデル」だ。業務の設計・企画を担当するが運営はクライアント企業が行うコンサルティングに対し、アウトソーシングは設計・企画から運営まで担当。クライアント企業の経営戦略やニーズを理解しながら、企業のITガバナンスに深くかかわっていくビジネスである。

  運用の観点から改善を続けるアクセンチュア

 コンサルティング会社大手として知られるアクセンチュアは、戦略アウトソーシング事業に力を入れている企業の1つだ。同社のワークフォースは、プロジェクトベースでさまざまなシステム提案を行うコンサルティング部門、システム開発を担当するアクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ、そしてクライアント企業と中長期的な関係を構築し、運用保守を担当しながら業務を改善していくアウトソーシング部門の3つ。これらによって、企業のITソリューション導入の上流から下流までを幅広くサポートすることが可能だ。

 戦略アウトソーシングの重要性が増している現状について、同社 人材採用部 マネジャーの瀧澤明良氏は次のように語る。

 「企業のIT導入が、“作る時代”から“使う時代”に変わってきました。コンサルティングを導入してシステムを構築すれば終わりではなく、そこからシステムを活用して初めて価値を生み出すことができます。システムを運用しながら日々改善していき、パフォーマンスを上げていくことが重要なのです」

 アクセンチュアのアウトソーシングは、クライアントごとに「ユニット」を構成し、そのトップである「ユニットリーダー」を中心にサービスを提供する。大企業をクライアントとした大規模案件が中心で、数十人程度のユニットを組んでシステムの保守、運用管理に携わる。地方公共団体として初めて大規模情報関連業務戦略型アウトソーシング事業に踏み切った岐阜県のパートナーとして、IT関連産業の活性化やデジタルガバメントの実現といった事業における施策案を提供するなど、多くの実績を上げている。具体的な仕事内容は、次の表のとおりだ。

表1 アウトソーシングサービスの領域と、求めるスキル/経験(参考情報)
アウトソーシングサービスの領域 求めるスキル/経験
マネジメント業務 クライアント/サーバ型もしくはWeb環境でのビジネスアプリケーション、あるいは技術基盤設計/開発/運用経験がある方。またはIT領域における顧客へのサービスマネジメントの経験がある方
アプリケーション領域 クライアント/サーバ型もしくはWeb環境での特定分野(財務・会計・SCM等)のビジネスアプリケーションの設計/開発/運用経験がある方(大規模システム経験あれば尚可)
インフラ領域 クライアント/サーバ型もしくはWeb環境での技術基盤設計/構築/運用経験がある方
その他 コンサルティングファームやSI企業でのプロジェクトマネジメント経験と、英語力のある方。ファイナンスや契約の経験があれば尚可

 担当する業務はユニットによってさまざまだ。システム保守や運用管理がメインだが、日々の業務の中から運用面の業務改善提案を行ったり、次期システムの企画検討、仕様変更、そのほかオフショアを活用したシステム開発に至るまで、コンサルティング的な一面を持つこともある。

 「アクセンチュアが提供するのは、運用の観点から常に改善を行っていく『成長し続けるアウトソーシング』です。ただしコンサルティングのように短期的スパンで改革提案をするものではありません。最初に地道な運用管理サービスを提供しながらクライアントとの信頼関係を築き上げ、そこから長期的な改善を行ってパフォーマンスを上げていく点が大きな違いです」(瀧澤氏)

 アウトソーシングコンサルタントのキャリアパスは、大きく「ユニットリード」と「アウトソーシングプランナー」の2つに分かれる。ユニットリードは、クライアントの業務を担当するユニットの中で経験を積み、ユニットリーダーになるというもの。ユニットリーダーはクライアントのシステム保守や運用管理だけでなく、人事管理、財務、営業なども担当するため、企業経営者のような視点とマネジメントスキルが必要になる。

 一方のアウトソーシングプランナーは、アウトソーシングビジネスを新たに創出する仕事だ。デューデリジェンスを実施し、業務を引き受けた場合のリスク、必要な人員数、コスト、業務移管に必要な期間などを試算し、企画・導入からトランジッションまで担当する。軌道に乗った後は次の案件に取りかかる。プロジェクトベースで進める点も含めて、仕事内容はコンサルティングに近い。

 募集する人材のスキルは幅広い。「運用を中心に改善していくのがアウトソーシングの業務ですが、募集対象は運用経験者に限りません。システムの拡張や新規開発を行う場合もあるため、システム開発を経験していないと分からない部分もあります。コンサルティングスキルや開発スキル、マネジメントスキルなど、ユニットによって必要なスキルはさまざまです。第2新卒から30代まで幅広く募集していますので、興味がある方はぜひセミナーに参加してもらいたいと思います」(瀧澤氏)

  クライアントと長期間で信頼関係を築き上げられる点が魅力

 前職は大手銀行のシステム開発部門で運用を担当していた伊倉真易子氏。アクセンチュアに転職した動機は、「自分で判断し、仕事を進めることができる」というイメージを持ったからだという。

 「アクセンチュアに在籍する友人がいて、いろいろと話を聞いていました。自分が思ったことを、思ったとおりに進められる、いい意味で『自分の意見を通せる』会社だと思ったのです。そこに大きな魅力を感じました」(伊倉氏)

アクセンチュア 伊倉真易子氏

 現在は、ある官公庁のシステム運用管理を担当し、クライアントである官公庁の管理センターに常駐している。大手ITベンダ6社がかかわる大規模なシステムで、クライアントとベンダの間で調整を行う立場だ。

 「ユニットチームの中では運用チームに所属し、システムの運用全般を担当しています。システムの障害が発生した場合などには事象の整理や原因の切り分け、ベンダ間の調整などを行っています」(伊倉氏)

 複数企業間での意思の統一や管理ルールの徹底、発生した問題の解決を図るための議論を行うため、各社の担当者を集めた会議を隔週で実施している。そこでは議事の進行や問題解決に向けた資料の作成などを担当し、クライアントへの提案や資料の提出なども行っているという。

 アウトソーシング部門の魅力について、伊倉氏は「アウトソーシング部門は、長いスパンでお客さまと信頼関係を築き上げていくことができます。その中でお客さまの要望を聞き出したり、それを基にこちらから新たな提案をしたりして、より良い関係を築いていけると考えています」と語る。

 実際、各拠点でバラバラに運用していた障害管理体制の改善案を、ベンダ側の意見などを取り入れたうえでクライアントに提案したこともある。「運用面の悪い部分をヒアリングして情報を整理し、問題点を見直して運用マニュアルを作成しました」(伊倉氏)

  企業の経営者にも相当するユニットリーダーを目指して

 運用保守を担当するアウトソーシング部門には、一般的に「ルーチンワーク」「地味な仕事」というイメージがある。「もちろんルーチンワークはベースにあります。でもシステムを運用し、問題点の発見や運用ルールの見直しをする中で、新たな改善策の提案などの案件を常に抱えています。いつも同じことをしているわけではありません。入社面接の時、『放っておこうと思えばできるけど、1年後に痛い目を見る仕事です』という説明を受けたんです。その時はどういう意味か分からなかったのですが、いまはまさにこの仕事を表している言葉だという気がします。ルーチンワークだけになるかどうかは自分次第だと思います」(伊倉氏)

 アウトソーシング部門は、その業務の性格上、クライアント先に常駐することも多い。自社で構築したシステムを担当する場合もあれば、他社が構築したシステムの運用保守を担当することもある。複数社のベンダがかかわる大規模システムの場合、各社との調整も業務の1つだ。

 「大変な時もあります。ある1社が原因で障害が起こったとしても、他社がリカバリしなければならないこともありますし、謝りに行かなければならないこともあります。でも若輩ながらベンダ各社との調整の中心になり、共同歩調を取りながら仕事を進められるというのは何よりの経験ですし、そこに楽しさを感じています。何かあった時には会社が守ってくれますが、後は自分に任されているという点にもやりがいを感じますね」(伊倉氏)

 クライアント先で1つのシステムの運用管理に携わる一体感を持てる一方で、常駐によってアクセンチュアの一員としての意識が希薄になりそうにも思える。だが「そこには気を付けて取り組んでいると思います」と伊倉氏。

 「アウトソーシング部門の担当者は現場に常駐しますし、中途採用が多いため同期入社はほとんどいません。そこで3カ月に1回、アウトソーシング部門の社員を集めた会合が開かれます。お互いの情報交換や、会社がどういう方向に進んでいるかなどについて、お酒を飲みながら話したりしています。そういった場所で、社員の間の交流を促すしくみは整っています」

 今後のキャリアプランについて伊倉氏はこう話す。「現在はチームリーダーになって担当領域が広がり、部下の管理という仕事も増えました。いろいろなタイプの人をマネジメントしなければならないので大変ですが、今後の役に立つことを期待して取り組んでいるところです。キャリアパスにはユニットリーダーに向けて進む道と、比較的コンサルティング業務に近いアウトソーシングプランナーに向けて進む道の2つがあります。ユニットリーダーの仕事は運用保守だけでなく営業や経理も担当し、1つの企業を経営するようなものなので、やりがいがありそうですね。将来的にはそういうスキルを身に付けていきたいと思っています」

採用セミナー情報
アクセンチュアでは、経験者の方を対象に、定期的に採用セミナーを開催しております。「アウトソーシング コンサルタントについて、もっと詳しく知りたい!」という方は、下記セミナーページよりお申し込み下さい。またご希望者には、簡単なインタビューをさせていただきますので、履歴書をお持ち下さい。


※本説明会は、ご希望者多数の場合、抽選となることもございます。ご了承下さい。



注目企業インタビューIndex


アクセンチュア株式会社
企画:アイティメディア営業本部
制作:@IT編集部

掲載内容有効期限:2007年3月11日

会社概要
■会社名
アクセンチュア株式会社(Accenture Japan Ltd)

■本社所在地
〒107-8672 東京都港区赤坂1-11-44
赤坂インターシティ

■代表取締役社長
程 近智

■設立
1995年12月

■従業員数
2700名以上

■事業内容
経営コンサルティング、テクノロジー・サービス、アウトソーシング・サービス

■売上高
(アクセンチュア グローバル・グループとして)

166億5,000万米ドル(2006年8月期)


アクセンチュアでは、経験者の方を対象に、定期的に採用セミナーを開催しております。詳細は下記をクリックして下さい。またご希望者には、簡単なインタビューをさせていただきますので、履歴書をお持ち下さい。


※本説明会は、ご希望者多数の場合、抽選となることもございます。ご了承下さい。

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