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ITコンサルタントvs.ITアーキテクト、あなたはどっち?

ITエンジニアの将来の目標として人気の高い職種、ITコンサルタント/ITアーキテクト。両者は違うようでいて、実は関係が深い。それぞれの役割、必要とされるスキルは何か。どうすればたどりつくことができるのか。

ITエンジニアが目標とするITコンサルタントとITアーキテクト

 ITエンジニアのキャリアパスは多様化している。いまや出発点は必ずしもプログラマやシステムエンジニアとは限らない。その先はプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャになるケースが多いが、これも一概にはいえない。将来的にはITコンサルタントに進む人もいるだろう。近年ではITアーキテクトという職種も耳にする。

 @IT自分戦略研究所とJOB@ITが2007年5月に実施した読者調査からは、読者の現職と目標が浮かび上がってくる。まず現職を見ると、「システム開発(オープン/Web系)」が25.7%で最も多い。次いで「社内情報システム」が13.1%、「システム保守/運用/管理」が10.1%となる。

 一方、今後の希望職として「ITアーキテクト」(14.3%)、「ITコンサルタント」(14.2%)が上位に並んでいる。この2つはITエンジニアが今後の目標とする代表的な職種だといえる。しかし現在これらの職種に就いている人は少ない。現職と答えた人はITコンサルタントで4.2%、ITアーキテクトで2.2%だ。それゆえ「目標の職種ではあるけれど、身近にそういう存在がおらず、実情はよく分かっていない」という感覚が多少なりともあるのではないだろうか。

図 ITエンジニアの現職と今後の希望職(「ITエンジニアの転職意識レポート 2007年度版」より)

 ITコンサルタント/ITアーキテクトとはどのような職種で、どのような違いがあるのか。それらの肩書きを持つ先輩たちは、実際にどのような仕事をしているのか。その実態に迫ってみよう。

■経営戦略とシステム実装を「つなぐ」ITアーキテクト

 多くのITエンジニアには、少なくとも「ITコンサルタントとITアーキテクトは違う」という認識があるだろう。だが、どう違うのかと考えると意外と難しいのではないだろうか。それもそのはず、実際のところ、現場では両者が厳密に区別されていないことが多いからだ。

 「いまは両者の違いがあいまいになっているケースが多いですね。募集する職種を『ITコンサルタント』『プロジェクトマネージャ』としながらも、ITアーキテクト的な要素を求めることが多いです」。こう話すのは、ITエンジニアの求人市場に詳しいクライス・アンド・カンパニー ゼネラルマネージャー シニアコンサルタントの半藤剛氏だ。

クライス・アンド・カンパニー ゼネラルマネージャー シニアコンサルタント 半藤剛氏

 両者の定義を、情報処理推進機構(IPA) ITスキル標準センターによる「ITスキル標準V2 2006」(ITSS)で確認してみよう。2部:キャリア編 1.2「IT投資局面と職種の関係」を見ると、ITコンサルタント(ITSSではコンサルタント)とITアーキテクトでは活動局面に違いがあるが、重複する部分もある。コンサルタントは「経営戦略策定」から「戦略的情報化企画」までを、ITアーキテクトは「戦略的情報化企画」から「開発」までを担当する。

 この担当分野のとおり、半藤氏はITアーキテクトの重要なミッションの1つに「経営戦略と開発とのつなぎ」があると指摘する。「近年では実装をイメージしたコンサルティングが重要視されています。これまで、ITコンサルタントは業務や経営戦略までのフェイズをメインとし、システム開発へ移るとプロジェクトマネージャに渡していました。しかしコンサルタントが描いた絵がシステムに反映されないと、実装が賢くないものとなってしまいます。ゆえに業務と開発を的確に『つなぐ』役割が重視されるようになりました。それがITアーキテクトです」

 つまり、ITアーキテクトの重要な役割は、「業務から開発への橋渡し」をすることだといえそうだ。半藤氏は「業務をどうしたらいいかを顧客に語るのが『コンサルタント』、その理想をどう実現するかが『ITアーキテクト』です」と話す。

■プロジェクト全体を見渡せる目を養うこと

 現役ITコンサルタント/ITアーキテクトに、それぞれの違いについて聞いてみた。

 半藤氏が「あいまいになっている」というように、現場ではITコンサルタント/ITアーキテクト両方の能力が求められることも多いようだ。その好例がアイエイエフコンサルティング コンサルタントの長崎友嘉氏だ。同氏はITエンジニア歴10年。最初は保守を担当、次いでITベンチャーで小規模ながら数々のプロジェクトを経験し、3年前に同社に入社した。現在では業務コンサルタントでありながらITアーキテクトの役割も果たし、実質的にはプロジェクトマネージャも兼任している。

アイエイエフコンサルティング コンサルタント 長崎友嘉氏

 1人3役をこなす長崎氏は、ITコンサルタント/ITアーキテクトの違いをこう説明する。「ITコンサルタントは顧客側と直接会話して業務的な悩みを判断し、最適なシステムを企画します。ITアーキテクトはそれを具体的にどう実現し運用するかを考えます」

 長崎氏は、肩書きはコンサルタントながら「ITアーキテクトでありたい」と話している。ITコンサルタントはある意味理想を描くが、現実のシステムを構築する側は「製品の特性や能力を生かして、実現可能な範囲で作るしかない。また運用のリスクを減らすために、機能を絞り込んだり、しっかりとした骨組みを作ったりする必要もあります」。このように長崎氏は、現実的で成果物の実用性に対する責任感が強い。こうした志向はまさにITアーキテクトである。

 必要とされるセンスや能力について、長崎氏は自らの経験から「ITコンサルタントにせよITアーキテクトにせよ、プロジェクト全体を見渡せる目を養うことが大事です。また製品知識も必要です」と話す。製品の特徴がシステム全体にかかわり、開発の内容や工数に影響を与えることも多い。確かな製品知識は欠かせないといえる。

■フェイズごとに必要な役割を担う

日本オラクル コンサルティングサービス統括本部 テクノロジーコンサルティング本部 戦略プロジェクト部 プリンシパルコンサルタント 塩谷亮氏

 日本オラクル コンサルティングサービス統括本部 テクノロジーコンサルティング本部 戦略プロジェクト部 プリンシパルコンサルタントの塩谷亮氏は、新卒でオラクルにコンサルタントとして入社した。当初は製品コンサルタントとしてデータベースのコア知識を磨き、製品技術支援を行っていた。次第にグランドデザインなどの設計フェイズを支援するアーキテクト的な役割を担当するようになり、その後プライム案件のプロジェクトマネージャを担当するなどの経験を積み現在に至っている。先の長崎氏同様、肩書きはコンサルタントだが、ITアーキテクトやプロジェクトマネージャの経歴や能力も併せ持つ。

 塩谷氏は業務分担について、「私はコンサルタントですが、それしかやらないということはありません。上流フェイズではコンサルタントとして要件定義の支援や、PMO的な立場でマスタスケジュール・WBS(Work Breakdown Structure)の作成支援をします。またITアーキテクトとして、性能要件・可用性要件・拡張性要件・運用保守要件などを考慮したうえで最適化されたシステムのグランドデザイン策定や基本設計を実施します。詳細設計、開発フェイズにおいては、ITスペシャリストとして製品に関する専門知識を駆使してソフトウェア・アプリケーションの最適化を図ります。ITコンサルタントやITアーキテクトといった職種はあくまで役割です。プロジェクトが『舞台』だとすると私は『役者』であり、その『場面』に合わせて『登場人物』を演じます。プロジェクトによりますが、1人何役もこなします」と話す。やはり両職種は明確に区別されず、プロジェクトにかかわる人が臨機応変に必要な役割を担っているようだ。

 必要なスキルについて聞くと「個人的には両者のいずれにしても、まずはファシリテーターとしての能力が欠かせないと思います」と塩谷氏はコミュニケーション能力の重要性を強調する。「プロジェクトの現場では何を決めなくてはならないかで困惑しているケースが多々あります。混乱を収拾するためにも状況を整理・分析し、プロジェクトとして合意形成のとれた結論へと導いていける存在が重要です」。これに加えて、ITアーキテクトなら塩谷氏が経験してきたように確かな製品知識を持ち開発工程にも携わること、ITコンサルタントなら業務への理解も必要となるだろう。

■実装をイメージできるITコンサルタント

 長崎氏と塩谷氏、いずれも肩書きは「コンサルタント」だが、確かな製品知識や全体を把握して最適化を図るスキルを持ち、ITアーキテクトの役割も見事にこなしている。これこそ半藤氏が記事前半で指摘した、企業が求める「実装をイメージしたコンサルティング」ができる人物そのものなのだろう。

 今回取材した人たちが共通して指摘するのは「全体を把握する能力」の必要性である。つまり、ITコンサルタント/ITアーキテクトを目指すなら、まずはプロジェクト全体を把握する能力やセンスを磨くことが大事になる。そのうえでITコンサルタント/ITアーキテクトという職種がプロジェクトにおいてどのような役割を果たしているのかを理解すること。もし現在、それができる環境にないのなら、転職を考えるのも1つの手だろう。プロジェクト全体を見渡すことができ、ITコンサルタント/ITアーキテクトの活躍を身近なものにできる環境を選び、将来の目標に向かってスキルを身に付けてはどうだろう。

 十分に経験を積んだ後、あらためて自分の能力や信念を見直し、どちらを選ぶかを考えてもいい。業務寄りで経営戦略を担うならITコンサルタント、開発寄りで確実な実装を行うならITアーキテクトだ。さあ、あなたならどちらを選ぶだろうか。

日本オラクル株式会社

事業内容

  • ソフトウェアプロダクトの販売および
    当該ソフトウェアプロダクトの利用を支援する
    各種サービスの提供

先輩コンサルタントの声

所属部署:コンサルティングサービス統括本部 テクノロジーコンサルティング本部 Tech27アカウント部
役職:プリンシパルコンサルタント
お名前:井上範子(いのうえのりこ)さん

■担当中のプロジェクト

 某メーカー企業様の情報システム部門にオンサイトさせていただき、複数プロ ジェクトにおいてDB関連業務に対するコンサルティングを行っています。内容は、DBを前提としたシステム全体の方式設計や、DB設計、DB運用設計、DB稼動状況のチェックなどに対するコンサルティングが中心です。 最近では、企画段階のプロジェクトについてご相談を頂く事も有り、お客様のシステム化構想をコンサルティングさせていただくような機会もあります。

■こんな人と働きたい

 究極をいえば、「自分の仕事を楽しんでいるヒト」と一緒に働きたいですね。熱意や誇りをもって取り組んでいたり、単純にその仕事が好きだったり、職場の人たちが好きだったり、お客様の喜ぶ顔が好きだったり、仕事を楽しむ理由や方法はなんでもイイんですが、そういうヒトにはオーラがあるので(?)一緒にいて気持ちがいいです。私もそういう人間でありたいと思ってます。(ちなみに日本オラクルにはそういうヒトがたくさんいます!)

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株式会社 アイエイエフコンサルティング

事業内容

  • データウエアハウス(DWH)、ビジネスインテリジェンス(BI)システム構築専門の独立系ITコンサルティング会社

先輩コンサルタントの声

コンサルタント 長崎 友嘉さん

■担当中のプロジェクト

 大手銀行の特定部門向けに、BIを活用して営業活動を効率化するプロジェクトに在籍中。プロジェクト全体は業務改善系とシステム開発系に分かれており、自身は開発系リーダーを担当。自チームの管理にとどまらず、ITアーキテクトとしてシステム全体のアーキテクチャーの立案や業務系チームへの改善提案など、プロジェクト全体をサポートする役目を負う。

■こんな人と働きたい

 チームで一緒に仕事をする上ではやはりコミュニケーションが大事ですから、きちんと論理的に物事を考えてシンプルな会話をできる人がいいですね。また、ITアーキテクトを目指される方であれば、プロジェクト全体を見渡した上で「誰がこれを何に使うか」をイメージできる力と、特定分野にとどまらないある程度幅広い専門性がある方が望ましいと思います。

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この記事の内容について
この記事は掲載企業の求人広告として、アイティメディアが企画制作したものです。
掲載内容や労働条件に疑問がある場合には、求人企業に直接お問い合わせください。
掲載内容の有効期限内に掲載内容と事実に相違があった場合には、アイティメディア営業局まで、メールでお問い合わせください。(メールアドレス:ad@ml.itmedia.co.jp


企画:アイティメディア営業本部
制作:@IT編集部

掲載内容有効期限:2007年7月31日




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    各種サービスの提供

募集職種

  • テクノロジーコンサルタント

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