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長らく人材不足が叫ばれる組み込み開発の現場。エンタープライズ系でこれまで業務を行ってきたITエンジニアが、組み込み業界へ転進することは可能なのだろうか。もし可能だとしたら、そこではこれまでのどんなスキルが生かせるのだろうか

とにかく人が足りない組み込み開発業界

 情報処理推進機構(IPA)が2007年6月に発表した「組込みソフトウェア産業実態調査」の2007年版を見ると、2007年の組み込みシステム開発の産業規模は62兆円に上る。2004年の49兆7000億円と比べると1.2倍を超える成長を見せている。それに伴い、組み込み開発に従事するエンジニアの需要が高まっている。同調査によると現在、組み込み開発に携わっているエンジニアは約23万5000人と推定されている。対して、9万9000人のエンジニアが不足しているという。

 つまり、組み込み開発という事業が盛り上がる一方で、組み込み開発に従事するエンジニアが必要な数の3分の1も不足しているということだ。そして、その状況はここ数年変化していないのが現状で、組み込み業界の人材採用では、売り手市場が続いている。

 このような背景から、ITエンジニアのキャリアを考えると組み込み開発に従事するエンジニアだけではなく、現在、企業向けにシステム開発を行っているITエンジニアにとっても1つのキャリアパスととらえてもいいのではないだろうか。

 だが、果たして企業システム開発から組み込み開発にキャリアチェンジは可能なのか? もし可能だとして、そこではこれまで培ってきたスキルはどのくらい生かせるのだろうか。組込みシステム技術協会(JASA) ETEC運営事務局の近森満氏に、組み込み開発業界の概要やキャリアチェンジで必要とされるスキルについて話を聞いた。

組み込み業界の構造

組込みシステム技術協会
ETEC運営事務局の近森満氏

 異なる業界への転進を考えるならば、まず知っておきたいのはその業界の構造だ。組み込み業界の構造はどういった形になっているのだろうか。「業界としての構造は、企業向けシステム開発の世界とそれほど変わらないかもしれません」と近森氏は話す。

 企業向けシステム開発、特にシステムインテグレーション(SI)を考えると、まず大手のシステムインテグレータ(SIer)、あるいはコンサルティングファームが案件を受注、上流工程を担当し、子会社やパートナー企業などにシステム開発を依頼する。組み込み業界も同様に、大手のメーカーが商品の企画をし、その子会社やパートナー企業がシステムの開発を行うといった構造だ。また、顧客先に常駐して作業を行うことが中心となる点も似ている。

企業向けシステム開発と組み込みシステム開発の違い

 近森氏は企業向けシステム開発と組み込みシステム開発の違いについて、次のように話す。

 「企業向けシステムと組み込みシステム開発の大きな違いとしてまずあるのが、ハードウェアの存在です。企業向けシステムの場合、必要とされるサービスに対してどういう技術が必要かを考えますが、組み込みシステムの場合要求される機能に対して、ハードウェアの制約を前提として考え、システムを構築しなければなりません。」とハードウェアの重要性を強調する

 組み込み開発にとってハードウェアの存在は非常に大きい。メモリリソースなどの制約を常に考慮しながら開発をしなければならない。また、ある程度ハードウェアが共通化されているPCの世界と比べて、組み込み開発の領域で使われるハードウェアは多種多様だ。また、それぞれのハードウェアに依存した固有の技術領域もあり、当然だが組み込み製品の要となる存在だ。

 では、ハードウェア知識を習得する機会がないITエンジニアは、組み込みシステム開発にキャリアチェンジできないのだろうか。必ずしもそうだとはいえない。

 「近年、IT業界全体で組み込み技術習得の必要性が強くいわれるようになりました。人材を採用するIT企業の側でも組み込み研修を実施するなど、教育体制をしっかりと考えているところが増えてきました」と近森氏は話す。

 近森氏によると、ハードウェアや、リアルタイムOSなどの知識を身に付けるトレーニングを積極的に行い始めた企業が増えてきたという。組み込み開発の求人を見てみると、回路などのハードウェア知識は分からなくても、C言語やC++といった言語知識を持っているだけでも採用したいという案件が増えてきた。そういった組み込み未経験のエンジニアでも、トレーニングを経て仕事を行うことができるようだ。

 また、IPAの策定する組込み技術標準(ETSS)や、組込みシステム技術協会(JASA)が実施する「組込みソフトウェア技術者試験(ETEC)」など、組み込み技術者のスキルを育成、評価するための制度も増えてきたところだ。

 組込みソフトウェア技術者試験(ETEC)は業界団体が実施する試験として、エントリレベルの組込みソフトウェア技術者として最低限必要な知識を測るものである。こうした試験や制度は、キャリアチェンジの際には組込み技術力の把握や採用企業へのアピールに活用ができる。



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組み込み業界でも生かせるスキルとは

 実際に企業向けシステム開発の現場から組み込み開発の現場に移り、そこではどんなスキルを役立てることができるのだろうか。近森氏は「ネットワーク」「セキュリティ」「データベース(DB)」の3つを挙げる。

 いまやテレビやHDDレコーダーなどの家電製品のほか、携帯電話やPDA機器、家庭用ゲーム機、カーナビゲーションシステムや自動車搭載機器など、さまざまな製品がネットワークに接続できるようになってきた。ネットワーク接続ができて当たり前、そんな時代が近づきつつある。しかし、一昔前の製品は基本的にはスタンドアロンで使用することが普通だった。組み込みの世界にネットワークや通信といった機能が広く浸透してきたのは、最近になってからだ。接続が当たり前になると、次に「セキュリティ」の問題がでてくる。

 こうした問題については、企業向けシステム開発に1日の長がある。組み込みデータベースについても同様で、ここ最近で認知が広まってきた。これらの技術や知識、ノウハウは組み込み開発に携わっても生かすことができるという。

 さらに近森氏は「ソフトウェアの分野でいうと、マネジメントの手法や開発モデルは組み込み業界が企業向けシステム開発の世界を後追いしていると聞きます。共通化・標準化もまだまだこれからです。そのため、企業向けシステム開発の現場で培ったマネジメント手法、開発モデルといった知識も十分に生かせると思います」と付け加えた。

 「ハードウェアとソフトウェアをいかにすり合わせるか、そこが組み込み開発の大変なところでもあり、魅力でもあります。そこでは常に最新の技術に触れることができるうえ、固有の技術を深く突き詰めることも、幅広く周辺技術を習得することもできます」と近森氏は組み込み開発の魅力を語る。

 今後、より存在感が増すであろう組み込み業界。「常に新しい何かに触れたい」「モノづくりの現場に興味がある」。そう考えているITエンジニアは、1度足を踏み入れてみることをオススメする。そこにはきっと活躍の場が広がっているだろう。

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この記事は掲載企業の求人広告として、アイティメディアが企画制作したものです。
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企画:アイティメディア営業本部
制作:@IT自分戦略研究所編集部

掲載内容有効期限:2008年1月31日





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