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 国内きっての先進的なJava開発実績を誇るイーシー・ワン。そんな同社が現在注目しているのは、Webがもたらした「知やノウハウの共有」という新しい社会の在り方だという。この流れに乗り、「新たなソフトウェア産業の未来を創出したい」という同社の理念と、その取り組みを聞いた。

時代への感度を研ぎ澄ますイーシー・ワン

  「ここ最近の大きな変化といえば、Rubyをはじめとするさまざまなコミュニティから、『イーシー・ワン』という社名が広がっていること。例えば、福岡で開催しているRubyのコミュニティ『Rubyビジネス・コモンズ』を通じて、国内外の著名なRuby関連開発者とのかかわりのほか、行政との仕事のつながりができています。メディアに露出しなくても、着実に、イーシー・ワンという社名が広がっているんです」と語るのは、同社 代表取締役社長 最首英裕氏だ。

 ソフトウェア産業のような知識産業では、その会社が持っている知的資産がそのまま企業の強みになる。開発手法やフレームワークなどは、最も分かりやすい知的資産といえるだろう。

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イーシー・ワン 代表取締役社長 最首英裕氏

 この状況に、最首氏が疑問を抱いたのは1年以上前のこと。Rubyはもちろん、LinuxのようなOSがこれだけ市場に受け入れられ、産業的に成功をおさめてきたのは、「ノウハウを共有する」ことによって、これまでにない強みを確立してきたからだ。「ノウハウをオープンにすることで、新たな『知』が生み出され、それが価値を持つという新しい経済体系が整いつつあると感じました。このような経済体系が、今後どのように広がっていくか、まだ分かりません。だからこそ、これからのIT業界にワクワクするのです」(最首氏)。

 ソフトウェアに限らず、ネット上のコミュニティから生まれたコンテンツでビジネスが動くこの時代。また、そうした知的資産を提供するプラットフォーム事業が、従来の産業の在り方を大きく変えようとしているこの時期において、「IT企業自身もその“価値”の在り方を見直す時代に来ているのでは」と最首氏は語る。そうした時代への感度を研ぎ澄ました結果、企業活動としてさまざまなコミュニティを進めているそうだ。中でも、前述したRubyビジネス・コモンズは、2007年7月に開催されてから1年という短い期間で会員数を540名に伸ばし、着実に「知の共有」に貢献しているという。

 同コミュニティのユニークな特徴は、福岡という地方発であることと、会員の約半数は非ITエンジニアであるということだろう。この理由について、最首氏は「東京は人口が多すぎ、ITエンジニアやビジネスマンの役割が細分化されていて、こうしたコミュニティにITエンジニア以外の人はなかなか参加しません。地方都市はその点、人口も東京に比べてまとまっています。中でも福岡は、九州の全人口4割が集中し、飲食店や通販などサービス産業が盛んで若い人が集まる都市です。ここを拠点に、『ITの知の共有』という試みをやってみたかったのです」と説明する。

だれも見たことがない「未来の産業」を創る!

 イーシー・ワンは、最首氏をはじめとする国内きってのエンタープライズJava技術者を有するSI企業として10年前に設立。先陣を切ってJavaによる基幹システム構築を次々と構築し、一躍業界から注目を浴びた。

 そんな同社がRubyに着目したのは、基幹システム構築案件が大幅に増加し、より短納期・高品質が求められるようになったことが背景にある。

 「Rubyのようなスクリプト言語には、当然メリットもデメリットもありますが、かつてサーバサイドJavaでやろうとすると非常に大変だったことが、非常に簡単かつ少ないコードで実行できるのは事実です。またJRubyには、今までのJava資産をそのままRubyから利用できるので、サーバサイドJava技術者も覚えて損はありません。加えて、非ITエンジニアであるビジネスプロデューサーなどがこうした簡便なITを身近なものとし、その可能性を知ることで、Web技術がもっともっと洗練され、いろいろなことができるようになるのでは、と考えています。例えば、Rubyビジネス・コモンズが今年の3月に開催した勉強会では、朝10時から始まって、午後6時までに『自前のインターネット放送局』を作るというプログラムをやりました。面白いのは、こうした技術系の勉強会に、非ITエンジニアの方が多数参加することなんです。技術は決して難しいものではなく、コモディティ化していますし、その知をさまざまな人が共有するという風潮が生まれています。とすると、ソフトウェア産業の未来も、この延長線上にあるのかもしれません」と最首氏はいう。

 この発言を裏付ける根拠は2つある。

 1つは、ソフトウェア産業が主軸としていた「企業システム」そのものの変化だ。かつて、1枚岩(モノシリック)なアーキテクチャで作られていた企業システムが、SOA(Service Oriented Architecture)から、SaaS(Software as a Services)のような形で、ネット上にあるサービスを組み合わせながら使うようになり、「クラウド・コンピューティング」という概念まで登場するようになった。スクリプトによる簡易アプリケーションや、マッシュアップというと、個人向けの用途のように思われがちだが、規模は違えど企業システム構築においても同じような傾向が見られるのは間違いない。

 もう1つは、こうしたネット上に集まった知的資産を有効活用できるインフラが整っている点。ADSLや光をはじめ、無線LAN技術も進化している。こうした通信インフラを柔軟に組み合わせ、ネット上にあるサービスを企業・個人が用途に合わせて有効活用できる仕組みが構築されているわけだ。

 こうした技術トレンドをいち早く読み取り、優れたプラットフォームを提供している企業として、米アップルやグーグルがある。アップル社が提供する「AppStore」は、同社と契約したデベロッパーによるプログラムが数多く搭載され、それらはiPhone上で利用することも可能。またGoogle MapやGoogle Street Viewは、APIが公開されているので、そのAPIを用いた新しい地図サービスプログラムなどを開発し、その資産をインターネットに置いておけば、さまざまな人の間で共有できる。

 「これまでの10年、ビジネスを進める中で、BtoC/BtoBのどちらの潮流も経験しましたが、その結果分かったことが2つあります。第1に、BtoCで起きた事象は、少し遅れてBtoBの世界でも発生するということ。SNSなどが典型的な例です。第2に、そのときにBtoCで培ったノウハウはBtoBでも生かせるということです。いま現在、インターネットで起こっているさまざまな事象は、これからBtoBの世界に広がっていくでしょう。そうしたとき、果たして『ソフトウェア産業』というものがどうなっているか。だれも見たことがない未来を、これから当社で作っていきたいと考えています」(最首氏)

いまのイーシー・ワンが目指すもの

 具体的に、最首氏はどのような未来を描いているのか。これまで述べたような経済・社会的な風潮は、インターネットが登場して初めて創出されたものであり、先例となるような事象はない。このため、確固とした“新しい産業形態”に言及することは難しいが、「この転換期にワクワクし、『新しい未来を創りたい』という思いのあるITエンジニアとともに、活動を広げていきたい」(最首氏)という希望があるという。

 もちろん、1つの方向性は描いている。それは「エンタープライズ分野において、さまざまな人が共有した知の結集が、もっと登録しやすく、安心して使えるようなプラットフォームを提供し、新しいソフトウェアビジネスのあり方を提唱していく」というものだ。“プラットフォーム”という言葉を使ってはいるが、その中には、知を流通させる仕組みがあり、知を共有するコミュニティがあり、知を使えるようにするための教育があり、知を創造するプロフェッショナルがいる。「こうした活動すべてを支えるのが、イーシー・ワンの未来にあるのではないか」と最首氏は考えているそうだ。端的な話、コミュニティ1つを考えても、決していまの有り様がベストというわけではない。もっと自由で、個々の参加者が自律して動ける仕組みはないか、常に考えているという。

 「いま、当社に必要なのは、こうした時代の流れを鋭敏に感じ取り、その流れを創りたいという“思いのあるITエンジニア”です。社会的、経済的にも大きく変化し、その波をWebが創っている現在、『自分も波に乗りたい』と思うITエンジニアはきっと多いはず。そうした方々と、ソフトウェア産業の新しい未来を創っていきたい――これが、いまイーシー・ワンが目指しているものです」(最首氏)

 具体的にどのようなITエンジニアが必要なのか。

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イーシー・ワン 常務取締役 開発統括本部長 川手正己氏

 イーシー・ワン 常務取締役 開発統括本部長の川手正己氏は、「ひと言でいえば、高付加価値を提供できるITエンジニア。いわれたことを、忠実に実現するのではなく、軸となる強い“ドメイン”を持っていることが望ましいです。また、JavaやRubyの経験・技術力も重要ですが、重視するのは、『どれだけ自発的に勉強し、経験を蓄えてきたか』というプロセスです。それこそ、さまざまなコミュニティへ参加するといった積極性や自律性が、これからの人材に必要な資質だと考えています」と語る。このことは、逆にいえば、自律的に動くことができるエンジニアがあまり多くないということの証左でもあるだろう。

 ITが社会インフラの各所で活用される現在、ITに明るいのは必ずしもITエンジニアだけではなくなってきた。そして、むしろ、ITエンジニアではない人の方が、人を巻き込んでチームをつくったり、企画案を現実化する力を持っているケースが多い。ITエンジニアの強みは何といっても、その専門性(技術力、専門知識の深さ)にあるわけで、そんな専門性を持ちながら、なおかつ、自発的に行動できる力、強力なコミュニケーション力を備える人材は市場で重宝される。同社が求めているのも、まさにそんな人材なのである。

 従来同社は、自社の強みを聞かれたとき、「開発言語をJavaに特化している点」と答えていた。この10年間、IT業界において、「Javaへの特化」という特徴は、高度な技術力と企業としての先見性の高さを有していることを意味していた。しかし、時代は変わった。Javaへの特化だけでは、競争優位性を保つことができなくなった。また、開発力の高さに加えて、顧客企業にさまざまな提案ができるビジネス的なセンスも求められるようになってきた。その意味で、同社が求める人材は、“単なる開発者”という枠にとどまることのない「顧客志向の人材」(川手氏)でもある。

 現在、同社が拠点を置くのは、東京、名古屋、福岡の3カ所。地域はもちろん、編成されるユニット(チーム)でプロジェクトの性質が異なる。とはいえ、いずれの案件も、プライム(元請け)かつ、ハード/ソフトの面において、特定のベンダに縛られることないプロジェクトがほとんどだ。プロジェクトとしては、

・不動産業界向けシステム開発

・企業の基幹系システム開発

・建設業界向けシステム開発

・証券業界向けシステム開発

・Java+Rubyでのシステム開発

がある。9割はJavaによる開発。Rubyによる開発案件はまだ少なく、全体の1割程度であるが、今後その割合は拡大していく傾向にある。

 同社が現在求めているポジションは、「ITアーキテクト」と「プロジェクトマネージャ」である。

 「ITアーキテクト」については高い技術力を問う。「従来存在しなかったサービスを開発した経験がある人が望ましい。加えて、特定の業種・業態に深い知識と経験を有する人材が欲しい」と川手氏は話す。

 「プロジェクトマネージャ」については、「RFP(提案依頼書)を顧客が書くことが当たり前になっている中で、プロジェクトマネージャはさらなるプラスアルファを提供していかなければならない」(川手氏)と高い要求水準を示す。年齢でいえば、川手氏と同年代の40歳前後から30代を想定。プロジェクトマネージャ経験を持つ中堅どころの人材を加えることで、同社が展開するさまざまなプロジェクトの質と量にいい影響を及ぼすことを期待している。

 時代を創るITエンジニアへ――その道に最も近いのは、最首氏率いるイーシー・ワンなのかもしれない。

イーシー・ワン 採用情報

中途採用情報

・プロジェクトリーダー/プロジェクトマネージャー

Java及びRubyを利用した企業向けミッション・クリティカルなシステムの提案・設計・構築ならびにEC(B2B、B2C)、ECサイトに関する設計・構築・プロジェクトマネジメント。

・アーキテクト
オブジェクト指向を中心とした総合的なアーキテクチャの設計・構築。

・システムエンジニア
Java及びRubyを利用した企業向けミッション・クリティカルなシステム、ならびにEC(B2B、B2C)、ECサイトに関する設計・構築・開発。


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セミナー情報

イーシー・ワンは@IT自分戦略研究所カンファレンス 上級ITプロフェッショナルのスキルとキャリア (9月27日秋葉原UDX)に出展します。


提供:株式会社イーシー・ワン
企画:アイティメディア営業本部
制作:@IT自分戦略研究所編集部
掲載内容有効期限:2008年9月28日


会社概要

■会社名 株式会社イーシー・ワン
  (英文名:EC-One, Inc.)
■本社所在地
  東京都中央区日本橋茅場町2-13-13 共同ビル
■代表取締役社長(CEO) 最首 英裕
■設立 平成10年4月14日
■資本金 16億4115万8000円(2008年3月31日現在)
■従業員数 146名(2008年7月31日現在)
■事業内容
<プロフェッショナル・サービス>
システム開発
・システム開発(業務設計/要件開発・システム設計・システム開発・システム保守/運用支援)
・テクニカルスタッフ支援

コンサルティング
・ITガバナンス・コンサルティング
・プロセス・コンサルティング
・標準化コンサルティング
・テクノロジー・アーキテクチャ・サービス
・コンポーネント開発/利用の技術支援
・プロセスモデル等の教育研修・トレーニング

<プロダクト・サービス>
cBank関連等自社製品販売
・製品販売
・製品保守
・製品導入支援・教育研修・トレーニング
・製品関連コンサルティング

他社製品販売
・プロキュアメント支援
・製品販売・保守
・製品導入支援・教育研修・トレーニング
・製品関連コンサルティング

採用情報

中途採用
・プロジェクトリーダー/プロジェクトマネージャー
Java及びRubyを利用した企業向けミッション・クリティカルなシステムの提案・設計・構築ならびにEC(B2B、B2C)、ECサイトに関する設計・構築・プロジェクトマネジメント。

・アーキテクト
オブジェクト指向を中心とした総合的なアーキテクチャの設計・構築。

・システムエンジニア
Java及びRubyを利用した企業向けミッション・クリティカルなシステム、ならびにEC(B2B、B2C)、ECサイトに関する設計・構築・開発。


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