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いま、現場で求められるのは「業務遂行能力」
高度な専門知識を体系的に学び、情報アーキテクトを目指せ


ITエンジニアは常にスキルを磨き、市場価値を意識していなければならない。そんな状況で、高度な専門知識を身に付けてスキルアップを図る方法の1つとして、専門職大学院が注目されている。IT業界で不足とされている「情報アーキテクト」の育成を目指し、2006年4月に開校した産業技術大学院大学 学長の石島辰太郎氏に、いま現場で求められるITエンジニアについて話を聞いた。

 

ITエンジニアの感じる不安を
取り除く1つの方法

 2006年5月に@IT自分戦略研究所とJOB@ITが実施した読者調査によると、仕事を続けていくうえで将来的な不安や危機感を感じているITエンジニアは多い。「日常的に不安/危機感を感じている」「ときどき不安/危機感を感じる」を合わせると、ほぼ9割のITエンジニアが不安や危機感を感じていることになる(図1)。その理由としては「スキルアップの機会/時間/資金不足」「技術サイクル短期化/所有スキル陳腐化」「自分の適性や市場価値の有無」などの回答が多かった(図2)。

図1 将来的な不安/危機感(@IT自分戦略研究所 読者調査[2006年5月]より。N=964)

図2 危機感を感じる要因(@IT自分戦略研究所 読者調査[2006年5月]より。複数回答、N=964)

 このように、多くのITエンジニアが自分自身のスキルに関する不安を持っている。将来に向けたキャリアパスについて考えてはいても、「そのためにいまどのような勉強をすべきなのか」が分からない状況にあるようだ。

 その状況を打開する1つの方法がある。IT業界で深刻な人材不足が叫ばれている「情報アーキテクト」の育成を目指し、2006年4月に開校したばかりの産業技術大学院大学で学ぶことだ。

 

OJTではなくPBLで
業務遂行能力を体系的に身に付ける

 産業技術大学院大学 学長の石島辰太郎氏は、同大学でいう情報アーキテクトとは「システム導入側のニーズを的確にとらえ、業務を分析して最適なシステムを提案し、その実装から運用計画の立案・実行までをマネジメントできる人材」だという。つまりは情報産業界において人材不足が指摘され、市場価値も高いとされる職種である。石島氏は「情報アーキテクトの人材不足は、日本の情報産業の発展を左右する大きな問題です。日本における情報産業の集積地である東京都として、その育成に本格的に注力し、情報産業の発展に貢献するために本学が設立されました」と産業技術大学院大学設立の目的を語る。

産業技術大学院大学 学長 石島辰太郎氏

 同大学の特徴は、ソフトウェア開発やネットワーク技術、データベース技術などの現場で求められる高度な専門知識を学べることに加え、それらの「ハイレベルな基礎力」をベースに、情報アーキテクトに最も必要とされる専門能力である「業務遂行能力」を習得できることにある。具体的には、習得した専門知識を現実のプロジェクトに適用して遂行していくという「実務作業による教育」=「PBL(Project Based Learning)」を通じて「プロジェクトマネジメントに必要な高度な業務遂行能力」を身に付けることができるのだ。

 「実際の現場でも、OJTによってさまざまな業務遂行能力を身に付けることはできるかもしれません。ただしOJTでは、情報アーキテクトに必要な知識やスキルを体系的に学習することは困難です。PBLでは『このプロセスではどの能力を鍛えるのか』『このプロセスを遂行する過程ではどのような専門知識をどう駆使すればいいのか』といったことが明確にされ、それぞれのスキルを体系的に身に付けることが可能となるのです」(石島氏)

 

情報アーキテクトに不可欠な
7つのコンピテンシーを習得

 産業技術大学院大学では、「発想力」「マーケット感覚」「ニーズ分析」「ドキュメンテーション」「モデリングとシステム提案」「マネジメント」「ネゴシエーション」の7つの基本業務遂行能力(コンピテンシー)を情報アーキテクトに必要不可欠な能力と位置付け、PBLを通じてその習得と強化を図っていく。「本学のカリキュラムにおいて提供されないものは『経験の積み重ね』だけということができます。経験の蓄積には時間が必要で、これだけは実際の現場で獲得していかなくてはなりません。ただし、それ以外の専門知識や業務遂行能力、マネジメント手法などプロジェクトを遂行する上で必要となる知識やスキルはすべてカリキュラムの中で提供されると考えていいでしょう」(石島氏)

 多くのITエンジニアたちに共通の悩みは、実際の業務の現場でプロジェクトマネジメントを任せてほしいと思ってもなかなかそのチャンスには恵まれないことではないだろうか。また、たとえそのチャンスを与えられても、その業務経験を通じて果たして自分自身に体系的なマネジメント手法が身に付くかどうかにも疑問が残る。IT産業界の実情を考えると、業務遂行のための能力をPBLを通じて体系的に習得できるカリキュラムは大きな魅力といえそうだ。

 

情報産業界と密接に結びつき
即戦力として活躍できる人材を育成する

 情報産業界と密接なつながりがあることも、産業技術大学院大学の特徴である。日本IBMやNEC、富士通など日本の情報産業のリーディングカンパニーのトップが大学の運営に参画し、カリキュラムの策定にもかかわっている。「卒業後に企業の現場で情報アーキテクトとして活躍できる人材の育成が主眼ですから、カリキュラムが実際の企業の現場と乖離(かいり)してしまってはなりません。そのため実際の実務担当者レベルの会合も開催して定期的にカリキュラムを見直し、ここで学習したことが単なる『理想論』や現場では使えない知識の習得に終わってしまうことのないようにしていきます」(石島氏)

 もちろん、実案件ベースでの授業となるために、講師陣も民間企業でのシステム開発やプロジェクトマネジメントで実績と経験のある人たちが中心となっている。「大学」という言葉の響きからは学術的な探求の場をイメージしてしまいがちだが、同大学では学術ではなく「卒業後に企業の現場で即戦力として活躍できる人材を育成する」ことが重要視されているのだ。

 企業の現場で活躍している社会人でも受講しやすいように、講義は平日の夜間(午後6時から)と土曜日に行われるようになっている。また、1年間を4期に分けて、各科目を週2回講義で集中的に履修するクォーター制が導入され、「反復練習と集中的な学習」で専門知識を効率的に学習できるようになっているのも特徴である。一方、情報産業界の最新のニーズに柔軟に対応していくために、カリキュラムの内容を広く一般に開講していく場として「オープンインスティテュート」も設置され、最新のIT技術について同大学と企業との研究成果や教育内容などを公開している。

 石島学長は、これからの日本の情報産業界で必要とされるITエンジニアとして「広い視野を持った人材」を挙げる。「システムが幅広い産業分野に普及したいま、プログラマやソフトウェアの開発者だけがITエンジニアではないのです。視野を広く持ち、プロジェクトを遂行できる能力を持った人材こそが求められています」(石島氏)。そのためには業務遂行能力を体系的に身に付けることが大切になる。

 「IT技術の発展やシステム開発手法の進展などにより必要とされるスキルは変化していきます。いまIT産業界で求められているスキルを、必要となったタイミングで学び直す。すでに社会で活躍しているITエンジニアにも、体系的に学ぶチャンスが必要なはずです。必要に応じて大学に入り直し、知識やスキルを磨く。そんな教育の場としての役割も果たしていきたいと考えています」(石島氏)

 いま、求められる知識とスキルをタイミングよく体系的に習得して、ステップアップを図る……。そんな希望を抱くITエンジニアであれば、その実現に向けて大学で学び直すという選択肢に目を向けてみてはどうだろうか。

【産業技術大学院大学説明会、入試日程】
最新の説明会、入試日程は産業技術大学院大学のWebサイトをご覧ください


提供:産業技術大学院大学
企画:アイティメディア株式会社
制作:@IT編集部
掲載内容有効期限:2007年1月31日

大学院概要
産業技術大学院大学
(Advanced Institute of Industrial Technology)

■場所
東京都品川区東大井1-10-40

■設置者
公立大学法人首都大学東京

■開設
平成18年4月

■学長
石島 辰太郎

■研究科等の名称
産業技術研究科 情報アーキテクチャ専攻(専門職学位課程)
平成20年度に創造技術専攻(仮称)の開設を予定

■学位の名称
情報システム学修士(専門職)

■入学定員 50人
■収容定員 100人(情報アーキテクチャ専攻)

 
情報アーキテクチャ専攻
  情報アーキテクチャ専攻では、情報通信技術やプロジェクトマネジメントの専門知識の教育だけでなく、これらの知識を利用して業務遂行能力を向上させる教育を、実務実践型教育手法であるPBL型教育により実施します。

本専攻のカリキュラムは、高度な情報通信技術とプロジェクト管理能力、および業務遂行能力を持つ情報アーキテクトを育成するために、業務遂行に必要となる基本知識を与える基礎科目群、プロジェクト管理を体系的に学習するプロジェクト管理系科目群、情報アーキテクトの基本的な考え方を学習する情報システム系科目群、および、「ネットワーク/サーバ系領域」、「ソフトウェア開発系領域」、「データベース系領域」の3つのIT系専門領域科目群から構成されます。