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新入社員が入社するまであと数カ月。新人研修の準備も整い、後はフレッシュな新入社員を迎え入れるばかり――。
そういえればどんなにいいだろうか。実際は、これから新人研修のプランに着手するという企業が少なくないだろう。「今からでも新人研修は間に合うのだろうか?」と悩む新人育成担当者は安心してほしい。まだ間に合う。
ただし、新人研修の成果を最大化するためには、研修を通じて新入社員を「どう育てたいのか」、事前に新人育成のコンセプトやゴールを固めておくことが重要だ。「研修ベンダに新入社員を預けてしまえば、あとはお任せ」では、最終的に期待していた研修効果が得られない可能性がある。4月からの新人研修を焦って実施するくらいなら、少し遅いタイミングでも、新入社員それぞれの技術レベルをしっかり把握し、研修ベンダと協力しながら、一緒に研修プランを作り上げていくのが賢いやり方だろう。
本特集では、豊富な研修メニューと優秀なトレーナーを持つ研修ベンダ2社にフォーカスを当てて、“今からでも間に合う”新入社員研修サービスへの取り組みやその特徴を紹介する。
富士通ラーニングメディア | |
―― 三者一丸の新入社員研修 |
富士通ラーニングメディアは、IT業界における新入社員育成のコンセプトとして次の3点を掲げている。
- 社会人に求められる態度・姿勢を醸成
- IT基礎知識を徹底的にマスター
- 社会人として必要なビジネススキルを修得
この3点をベースとし、富士通グループを始めとする豊富な新入社員育成経験を生かした、独自の新入社員研修サービスを提供している。
ナレッジウイングコンテンツ部
プロジェクト部長 井上竜太郎氏
1つ目の特徴は、単に技術スキルを教育するのではなく、全行程に「ビジネス/ヒューマンスキル系」の研修要素を取り入れている点。富士通ラーニングメディア ナレッジウイングコンテンツ部 プロジェクト部長の井上竜太郎氏は、「エンジニアとしての技術スキルはもちろんだが、それ以上に社会人としてのビジネスマナーの基礎を身につけさせたい」というクライアント企業が増えていると語る。
研修期間中、新入社員には「研修会場=会社」「講師=上司」と認識させる。実践的にビジネスマナーを指導するためだ。技術面での不足分は研修後も現場で補えるが、ビジネスマナーは現場へ出る前に身につけておく必要がある。
2つ目の特徴は、3つの基本コンセプトをベースにしながら、クライアント企業のニーズに合わせて研修プランやスケジュールを柔軟にカスタマイズできること。研修ベンダを利用するのが始めての企業でも、用意されたカリキュラムを自由に組み合わせることで、各社の育成プランや方向性に沿った新人研修を実施することができる。
3つ目の特徴は「三者一丸」だ。新入社員と新人育成担当者、そして同社研修担当者が一丸となって研修に取り組む体制を整えている。クライアント企業の新人育成担当者に事前説明を行い、密接に連携しながら研修プランを立てる。受講中は新入社員と新人育成担当との「日報交換」を実施(「ロジック研修」「システム研修」「ITソリューションセールス研修〜ソリューションプロセスの理解〜」の長期3コースのみ)。新人育成担当者には積極的に研修の現場に参加してもらい、育成担当者と相談の上、状況に応じて個別に新入社員へのアドバイスを行う。任せきりではなく、「三者一丸」となって新人研修のクオリティ向上を目指していく考えだ。
2009年の新入社員育成サービスにおいて、同社が特に注力しているカリキュラムが「営業向け」の研修コース。従来のシステムエンジニア向けの「ロジック研修」とは別に、新たに「ITソリューションセールス研修」を立ち上げた。ITソリューションセールス研修は「IT基礎知識」「ソリューションプロセスの理解」「提案実践」の3つのカリキュラムに分かれており、システムエンジニア研修よりもさらに実践的な研修内容となっている。
特に「提案実践」では、講師が顧客となり、新入社員がその顧客にアポを入れて訪問と商談を繰り返すという、その名の通り実践的な研修だ。最後にトッププレゼンを行うところまで実践形式で行う。
「新入社員を4チームに分けてコンペで競わせるが、実践的な研修というだけでなく、新入社員同士が本気で議論し合える場を作る狙いもある」と井上氏。近年の新入社員は“空気を読む”世代。一見チームごとにまとまってうまくやっているように見えても、実は心の中で不満を抱きながら、口に出せないでいるのだという。その証拠に、提案実践ではこれまで“空気を読んでいた”新入社員たちが意見をぶつけ合うようになると井上氏は語る。チームとして、より良い成果物を作り上げていくことを学ぶために欠かせない研修だ。
なお、ITソリューションセールス研修は基本的には営業向けの内容だが、「これからのエンジニアにとっては、営業的な感覚も重要なビジネススキルになる。エンジニアの研修にも、ぜひITソリューションセールス研修を組み込むことをおすすめしたい」(井上氏)としている。
NRIラーニングネットワーク ※2009年4月1日にエディフィストラーニングに社名変更 |
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―― きめ細かい新人育成ニーズに対応 |
NRIラーニングネットワークは、豊富なIT人材育成ノウハウとトレーニングコースを生かし、クライアント企業の人材育成計画に合わせたきめ細かい新人研修プランを提供している。
NRIラーニングネットワーク ラーニングソリューション部 IT研修チームの中村才千代氏は、「大企業向けの画一的な研修とは異なるやり方」と自社の研修サービスを位置付ける。クライアント企業と綿密な打ち合わせを行いながら、実際に講師を担当するトレーナーも一緒になって新人研修の詳細なプランを作り上げていくのがNRIラーニングのやり方だ。「業界トップレベルの新人研修を望む企業や、外部の専門家による最も効果的な新人研修を考えている企業にこそ、当社の新人研修プランを活用して欲しい」と中村氏はアピールする。
ラーニングソリューション部
IT研修チーム 中村才千代氏
ここ数年、新人育成担当者からの要望は、パターン化されたベンダ依存の研修プランから、よりオリジナリティを求める傾向へと移行しているという。「システム構築全体の流れを体験させたい」「ビジネスマインド教育も取り入れたい」といったさまざまなニーズに柔軟に対応できる点が、同社の新人研修の大きな特徴だろう。
「システム構築に当たっての要件定義から画面設計、コーディング、プログラミング、テストまで、一連の工程をすべて体験できる研修を新人に提供できるのは当社ならでは」と中村氏は語る。同時に、システム構築を行う過程におけるプロジェクト管理や顧客とのリレーションシップ、構築したシステムのプレゼンテーションまで研修プランに組み込んでいる。ビジネスマインド教育も含め、数年先のキャリアアップを見据えた新人研修を提案しているという。実際に、新人研修だけでなく、2年目、3年目と継続して同社の研修を活用する企業は多い。
こうした手厚い研修サービスを支えているのが、同社の優秀なトレーナー陣。特にマイクロソフトやオラクルの技術については「超一流のトレーナーを揃えている」と中村氏は自信をのぞかせる。また、同社はNRIブランドとして高い研修クオリティを常に求められているという背景もあり、クライアント企業からの期待と信頼に応えていくため、新人研修においても独自のコンセプトを持って新入社員の育成指導に当たっている。
新人研修のトレーナーは、講師というよりも厳しいレビュアーだ。あえて高いハードルの課題を出したり、成果物に対してさらに高いクオリティを求めたりすることで、研修だからという気持ちではなく、新入社員が全力で課題に取り組む意欲を引き出すことができる。
最近の新入社員の傾向としては、真面目で素直だがチームワークが苦手で、失敗を恐れて積極性に欠けるという。「失敗して学ぶことは多い。手取り足取りすべて教えてしまうのではなく、研修の場であえて失敗させることが、新入社員にとって必ず成長につながると考えている」と、中村氏は新人育成への思いを語る。
また、同社では新人研修の成果レビューにおいて、その企業の先輩社員や経験豊富な社員にレビュアーとして参加してもらうという試みを行っている。成果物に対する良い点と悪い点を評価し、その結果を新入社員にフィードバックする。同社の講師による評価以上に、現場で働いている先輩社員からの評価は新入社員にとっては刺激になるようだ。研修が終わった後、多くの新入社員から「先輩社員の生の声を聞けたことはとても良かった」と好評を得ているという。
※NRIラーニング株式会社は、2009年4月1日にエディフィストラーニング株式会社に社名変更しました。
株式会社富士通ラーニングメディア | |
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エディフィストラーニング株式会社 | |
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提供:株式会社富士通ラーニングメディア
エディフィストラーニング株式会社
企画:アイティメディア営業本部
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2009年2月12日
株式会社富士通ラーニングメディア | ||
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エディフィストラーニング株式会社 | ||
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