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「ITコンサルティングと業務コンサルティング、両方ができる人はほとんどいません。なら、わたしは両方やろう、と考えて起業しました」
産業技術大学院大学の卒業生でコンサルタントの樗木博(ちさきひろし)氏は、AILコンサルティングを起業したときのことをそう語る。日本IBMで営業をしていた樗木氏は、顧客に提供するものがハードウェアからソフトウェア、サービスへと変化してきたにもかかわらず、売り手側の意識があまり変わっていかないことに疑問を感じた。
「わたしたちは、心の底からはお客さまのことを考えていなかったように思います。市場の成長期にはそれでもそこそこ売れましたが、いまはもうそんな時代ではありません」
樗木博氏
ITと経営と業務、そのすべてが分かっていなければ“売れない時代”だ。コンサルタントとして独立するに当たり、樗木氏はこの点の充実に気を配った。
産業技術大学院大学 情報アーキテクチャ専攻の「情報アーキテクトになろう」という広告を見たのは、そんなときだった。
「1人でコンサルタントをしていたので、やっぱり資格が必要かな……と考えていたのですが、学校説明会で大学院の授業カリキュラムを知って、重要なのは資格ではないことに気付きました。幅広い分野を体系的に学び直すことが大切なのだと感じ、入学を決めました」
データベース構築ハンズオンからJavaプラグラミング、情報工学に関する体系化された知識、プロジェクトマネジメント……。これらをすべて基本から学び直すことができる点に惹かれたと樗木氏は語る。入学金や授業料が安価だったことも入学を後押しした。
「プログラミングなどはわたしの専門分野ではなかったし、プロジェクトマネジメントは独学でしたから、経験知はあっても方法論が確立していませんでした。断片的な知識と場あたり的に積み重ねてきた経験を体系立てて整理できるのはとても魅力的でした」
本当のプロフェッショナルになるために
IBM時代の経験で営業のプロにはなれたが、それだけでは独立コンサルタントとして市場で通用しなかったと樗木氏は語る。
「口八丁手八丁でも、ある程度コンサルタントとして飯は食っていけると思います。しかし、それだけでは(自分が)納得できない。特に個人でやるのなら、理論武装しないと。自分自身が本当の意味で経営のプロフェッショナルにならないと、お客さまに価値を提供できないですよね」
産業技術大学院大学で樗木氏は「本当のプロフェッショナル」になるために、専門ではなかったJavaプログラミングやUML、オブジェクト指向開発などの技術習得に励んだ。また、データ分析の手法を身に付けるためにデータマイニング手法も学んだ。また、会社経営に必要な組織論やリーダーシップ論、民法、商法、会社法、さらに労働法や著作権など、工学系以外の知識も頭に叩き込んだ。特にプロジェクトマネジメントについては、「この講義がきっかけで、PMP試験を受けるきっかけになった」と樗木氏は語る。
学生同士で得意分野を補完し合う
樗木氏は現在60歳である。同大学院の学生は30代が中心。学生間の年齢のギャップといった悩みはなかったのだろうか。
「わたしの方では特にギャップはありませんでしたよ。年齢差はあるけれど同じ学年だし、向こうもそんなに気にしてはいなかったと思います」
ギャップが大きかったのは年齢よりも職種だった、と樗木氏は語る。
「わたしのような営業系はほとんどいませんでした。インフラ系のシステムエンジニアが多かった。インフラ周りの技術の話は全然分からなかったので、よく彼らに教えてもらいました。その代わり、文章の書き方やプレゼンテーションの方法、プロジェクトマネジメントはわたしの得意分野なので、彼らから聞きに来ることが多かったですね。相互に補完し合う関係でした」
大学院は「考えるきっかけを与えてくれるところ」
大学院は教えてもらうところではなく、考えるきっかけを与えてくれるところだ、と樗木氏は強調する。だからこそ、受け身ではなく、本当の意味で「プロフェッショナルになりたい人」に来てほしいというのが樗木氏からのメッセージだ。
「学費は安いし、自習室は広くて快適だし、サーバ環境は整備されている。ITと経営・業務の両方をきちんと学んで、その道のプロになりたい人なら『超お勧め』です。講師の半分は実務出身者なので、業務知識を得るにも最適です」
樗木氏自身、説明会で同大学院に強く惹かれたと語る。まずは説明会に参加してみるところから始めてみてはいかがだろうか。
第1期入試に向けた大学院説明会・キャンパス見学会 | ||||||
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提供:産業技術大学院大学
企画:アイティメディア営業企画
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2010年8月20日
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