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100年に一度といわれる世界的な経済不況は、国内のビジネス環境に深刻なダメージを与え、多くの企業においてコスト削減への取り組みが重大な経営課題となっている。人材戦略に関しても、教育予算の抑制や新卒採用の減少など、着実にコスト削減が進められている。2010年度の新人研修も同様だ。多くの企業では、限られた予算の中で高品質な新人研修を行うことが必須条件となっている。
こうした状況の中、名古屋に拠点を置くセイ・コンサルティング・グループは、新人研修のコスト削減ニーズに対応した、一風変わったサービスを提案している。北海道から九州まで――全国を旅する研修会社 | |||
セイ・コンサルティング・グループは、北海道から九州まで全国どこにでも講師が赴いて研修サービスを提供するユニークな会社だ。研修サービスは、新人研修サービスと社員研修サービスの2種類を用意している。全国にある地域ソフトウェアセンターなどの教育機関を利用することで、全国同一の研修サービス提供を可能にしているという。これまでに、北海道、岩手、仙台、富山、石川、浜松、名古屋、広島、山口、高知、愛媛、福岡、宮崎の各ソフトウェアセンターや財団法人にて、研修を行ってきた。
講師が会社の近くまでやってきて研修を行うため、企業側には長距離移動や宿泊のコストが必要ない。この点は、コスト対策に悩む企業にとって大きな魅力といえるだろう。
「当社の講師はフットワークの軽さが自慢です。講師が旅をするのは研修期間以外だけではありません」と、代表取締役の山崎有生氏は語る。
通常、講師との顔合わせは授業開始段階であることが多い。しかし、同社の講師とは、打ち合わせ段階で直接やり取りをすることができる。講師と一緒に研修内容を打ち合わせるため、ニーズが研修に反映されやすいという。
「新卒採用数の減少により、企業からはいち早く現場で活躍させたいという要望が強まっています。そうした企業には、より短期間の新人研修プランを提案いたします。講師が直接人事担当者と打ち合わせて研修プランを決めるため、その企業が本当に必要な人材の育成をサポートすることができるのです」と山崎氏。
間接コストがかからない分、研修プログラムのコストは低めに設定してあるという。「不必要なコストを削減しながら、研修内容の質は維持する。“費用対効果の高い”研修を提供することに真剣にこだわっています」と山崎氏は意気込みを見せた。
「これまでの研修には保証書がなかった」 効果の「見える化」を目指す新人研修 |
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このように、同社の研修サービスでは、企業ニーズに合わせて柔軟に研修プログラムを組むことが可能だ。その中でも、新人研修サービスに関して、同社はヒューマンスキルとコンピテンシーを重視した内容の研修プログラムを推奨している。
コンピテンシーとは「高業績者の行動特性」のことで、特定の職務で優秀な成績をあげている行動傾向を特性的に列挙したものだ。同社では、新入社員を2人1組にして、顧客企業のコンピテンシーに合致しているかどうかをお互いに評価させる試みを行っている。「一番の目的はコンピテンシーの浸透です。他人のコンピテンシーを評価し、また自分も人から評価されることは、自分の強みと弱みを把握するために必要です。他人から指摘されることで、コンピテンシーがより身に付きやすくなるのです」。
新入社員がコンピテンシーを身につけた方がいい理由として、山崎氏は「企業収益に直結するため」と語る。「『あと500円』を意識することが重要です」と、山崎氏。
例えば、従業員数1000名、年間利益10億円のIT企業で考えてみよう。1人当たりの利益は10億÷1000名=100万円だ。この100万円の利益を、1人の従業員が1年間働く労働時間(2000時間)で割ると1時間あたりの利益は500円となる。つまり、1人ひとりが『もう500円』を意識・実践することで利益は倍増し、『たった500円』を忘れると赤字転落となるのである。
新人研修に対する投資対効果を“見える化”しているのも同社の特徴だ。
コンピテンシーの詳細レポートを提出する
「従来までの研修は、新入社員に対して行った教育の効果測定ができない点が課題でした。いわば、研修に対する保証書がない状態です。当社では、ITスキル標準(ITSS)の活用やコンピテンシーの評価などによって、新人研修の効果を“見える化”するようにしています」と山崎氏。
ITSSは、IT関連サービスの提供に必要な実務能力を体系化した指標で、「ITスキルのものさし」ともいわれている。11種類の職種に対して能力や実績のレベルが7段階で設定されており、単なる技術的なスキルだけでなく、ヒューマンスキルも重視した指標になっている。これを活用することで、新入社員1人ひとりのITスキルを“見える化”し、的確な研修指導に役立てることが可能となる。コンピテンシーについても詳細レポートを提出する。人事担当者からは「配属する際の資料として有効活用している」と評判を得ているという。
新人研修を内製化する3つのメリット | |||
さらにセイ・コンサルティング・グループは、2010年度の新人研修に向けた新たな取り組みとして、「社内講師養成サービス」の提供を開始した。同社が蓄積したノウハウを生かし、社内の技術者を新人研修の講師として養成するサービスを提供する。
「企業にとって、新人研修を内製化させるメリットは3つあります」と、山崎氏は説明する 。
新人研修を内製化する3つのメリット
まず、社内の人材を有効活用することで、新人研修のコスト削減を実現できる点だ。特に経済不況の影響を受けている現在、今までクライアント先に常駐して開発をしていた技術者が、社内に待機せざるを得ない状態の企業が増加している。このような待機している技術者を新人研修の講師として活用することで、これまでアウトソーシングしていた新人研修を社内で行うことが可能となる。
「当社の社内講師養成サービスでは、技術系の新人研修の内製化にフォーカスを絞っています。現場の技術者が豊富に持っている技術的な知識を、講師として新卒社員に向けて分かりやすく教えられるように指導していきます。いわば、“教えるために教えている”わけですね。技術者の多くは、技術的な知識が当たり前のように頭の中に入っていますが、その知識を初心者のために教えることには慣れていません。教えるためのノウハウを、当社の社内講師養成サービスによって提供していきます」と山崎氏は語る。
2つ目のメリットは、社内講師が育っていくことで、社内に新人研修のノウハウを蓄積できる点だ。社内教育としてOJTを行っている企業も多いが、新人研修に応用するのは難しいと山崎氏は指摘する。
「OJTは、特定の業務において先輩社員が後輩社員に手順や方法を教えるのが中心。これに対して新人研修では以下の点が異なります。まず、OJTでは1対1が基本ですが、研修では講師が多人数の新入社員に向けて教えなければならないこと。次に、問題に対してすぐに答えを出さずに、新入社員にじっくりと考えさせなければならないということ。そして、新入社員の知的興味を高め、自主的に学んでもらうように意識して教えなければならないということ。OJTと新人研修、この2つのノウハウはまったく別のものなのです」。
そして3つ目のメリットは、社内講師となった技術者自身のスキルアップに役立つ点だ。「一般的に技術者は、1人で集中して仕事をしているため、周りの人とコミュニケーションをする機会は多くありません。社内講師となって、人を育てるノウハウを学び、多くの新入社員とコミュニケーションをとる経験は、その技術者を大きく成長させることでしょう。特にマネジメント層を目指す技術者にとって、講師経験は現場に戻ってから貴重な財産になるはず」として、山崎氏は内製化のメリットを訴えた。
同社のヒューマンスキル研修サービスと組み合わせれば、企業ごとの技術に根ざしたオリジナル研修が生まれる。同社では、社内講師養成サービスの提供開始にともない、技術系の新人研修については内製化を積極的に推進していく考えだという。
仕事が進む”社員研修 | |||
また、セイ・コンサルティング・グループは、新人研修が終わった後も継続して企業の人材育成をサポートする社内研修サービスを展開している。
同社が社内研修サービスで重視しているのは、「コミュニケーション」「ネゴシエーション」「リーダーシップ」という3つのヒューマンスキル。そして、これらのヒューマンスキル研修については、実際に社員が抱えている業務の課題を基に研修プランを立てているという。
「通常の研修サービスでは、実業務と研修内容がリンクすることはまずありません。しかし、本来はそうではない。仕事と教育はリンクするべきだ、というのがわたしたちの考えです。研修内容は、実際の仕事上の課題を中心に組みます。ですから、学びながら問題解決もできるのです。その意味で、当社の社内研修サービスは“仕事が進む研修”といえるでしょう」と山崎氏は語る。
同社の社内研修サービスの特徴は、これだけではない。社内研修についても投資対効果の“見える化”を実現するため、研修終了後にWebアンケートを実施している。
同サービスは、研修サービスを受けてから約3カ月後、受講者向けにWebアンケートを行い、現状をチェックするというもの。アンケートでは、研修で学んだことを業務で実践したかどうかを振り返り、「成果があった」「行動してみた」「意識はしている」「何もしていない」の4段階で自己評価を行う。「成果があった」と「行動してみた」の2つについては、具体的にどんなことをしたのか記入してもらうという。アンケート結果は、セイ・コンサルティング・グループが集計し、レポートとして人事担当者に提出する。
研修の直後ではなく、3カ月後に実施するところがポイントだ。これにより本当に研修内容が業務の現場で本当に役立っているのか、その投資対効果を把握することができ、次の研修内容を検討する際の参考にすることが可能となる。また、受講者本人にとっても、研修で学んだことが実践できているかどうかを振り返り、再確認できる効果的なサービスとなる。
このように、コストパフォーマンスの高いヒューマンスキル系の新人研修サービスから、新人研修の内製化を推進する社内講師養成サービス、さらには、投資対効果が見える社内研修サービスまでを含めたセイ・コンサルティング・グループの研修ソリューションは、コストを抑えながら質の高い新人研修を目指す人事担当者にとって、まさにベストプラクティスといえるのではないだろうか。
2010年度のスタートまで、残る期間は約5カ月、重大な決断に迫られている人事担当者は、今抱えている新人研修の悩みをすべてセイ・コンサルティング・グループにぶつけみてはいかがだろう。きっと、最良の選択肢が見えてくるはずだ。
提供:セイ・コンサルティング・グループ株式会社
企画:アイティメディア営業企画
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2009年12月29日
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