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人材紹介会社のコンサルタントが語る
第3回 確実なスキルアップができる仕事を選ぶ

リーディング・エッジ社
加藤千尋
2002/11/13

求職者は、人材紹介会社のコンサルタントに転職相談だけではなく、職場の不満、自分の夢などを語ることが多いという。そうした転職最前線に身を置くコンサルタントだからこそ知っている、ITエンジニアの“生”の転職事情や転職の成功例、失敗例などを、@IT ジョブエージェントの各パートナー企業のコンサルタントに語っていただく。

伊藤氏の選択正社員か否かの選択

 今回は、リーディング・エッジ(当社)を利用して、転職した2人のエンジニアのことを紹介しよう。

 伊藤氏(仮名31歳)は大学の法学部を卒業後、工作機械メーカーの営業職として約2年勤務した。その後、水道管のメーカーI社に転職。I社では、当初営業職だったのだが、会社の都合で、1年ほどして社内システムやWindows NTをベースとしたネットワークの構築、Oracleのシステム管理者を任され、3年ほど担当した。“にわかエンジニア”となった伊藤氏だが、さまざまな苦労はあったものの、しっかりと業務をこなし、次第にその仕事が楽しくなった。

 だが、伊藤氏にも不満が出てきた。それは、I社のシステムはWindows環境が中心であること、システム構成の規模がそれほど大きくなかったことだ。伊藤氏はその当時、データベース、UNIX、ネットワークのスキルアップを図りたいと考えていた。そこで、転職を考え始めた。伊藤氏には妻と子どもがいるため、正社員で雇用してくれる企業を中心に転職先を探した。そうした状況にあったが、「一応念のために」という軽い気持ちで当社に登録した。

雇用形態よりも仕事内容で

 伊藤氏は、当社から仕事の紹介を受け、さまざまな説明を聞くうちに、雇用形態よりも仕事の内容に気持ちが動き、会社を退職しフリーランスとなった後、当社と契約し、昨年春から外資系証券会社のUNIX版Oracle DBのシステム管理者として1年ほど勤務していただいた。その後、大手通信会社でUNIXとOracleの故障解析技術者として勤務し、現在に至っている(やはり当社との契約による)。

 伊藤氏は、外資系証券会社ではOracle DBのスキルを集中的に学び、大手通信会社ではOracle DBに加え、UNIXに関連したスキルアップを図っている。しかし、伊藤氏のスキルアップはさらに、「ORACLE MASTER Platinum(Oracle8i)」と「Sun Certified System Administrator For Solaris8」の資格を、当社の資格支援制度を活用して取得した。これらの資格は外資系証券会社に勤務している間に取得したもので、大手通信会社と契約する際に、相当有利に働いたのは事実だ。

 伊藤氏は当社へ登録する際に、当初正社員にこだわっていたが、実際に契約社員という勤務形態を経験することで、不安をほとんど感じなくなったようだ。しかも、こうした勤務形態にもかかわらず、今年自宅を新築に際しての金融機関からの借り入れもまったく問題なかったという。

山田氏の選択

 次に、山田氏(仮名33歳)を紹介しよう。山田氏は、大学の法学部を卒業後、大学院に進学したが、さまざまな事情によって退学し、ビジネス関連の通信教育講座の制作・販売会社の営業職として就職した。その後転職し、医療機器の輸入販売会社で商品管理を担当しつつ、社内のNotes/Dominoのシステム管理をやらされる羽目になった。しかし、その体験をバネにして、ネットワークの知識を得るためにeラーニングで学習を始め、その学校の就職セミナーで当社に登録した。

 山田氏は医療機器の輸入販売会社を退職し、昨年より外資系金融会社のNotes/Dominoのシステム管理者として、現在は同じ会社のシステムセキュリティ部門のアドミニストレータを務めている(雇用形態は伊藤氏と同じく、当社との契約)。

 以前勤めていた会社では、Notesのシステム管理者とはいえ、作業範囲は限られており、会社のシステム構成がWindows中心だった。山田氏は外資系金融会社ではWindowsだけでなく、UNIXの知識も習得でき、今後の担当業務も広がりそうだという。なお、山田氏も当社の資格支援制度を利用して、「ロータス認定スペシャリスト(CLS)」で必要な試験のうち「R4システム管理1(試験番号190-274J)」を取得した。」

両者の共通点からいえること

 伊藤氏も山田氏ももともとITエンジニアではない。両氏は当初営業職として就職した後にITと出合った。また、IT担当になったころは、ほかの業務と兼任であったり、システム規模が小規模であったりしたため、スキルを磨くにも限界を感じ、転職を考えるようになった。そして仕事内容を優先し、フリーランスという勤務形態を選んでいる。

 さらにいえば、それまでと同じような内容の仕事であっても、会社によってシステム規模も、求められる仕事の範囲も異なることを認識し、まったく異なる分野を狙わず、まずは自分のスキルを広げつつ、新しい分野にも挑戦するといった考えを実行している。さらに、当社のスキルアップ支援策を活用しているとはいえ、自分のスキルへの自己投資を行うといった努力も忘れていない。

 大事なことは、スキルを上げるための最善の方法を考え、それをどう実行するかにある、ということを教えてくれる好例だろう。



筆者プロフィール
加藤 千尋(かとう ちひろ)●某電気メーカーの教育専門会社に就職し、法人向けコンピュータのインストラクターやシステムの提案業務を担当した後、技術系の人材派遣会社に就職、現在に至る。@ITジョブエージェントを通じて@IT読者への派遣案件紹介も行っている。

 

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