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第55回 月1万から年間300万! エンジニアの2割に副収入

Tech総研
2008/1/11

  株取引やECショップで年間300万円も夢じゃない

 さて、このようなさまざまな副業を通して、エンジニアの皆さんはどのぐらいの実収入を得ているのだろうか。アンケートからその実態のいくつかを拾ってみよう。

 最も多い「資産運用」では、月に1万円という人から年間300万円という強者までいろいろだ。資産運用が着実に定期収入につながっているシステム開発者もいる。FXをやっている人が結構目立つのは、最近の個人向け投資商品の傾向を表している。

投資信託で月に1万円程度(システム開発/24歳)
株取引で年間300万円(通信インフラ設計/37歳)
株の配当収入が年間5万円、FXスワップで月1万5000円(システム開発/34歳)
ネットショップで年間300万〜400万円を売り上げる(パッケージ開発/34歳)

 FXをやっている上記回答者いわく「投資は安く仕込むこと」が秘けつ。仕事中に細かく売り買いすることは無理なので、最初の“仕込み”が肝心というわけだ。資産運用の思わぬ効用も語っている。

「とにかく投資は安く仕込むこと。あとは適切なポジション調整を心掛ける。仕事の収入とは違った刺激があること。また世の中の経済状況に明るくなること。親も株を買っているので家族の会話が弾んだりします」(システム開発/34歳)

 アフィリエイトやネットオークションの収入は、回答をざっと見る限り「月額数千円から2万円」といったところが相場か。そのほか、「ポイントサイトのアンケート」という回答が多かったのは、今回のアンケートがネットで行われたためだろう。

 「ネットショップ運営」という人も多いが、稼ぎはまちまち。中には「将来的な独立の布石」として運営するネットショップで年間300万〜400万円を売り上げる人(パッケージ・ミドルウェア開発/34歳)もいるが、これだけの成功例はまれだ。

  お金だけじゃない。外の刺激を受け、視野が広がるメリットも

 資産運用などに比べて実入りは少ないが、自分の技術知識を生かした手堅い副業に乗り出す人もいる。例えば「PCのトラブル解決」は1回あたり1万〜3万円程度。「情報処理系の検定試験の委員に就任して問題作成」などで年間15万円。「大学・専門学校などの非常勤講師」で年間50万円といったところだ。執筆関係では、「専門書の翻訳印税」年1万円から、「書籍まるごと執筆」100万円まで幅がある。書籍執筆のコンサルタント(36歳)は、「執筆のための時間をつくるのが大変だが、会社以外に目を向けることで視野が広くなり、金額以上のメリットがある」と満足げだ。

 アンケートに寄せられた副業の苦労話は、なかなか興味深い。下記のサービスエンジニア(35歳)が述懐しているとおり、副業といえどもこれだけ稼ぎ出すためには、本業と同様、時にはそれ以上の努力が必要ということだろう。

Webページ更新および管理で月に10万円・パソコン教室インストラクターで15万円

Webページに関しては予備知識が必要であり、加えてユーザーの希望をかなえるためにさまざまな機能を把握し活用しなければならない。パソコン教室については生徒に理解してもらうのも当然だが、主催者にも納得してもらえる状態をつくらなければならない(サービスエンジニア/35歳)

 最後に、本業とはまったく関係のないアルバイト。これもけっこう面白い(といってはしかられるかもしれないが)。趣味と実益を兼ねた副業ライフを楽しんでいる人もいるが、中には「新聞配達」や「大工手伝い」の兼業で「早起きで、休みがない」とぼやくエンジニアも。

パチスロで5万円(制御系システム開発/32歳)
テレビのエキストラで3万円(社内情報システム/37歳)
友人の飲食店を手伝って7万〜8万円(通信インフラ設計/31歳)
レザークラフト(皮革工芸)で年収200万円(品質管理/36歳)
農業で年40万円(汎用機系システム開発/38歳)
新聞配達で月10万円。大工手伝いで月8万円(Web・オープン系/35歳)
料亭の夜間清掃で月約4万円。マイクロバス送迎の運転手で月約4万円(制御設計/34歳)

 その人なりの副業をする事情や、将来の野望がさまざまあるだろう。会社の仕事だけではなく、自分の得意分野を生かして副業をしているエンジニアの奮闘ぶりを聞くと、うらやましく感じる。


☆分かっていると思うけど

 自分のブログやWebサイトでアフィリエイトをするノウハウが注目をあびるようになったのは数年前からだろうか。多少HTMLソースを加工する必要があり、エンジニアに向いた副収入といえよう。

 だが副収入の内訳をよく調べてみると、アフィリエイトやネットオークションとほぼ同率で株・不動産などの資産運用が挙げられている。アフィリエイトと資産運用はお金の流れはまったく違うが、ネットから操作できるという手法で考えれば意外と近いのかもしれない。

 資産運用に関する回答を見ると、投資信託で月に1万円から株取引で年間300万円まで。年間300万円だと月平均で25万円になるので、稼いでいる人は稼いでいるようだ。ただ資産運用となると、当然ではあるが元手が必要だ。それなりの資金がないとこれほどの大金は稼げないだろう。経済動向や知識、さらに運も必要となり、そう簡単ではない。

 また幸運にも資金が増えたとしても、中には株やFXなどハイリスク・ハイリターンの商品もある。ちょっとした経済的な事件やきっかけでコツコツ増やした資金が「おじゃん」になることだってある。2007年でいうと米国のサブプライムローンの焦げ付きが発覚し、株から為替まで大きく影響したこともあった。分かっているとは思うが、資産運用は余裕資金でやるのが鉄則だ。それから本業との兼ね合いには気を付けて。

(加山恵美)


この記事は、Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載しています



 

今回のインデックス
アフィリエイトだけじゃない、エンジニアの副業
実収入はいかほど? エンジニアの副業の実際

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