Tech総研
2008/5/2
近年では購入時に細かくオプションを選べるので、PCを自作する必要性は減りつつある。しかしこだわるなら自作だ。エンジニアは自作PCのどこにこだわる?(Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載) |
はじめに 自作PCの魅力は「パーツ単位でのカスタマイズ」 |
今回Tech総研では、自作PCを組んでいる200人のエンジニアを対象に、自作PCについてのアンケートを行った。自分好みのスペックで、安価に作れる自作PC。特にどんなトコロが魅力か聞いてみた。
図1 自作PCの魅力はドコにある? |
自作PCの魅力、その第1位は「パーツ単位でカスタマイズできる」というもの。パーツ単位で自由に組むことで、無駄な機能を削り、自分の求めるスペックを最大限に強化することができる。しかも故障したときにパーツを取り替えることで、メーカーに依頼して高額な料金と日数をかけることなく修理できることも、パーツ単位のカスタマイズにおける魅力の1つとして挙げられた。「完成品だとどのメーカーの部品を使っているのか分からない。それぞれ好きなメーカーの部品を使いたいから自作している(39歳 男性 生産技術、プロセス開発)」という声も。
続いて第2位はコストパフォーマンスの良さ。これを魅力として挙げたエンジニアは、バルク品やジャンクを利用して安価に作ることが目的のようだ。そして第3位、第4位は、「作るのが楽しいから」「PCの勉強になるから」という、まさにエンジニアらしい回答。「最近では既製品の方が安価であることも多いので、結局のところ好きだから自作PCを使っているという理由が一番かも(31歳 男性 システム開発(汎用機系))」という声に代表されるように、パーツの組み合わせをあれこれ考え、組み立てる過程を楽しむエンジニアが多いようだ。
「奥さんの目をごまかしつつ新しいPCを手に入れるため。ケースは10年前のものだが、中身はnForce 430+Athlon 64 X2でVista Ready(39歳 男性 パッケージソフト・ミドルウェア開発)」という人も。見た目を変えずして中身を変えられるところも、また1つの魅力なのかもしれない。
特にこだわっているパーツは? ランキング編 |
パーツにこだわれるのが自作PCの魅力。すべてのパーツをハイエンドにしたいとこだが、どうしても予算は限られる。ジレンマと戦いつつ、自作PC派のエンジニアがどうしても譲れないパーツは何だろう。回答の多かったものから紹介する。
第1位 | CPU |
第1位はやはりCPU。使用している製品名も聞いてみたところ、IntelのCore 2 QuadやXeonといった高性能の製品が散見された。主な使用目的は「仕事」か「ネットゲーム」と両極端。どちらにしろPCを常時稼働させているケースが多かった。また、「あえてIntelではなく、価格を抑えてシェアトップに挑むAMDのCPUを使用している(32歳 男性 サービスエンジニア)」など、メーカーへのこだわりを見せる声も目立った。
コメント |
★子ども用のものも含め、複数のPCを使用しているのでファイルサーバを構築しているが、常時稼働にしたら「電気代が上がった」といわれた。Pentium Mシリーズの753とか、CoreSoloのU1300とか、省電力ノートPCでしか使用されていないような低消費電力CPUを使っている。(37歳 男性 研究、特許、テクニカルマーケティングほか) ★CPUを交換したくなったときには、規格が変わってマザーボードに対応していないことが多く、ほぼ全交換になってしまうこともある。なので最初からいいものを付けて3年くらい使うようにしている。(32歳 男性 機械・機構設計、金型設計) ★仕事でも使っているので、開発アプリケーションのマルチCPU対応を確認するため、コアが多いCPU(Quad)を使っている。実際に開発したプログラムを動作させてみたら、2つのコアしか動作しておらず、プログラムの対応に迫られた……。(39歳 男性 システム開発[Web・オープン系]) |
第2位 | 静音向けパーツ |
第2位には静音パーツがランクイン。できればファンレスが望ましいとしながらも大口径ファンの低速回転で静音化を目指したり、ケースを工夫したりと、音を消すためのさまざまな対策を行っているようだ。気になりだすと止まらないPCの音。特に家族への配慮から静音を工夫する既婚エンジニアたちの努力が光る。
コメント |
★ファンの音がうるさくいかにも電源が入っている感じだったため、「電気代がもったいない」といきなり妻に切られたことがある。それ以来、ファンは静音、LEDの配線はあえてつながないなど工夫している。(39歳 男性 パッケージソフト・ミドルウェア開発) ★家族から、うるさい、熱いとクレームが入ったので、ケース類は市販品をベースにエアフロー改善の加工やファン追加を施した。またファンも大口径ファンを降圧して静音化している。ものによっては可変ファンを使用して、用途に応じて回転数を変えている。(37歳 男性 研究、特許、テクニカルマーケティングほか) ★ワットチェッカーを使ってパーツごとの消費電力を推測し、いろいろ組み合わせてできるだけ消費電力を少なくした。本体は最大でも110W程度に収まるようにチューニングしてあり、消費電力を意識していない一般的な自作の構成よりも20%以上低いと思う。(32歳 男性 機械・機構設計、金型設計) |
「こだわりのパーツ」第3位は? |
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