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第62回 エンジニアで良かった。喜びがこみ上げた瞬間30連発

Tech総研
2008/12/8

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  その3
「仕事の喜び」の影響は?

 これまで紹介してきたような「エンジニアならではの仕事の喜び」を経験した後、仕事に影響があったかを聞いてみた。その結果、約77%のエンジニアが「経験後、普段の仕事に影響している」と回答した(図2)。その主な内容は、

図2 「仕事の喜び」を経験後、仕事に影響があったか

・ネットワークに関して、メインフレームだろうがサーバだろうがルータだろうが、何でも吸収しようと努力するようになった(43歳・ネットワーク設計構築)

・どのような顧客の意見もむげに否定することなく、より良い提案ができるようになった(35歳・システム開発[Webオープン系])

・製品が世の中に出て行くときのことを、一層意識するようになった。モチベーションアップとともに、世の中に出せるものを作らなければならないという責任感も強くなった(30歳・システム開発[ファームウェア系])

・研究開発はとかく技術中心になりがちだが、人のつながりも大事なんだと再確認できた(33歳・研究特許)

・いま、エンジニアとしての壁にぶち当たっている最中だが、過去の成功経験が気持ちの支えになっている(40歳・機械設計)

などだった。エンジニアとしての自信や誇り・責任感を再認識することが、日々の業務におけるモチベーションアップに大きく貢献しているようだ。

  その4
エンジニアの仕事の醍醐(だいご)味は?
図3 これからもエンジニアであり続けたいか

 続いて「これからもエンジニアであり続けたいか」と聞いた。結果は図3のとおり、およそ3人に2人が「長くエンジニアでいたい」と回答している。その主な理由は「自分にピッタリの仕事だから」「毎日終電まで働いても飽きないから」「何かを生み出す、モノづくりのこの仕事が好きだから」など。その一方で「長く続けたいがどこまで体がもつか分からない」「歳を取るとともに限界を感じつつある」など、将来に対するさまざまな不安を持つエンジニアも多い。しかしそうした不安がありつつも、心の底ではエンジニアという職業・仕事にこだわりを持っている人が多いことが読み取れる。

 最後に、「エンジニアの仕事の魅力は何か」と質問してみた。

・技術的スキルや知識は陳腐化し、いつかは技術の進化に追いつけなくなる。しかしエンジニアは人間としてのスキルが強みになる仕事で、この強みがあるだけでなんとなくこなせてしまう、面白い職種(40歳・システム開発[Webオープン系])

・脳みそにあるものを形にしていく、一生かけてやるパズルなところ(29歳・システム開発[Webオープン系])

・自分の技術力で物事が解決できる喜び(34歳・システム開発[Webオープン系])

・自分の技術力がどの程度のものか判断できること(33歳・生産技術)

・新しい技術にチャレンジし作ったものが形となって残ること(30歳・機械設計)

 多くのコメントに共通するのは、エンジニアは「技術」というキーワードを軸に、顧客にとって、世の中にとって、そして自分自身にとって何物にも替えがたい価値をもたらしてくれるということ。今後、世のエンジニアを取り巻く環境はますます不透明になっていき、もしかしたらいまよりあらゆる面で厳しい時代を迎えることになるかもしれない。しかし、たとえそうなったとしても、Tech総研は1人でも多くのエンジニアが生き生きと人生を過ごせるよう、引き続き応援していきたい。


☆夢を実現できるのがエンジニア
 エンジニアの醍醐味は、技術で何かを実現するところにあるのではないだろうか。これまでなかったものを新しく作り出す、これまでできなかったものを可能にする。それを技術という力によって行う。

 筆者がエンジニアになったのは、企業のネットワーク環境が整備され始めたころだった。社員それぞれにパソコンが配給されるようになってはいたが、メールやコラボレーションツールなどの情報システムはまだ整備されていなかったのだ。一部の人のみが利用し、部署ごとに運用が違うシステムを、会社全体として整備しようという時期だった。

 初めて見るものだから感激もひとしおだったのかもしれないが、新人時代に出合ったコラボレーションシステムはとても意義のあるものに思えた。社員1人1人の情報が一気に流れるようになるのだ。連帯感や結束までも高まるような気がしてわくわくした。それが自分のインストールや開発といった作業によって実現するのだから、やりがいがあった。

 エンジニアが技術により人間の幸せに触れられたとき、「エンジニアで良かった」になるのだと思う。自分の技術力を誇りに思える瞬間は素直に幸せだ。そんな瞬間を大切にしよう。

(加山恵美)


この記事は、Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載しています



 

今回のインデックス
エンジニア「仕事の喜び」30連発
「仕事の喜び」がもたらしたもの、エンジニアという仕事の魅力

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