第9回 いよいよ結果発表。ダイエットの成果はいかに?
千葉大輔(@IT自分戦略研究所)
2007/8/17
■最終結果発表
それではダイエットの最終結果を発表しよう。
図1 体重の推移。目標の赤線に2〜3歩? 及ばない結果になってしまったが、当初の体重から考えると大分減ったのではないだろうか。いや、14kgって結構な重さですよ。 |
最終的な体重は110.3kg。ダイエット開始時は124.5kgだったので、およそ14kgの減量に成功した。体脂肪率は測定を始めた2007年3月では35.1%だったが、最終的には31.5%まで減少した。おおよそ、1月当たり2kg程度体重が減少していった計算になる。
しかし、当初の目標は「半年間で20kg減」「目指せ2けた」である。理想とする減少カーブから大分乖離(かいり)してしまった。前半の体重減少のペースと比べて、後半のペースがいかに鈍いか分かるだろうか。大きく出た割には目標が達成できず、ちょっと情けない気もしている。
■ダイエットがうまくいかないのはなぜ?
管理栄養士 松本理華氏 |
半年間コメントをいただいた松本氏に、あらためてダイエットについて話を聞いた。
今回、筆者は目標には及ばなかったが、ある程度ダイエットに成功したといえる(いわせてほしい)。しかし、ダイエットをする人の中には、以前の筆者のようにダイエットがうまくいかずに挫折してしまう人も少なくない。ダイエットがうまくいかないケースにはどんなものがあるのだろうか。
松本氏によると、ダイエットがうまくいかない原因としてよく挙げられるのは、以下のようなものだという。
・食事の量を「少し抑える」ことが難しく、断食など極端な食生活をしてしまう
・最初にあれこれ細かくルールを決めてしまう
・ダイエット食品を買って試さない
・運動をして体を痛めてしまい、その後なし崩し的にやる気が減退してしまう
いくつか思い当たる項目がある人も多いのではないだろうか。筆者がこれまでダイエットに失敗してきた原因としては、「食事の量を「少し抑える」ことが難しく、断食など極端な食生活をしてしまう」と「最初にあれこれ細かくルールを決めてしまう」が当てはまる。筆者はどうも「腹八分目」という感覚がよく分からず、ついつい「もうちょっと」と食べ進めるうちにいつの間にか「おなかいっぱい」になっていたのだった。そして、カロリーなど考えるのが面倒になって断食をしてみたり、結局その後ドカ食いしてしまったり、食生活のコントロールが難しい。
また、細かくルールを決めても実際に実行できない場合が多く、何か1つできないとすべてにおいてどうでもよくなってしまって、ダイエットが自然消滅的に終了しているケースも何回か経験した。ダイエットはそれまでの自分の生活スタイルを変化させること。その分、これまで染み付いた生活習慣を変えることは困難だ。何かを急激に変化させようとすれば、それに対抗する力も大きくなる。ゆっくりとあせらず自分の生活を変化させる必要がある。
■ダイエットを始める最適な時期
筆者は今回、年明けから夏場にかけてダイエットを行ったが、ダイエットに適した季節というものはあるのだろうか。「基礎代謝は季節によって変動します。夏になると代謝が低くなり、冬になると代謝が高くなります。一般的に10%ほど差が出るといわれています」と松本氏。気温が高いときの方が発汗の状況などから、代謝が高いと思っていたがそうではないようだ。気温が低いときの方が、体がより高い熱を発生させるため、代謝が高くなるという。
しかし、「現在では冷暖房が効いているので、個人的にはそれぞれの季節でそれほど変わらないと思います。食事の面で考えても、夏に食欲が落ちてしまうことがありますし、逆に秋から冬にかけては食べ物がおいしいので食事量が多くなってしまうことも考えられます」と松本氏は話す。
特にいつの季節が適しているか考えるよりも、思い立ったが吉日とばかりにダイエットを始めてしまった方がよさそうだ。
■減量の次の目標は?
筆者の場合、目標に届かなかったのでまだ減量は続けなければならないと思っているのだが、自分が目標としていた体重まで減量できた人の場合、次の目標はどこになるのだろうか。もちろん、その中の1つに体重の維持が挙げられるだろう。しかし、前述したように「体重」という目に見える形で成果が分かるときはいいが、そういった実感できる目標がないと続けることはなかなか難しい。
松本氏は「減量の後はスタイルを整える方向に目標を設定するのも1つの手段です」という。例えば、「もうちょっとウェストを絞ってくびれを作りたい」とか「上半身に厚みを持たせたい」など、自分の体を整え、どのように見せていくのかといったことは、太っていたときには考えられないことだ。
自分の思うように体を絞ったり、筋肉を付けることはなかなか難しいかもしれない。また筋肉も一朝一夕では目に見えての変化はないかもしれない。しかし、いまの体重を維持するという目標よりは自分の変化をとらえやすく、続けられる可能性が高いといえるだろう。
■ダイエットを続けるこつは「楽しく」
ダイエットを長く続けるこつは、「気持ちを楽しく保つこと」。松本氏はそう話す。気持ちを楽しくするにはどうしたらいいのだろうか。
松本氏は「例えば、自分の食事内容を意識することは重要ですが、あまり食べ物の方向に意識を向けすぎてしまうと、気分が滅入ってしまったりストレスになったりします。そうならないように趣味などで意識的に気分転換をすることが重要です。また、『ダイエットに成功したら新しい服を買う』など自分に対しご褒美を用意することもよいですね」と話す。
■まだまだ筆者のダイエットの日々は続く
半年間、体重の増減に一喜一憂したり、朝昼晩と何を食べようか真剣に悩んだ時期もあった。ダイエットをする中ではまりやすい落とし穴にもいくつか引っ掛かったような気もする。
いま、ダイエットをしている人で、筆者の半年間の記録から何か参考になる点が見つかれば幸いである。また、いまは肥満と縁遠い人も年とともにあるいはいつの間にか肥満になっていることがあるかもしれない。そんなときは「そういえばあんな記事があったな」と思い出して参考にしてほしい。
さて、筆者のダイエット企画はここでいったん終了するが、当初の計画であった「20kg減」も「体重2けた」もまだ達成できていない。筆者のダイエットはまだまだ続く。次回(?)も体重の増減に一喜一憂したり、朝昼晩と何を食べようか真剣に悩む日々が続くだろう。 お楽しみに!
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