園山真希絵
2006/6/14
ITエンジニアだって人の子。プロジェクトで疲れたときは甘い物がほしくなることもあるだろう。特に甘い物好きITエンジニアにお薦めの、コンビニでも購入できるデザートを紹介しよう! |
■和菓子とあずきのおいしい関係
甘いものは太ると敬遠されがち。でも、適度な糖分は脳への栄養補給となり、仕事効率アップの強い味方となってくれます。
お薦めは、やっぱり和菓子。余計な油が使われていないのが魅力です。和菓子でよく使われるあずきには、栄養成分が豊富に含まれているんですよ。主な成分は、たんぱく質とでんぷんですが、糖分をエネルギーに変えるビタミンB1、体の疲労回復・肌荒れに効果的なビタミンB2、貧血予防の鉄分が豊富です。さらに、「さびない体」を作ってくれるポリフェノールも多く含まれており、100g当たりの含有量はワインが300mgなのに対し、あずきは460mgも含まれています。
そして、ここがポイントです。あずきは皮ごといただくこと。よって、「コンビニランチでも健康を維持しよう!」でも触れたように、こしあんよりも粒あんを選ぶべし。
というのも、あずきの皮に含まれているサポニンには血液をサラサラにし、血管を掃除してくれる働きがあるからです。利尿作用もあるので、むくみ解消にも効果的。さらに、皮には食物繊維が多く含まれています。食物繊維は、あん自体の糖の吸収を穏やかにしてくれるので肥満を防止し、便秘解消にまで一役買ってくれます。
一方、こしあんは大事な皮を取り除いているので、体のことを考えるなら粒あんの方がお薦めというわけです。
●組み合わせの例
豆大福+緑茶
大福とお茶の組み合わせ |
豆大福の皮に交ぜ込まれたお豆は赤えんどうで、あずき同様に栄養成分が豊富。かみごたえもあるので満足感が得られやすく、食べ過ぎを防いでくれます。
栄養たっぷりのあずきといえども、やっぱり糖分は多めになりがちなので、できるだけ甘さ控えめのものをチョイス。合わせる飲み物は糖分の入っていない、お茶が良いでしょう。緑茶の苦味成分であるカテキンには、血液中のコレステロールを減らしてくれる効果があるといわれています。体脂肪が気になる方には、カテキンの多く含まれているタイプのものがおススメです。ほかにもカテキンには、抗酸化作用・発ガン抑制・口臭予防・腸内細菌の正常化・抗菌・血圧上昇抑制・虫歯予防などの効果があるといわれているのです。
いくら体に良いあずきが含まれているからといっても、あんドーナツは油がたっぷり! 従って、揚げもの系は遠慮した方がよいですね。
■冷たいプルプル系デザートのお薦めは
さて、「冷た〜い、プルプル系デザートも食べたい」という方にお薦めするのは、豆腐花(トーファ)といわれる、豆乳のデザート。香港では定番のスイーツで、最近ではコンビニでも目にするようになりました。味も、黒みつ・黒ごまきな粉・抹茶あんこなど、体にいい素材が使われています。
豆乳には、集中力アップのビタミンB群・老化を防ぐビタミンE・便秘予防効果のあるオリゴ糖・有害物質を体外に排出するサポニン・コレステロール値を下げるレシチンなど、さまざまな健康効果があるので積極的に取りたいもの。
「豆乳は苦手」という方でも、豆腐花のように、豆乳臭さが消えているデザートなら食べやすいですよね。
●組み合わせの例
豆腐花+温かい紅茶(無糖)
冷たいデザートは体を冷やしてしまいます。体が冷えると血液の循環が悪くなったり、水分の代謝も悪くなってしまうので、一緒に飲むなら、ぜひ温かいものを。
お茶の中でも発酵度の高いものは、体を温めてくれるといわれるので、紅茶やプーアール茶がもってこいです。
また、みつ豆もへルシー度は満点です。そして、寒天は、ローカロリーなうえ、食物繊維もたっぷり。えんどう豆との相乗効果で、抗酸化作用とダイエット効果がさらにパワーアップ。クリームが付いている場合はちょっと我慢して、クリームが使われてないものがベストです。
ゼリーも比較的カロリーが少なく、そのうえ満腹感も得られます。ゼリーに使われているゼラチンは、コラーゲンの宝庫です。ビタミンCと一緒に取ることで、栄養面での相乗効果が得られるので、フルーツがたっぷり入ったものをチョイスしましょう。
プリンの誘惑に勝てないという方は、黒ごまプリン・豆乳プリン・抹茶プリン・かぼちゃプリンなど、体によい食材と組み合わされているものを選びましょう。
■ケーキが食べたい場合は
では、お次。「やっぱりケーキが食べたい!」という人へ。
チーズケーキなら比較的、栄養価が高めです。チーズには、たんぱく質・カルシウム・ビタミン類が豊富に含まれています。特にビタミンAは、目の健康維持に良いとされるので、パソコンで疲れた目には効果ありです。カルシウムは、イライラを静めてくれます。
しかし、チーズケーキの主な材料は、クリームチーズ・卵・生クリーム。コレステロールを気にされている場合にはちょっと不安ですね。
そこでお薦めしたいのは、次のような組み合わせ例です。
●組み合わせの例
チーズケーキ(特にレア)+緑茶または黒酢ドリンク(食物繊維入り)
レアチーズケーキと黒酢ドリンク。もっとケーキっぽいのをと注文したが、アイティメディアのオフィス周辺では、上のようなカップ型しか入手できなかった |
先ほど述べたとおり、緑茶の苦味成分であるカテキンには、血液中のコレステロールを減らしてくれる効果があるといわれています。また、緑茶にはビタミンCも含まれており、コレステロールを減らす働きがあります。
そして、食物繊維やお酢も、糖分や脂分の吸収を穏やかにしてくれるので、脂質・糖質・カロリーが高めのものを食べるときには最適です。
悪者扱いされがちなコレステロールですが、実は人の体を維持するうえで欠かせない大切な材料の1つなんです。コレステロールが不足すると血管がもろくなったり、免疫力が低下するなど、体にとって良くないのです。個人差はありますが、適度に摂取することは必要ですよ。
そして、よりダイエット効果を図りたい人は、ベイクドチーズケーキよりもレアチーズケーキを選んでください。
レアチーズケーキは、太る要素の代名詞である粉ものが入っていないうえ、先ほども登場したヘルシーなゼラチンが含まれています。また、これから暑くなる季節には、あっさりしたレアチーズは最適ですね。
スポンジケーキが食べたいときは、生クリームたっぷりのショートケーキよりも、スポンジだけで十分おいしいシフォンケーキや、健康効果が期待されるチョコレート(ビタータイプ)を使ったケーキがお薦めです。
いずれにしても、甘さ控えめなものを選ぶこと。そして、一緒にフレッシュフルーツを取ると、よりバランスのとれたスイーツになりますよ。
毎日パソコンとにらめっこで目が疲れ、肩が凝る……。そんな方はおやつを利用して、少しでも症状を改善しましょう。
肩凝りは血液の流れがうまくいかなくなったとき、筋肉内に老廃物がたまった結果、硬直化し、痛みとなります。
ですからまずは、体を温めて血行の良い状態にしてあげましょう。また、眼の疲れも肩凝りの原因の1つとなります。
そこでおススメの組み合わせは次のとおりです。
●組み合わせの例
ミックスナッツ(木の実)+ブルーベリーヨーグルト+温かいレモン飲料
ミックスナッツとブルーベリーヨーグルト、それに温かいレモン飲料 |
松の実・くるみ・ひまわりの種・アーモンドなどに含まれているビタミンEは、体を温め、血行を促進し、血液をサラサラにしてくれる効果があるといわれています。
また、ブルーベリーのアントシアニン、ヨーグルトのビタミンAは、目の疲れ予防&解消にも働いてくれます。
そして、レモンなどに含まれるクエン酸は、血流改善効果だけではなく、体内疲労の回復や、抗酸化にも良いといわれているので、特に疲れ気味の方にはおススメですね。クエン酸はレモンだけではなく、梅やお酢にも含まれていますので、レモン飲料以外にも、クエン酸の効いたものがあれば、そちらでも構いませんよ。ただし、甘みは極力控えめなものを選んでみてくださいね。
■そのほかのポイント
〇茎わかめ・さきいか・焼きアジなどのおつまみ系は、糖分・油分が少なく、かみごたえもあるのでお薦めです。
〇乳脂肪分の高いアイスクリームよりも、フルーツのシャーベットを選びましょう。もし、アイスクリームを食べるなら、抹茶・ごま・あずき・豆乳など、体に優しい素材と組み合わせたものを。
〇スナック菓子より、ごませんべい。もし食べるなら、揚げていない、ローストタイプにしましょう。
〇チョコレートに含まれるカカオマスは、ポリフェノール・食物繊維・ミネラルが豊富。でも、糖分が多いのが弱点。カカオマスの多く含まれている、ビターなものを選びましょう。カカオマス度が100%に近いものほどビターといえます。
〇甘いジュースはなるべく避けて、果汁100%のものにしましょう。これで、ビタミン補給もばっちりです。
〇お茶・コーヒーは、眠気覚ましのほかにも、利尿作用・血行改善・糖尿病の予防・リラックス効果など、さまざま健康効果が期待できます。ミルクと砂糖は控え、ホットなものを飲みましょう。
このように、デザートだってちゃんと選べば、必要な栄養素を摂取できる優秀食材になるんですよ。上手に組み合わせて、気持ちのリフレッシュと栄養補給に活用しましょうね。そして、“適度な量”をお忘れなく。
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筆者プロフィール |
高校時代に「食」に目覚め、食べることでキレイになるオリジナル料理の研究を始める。この料理のお陰で、1年間でリバウンドなく健康的に25キロのダイエットに成功。現在、数々の雑誌でコラム・料理レシピなどを紹介をするかたわら、テレビやラジオ番組にも多数出演。料理トークショー・講演会・料理教室といったイベント活動も行う。また、レストランの料理プロデュース・商品開発・食カウンセリングも手掛けるなど、フードプロデューサー・フードジャーナリスト・料理研究家・タレントとして活躍の場を広げている。株式会社MAKIEAT 代表取締役。 |
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