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「ITエンジニア不健康伝説」は本当か

ITエンジニアは太っている? 運動不足?

「ITエンジニア不健康伝説」は本当か

長谷川玲奈(@IT自分戦略研究所)
2006/8/31

疑惑その2:ITエンジニアは太ってる?

 今回のアンケートでは、ITエンジニアに身長と体重も尋ねている。この結果からBMIを算出し、ITエンジニアは太っているのかどうかを確認しようと試みた(図5)。

 BMI(Body Mass Index:体格指数)とは身長と体重のバランスをチェックする指数で、体重(kg)を身長(m)の2乗で割ったもの。例えば身長167cm、50kgであれば、50÷(1.67×1.67)で約17.9となる。BMIが18.5以上25未満であれば適正体重、それより大きければ肥満、小さければやせているということになる。

図5 ITエンジニアのBMI値(N=413)

 「正常範囲(18.5〜25.0未満)」が66.9%で全体の3分の2強、軽度・中等度・高度を合わせた「肥満」が24.9%、「やせ(18.5未満)」が6.5%という結果になった。

 平均値は身長169.1cm、体重66.3kg、BMI23.1だった。

 厚生労働省の「平成16年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、男性では20〜29歳の19.9%、30〜39歳の28.9%、40〜49歳の32.7%、50〜59歳の30.8%が、女性では20〜29歳の5.4%、30〜39歳の8.3%、40〜49歳の17.9%、50〜59歳の24.1%が肥満だという。また、30〜60歳代男性の約3割が肥満だとしている。

 正確に比較できていないので断定はできないが、この結果を見比べてみると、「ITエンジニアが特に太っている傾向は見られない」としてもいいのではないだろうか。

結論 ITエンジニアはそんなに太ってないぞ!

意外と? 健康に気を使っているITエンジニア

 不健康を強く意識し、運動不足に悩まされ、働き過ぎのITエンジニア……。何か対策はできているのだろうか。それとも忙しすぎて無理? 健康のため、普段の生活で気を付けていることがあるかどうかを聞いてみた(図6)。

図6 健康のために気を付けていることの有無(N=413)

 52.5%と、半数以上のITエンジニアが「健康のために普段の生活で気を付けていることがある」と回答している。

 自由回答のコメントを見てみよう。「気を付けていることがある」と回答した人にはその内容と成果を、「ない」と回答した人には理由を聞いた。

 「ある」と回答した人のうち、ほぼ9割の193人がコメントを寄せてくれた。「ジムに通う」「水泳」「エレベータを使わずに歩く」「徒歩通勤」など運動を心掛けるという人が多く、106人。「野菜を食べる」も多く20人。「3食規則正しく」「夜は少なめ」など、野菜以外で食事に気を付けるという人は65人(自由回答のため重複あり)。

 手間のかかる野菜の代わりに、野菜ジュースやサプリメントで栄養を補うという人も多かった。このほか「アルコール断ち」「水をよく飲む」「サークル活動」などもあり、「四季を問わず明るいうちに帰宅する」といううらやましい話も。

 これら運動や食事などに気を付けた成果としては、「体重が減った」「体脂肪率が下がった」のほか、「肩こりや腰痛の改善」「疲れにくくなった」「ストレス解消」などがあった。コメントからは意外(?)にも、忙しい中にも時間を見つけて体調管理に努めるITエンジニアたちの姿が浮かび上がってくる。

 「ない」と回答し、コメントしてくれた58人のうち、「忙しいから」もしくは「余裕がないから」と答えた人は31人。「面倒だから」と答えた人は6人だった。「ほとんどのITエンジニアは生活を犠牲にしないと続けていけない」「ストレス発散のための飲酒と喫煙がどうしてもやめられない」などの回答も。「いまは健康だから」「生活に支障を来すほどではないから」など、気を付ける必要を感じていないためとした人は4人だった。

年齢を重ねるにつれ、不健康ではなくなる?

 健康のために気を付けていることの有無をITエンジニアの年代別に見てみると、「ある」と答えた人の割合は20代で47.8%、30代で53.7%、40歳以上で66.0%と、年齢とともに高くなっている。その効果か、実際、40歳以上で不健康意識は最も低いという結果が出ている。

 健康で気になっている点の原因を年代別に見てみると、「運動不足」「睡眠不足」「コンピュータ作業過多」「食事の内容(外食/コンビニ中心)」は年代が上がるにつれて少なくなっている。若いころの不規則な生活が、仕事内容が変わることによって改善されるためだろうか。

 逆に、「年齢的衰え」(これは当然といえるが)「飲酒」は年代が上がるにつれて多くなっている。

不健康なITエンジニアほど、健康に気を付けられていない

 一方、健康のために気を付けていることの有無を不健康意識別に見てみると、「特別不健康だとは思わない」人が気を付けている割合は61.5%、「少し不健康だと思う」人は54.1%、「不健康だと思う」人は48.2%と、不健康意識の強い人ほど気を付けていないまたは気を付けられていないということが分かる。

 同じように気を付けていることの有無をBMIランク別に見てみる。中等度以上の肥満では、気を付けていない割合が79.2%と、やせ〜軽度の肥満の人に比べて非常に高い。

体調管理も重要な戦略

 今回のアンケートから分かったのは、自分も周囲も不健康だと感じているITエンジニアが多いこと。しかし半数以上が健康のために工夫し、何か行動を起こし、多くが成果を得ているということだ。

 一方で、自分が不健康だと感じている人ほど、そしてBMI値で見て「肥満」となる人ほど健康に気を付けていない、または気を付けられていないという現状がある。

 ただでさえ忙しい毎日、暇を見つけて運動したり、食事に気を使ったりするのは大変だろう。しかし、仕事のために体を壊してしまっては元も子もない。

 体調管理も重要な戦略の1つだ。まだまだ残暑も続き、体調を崩しがちだが、ITエンジニアの皆さんにはぜひ健康を保ち、活躍してもらいたいと思っている。


今回のインデックス
 「ITエンジニア不健康伝説」は本当か (1ページ)
 「ITエンジニア不健康伝説」は本当か (2ページ)

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