忙しいITエンジニアの「休日大作戦」！
長谷川玲奈（＠IT自分戦略研究所）
2006/12/1
■休日のスキルアップ術のポイントは
このように多くのITエンジニアが意識している休日のスキルアップについて、もう少し掘り下げてみよう。自己研さん／スキルアップをしている人に具体的な内容、お薦めの休日スキルアップ術を聞いてみた。
まずは具体的な内容から見てみよう。コメントしてくれた178人のうち、技術書や雑誌、そのほかの「読書」と答えた人が64人。情報処理技術者試験、ベンダ資格、簿記などの「資格取得の勉強」と答えた人が60人。この2つが最も多かった。「Webでの情報収集」（19人）、「英語など語学の勉強」（14人）も目立った。
「家庭内LANにActive Directoryを構築して実験」など、自宅に構築した環境のメンテナンスがスキルアップにつながるとした人が数人。変わったところでは「雑誌記事の原稿を書く」「スポーツジムで心身の力を鍛える」「心理学」など。
「IT以外の分野」「直接はコンピュータを使わない勉強（法律、簿記など）」といった業務と異なる分野のスキルアップについては、「プロジェクトの最初と最後の混とんとした状況で、雑多な知識やスキルが役に立つ場面は結構多い」というコメントがあった。
休日用の特別のスキルアップ術のようなものはあるのだろうか。78人のITエンジニアがお薦めの休日スキルアップ術を教えてくれた。ファミリーレストラン、図書館、誰もいないオフィスなど「家以外の場所でやる」とした人が11人、「好きなことを楽しみながらやる」とした人が6人。皆さんそれぞれ工夫をし、地道にスキルアップに励んでいるようだ。
また、自己研さん／スキルアップをしていないと答えた人には「していない、する必要がないと思う理由」を聞いてみた。回答のあった122人のうちほぼ6割の72人が、「平日の夜にやっているから」「ON／OFFのメリハリをつけたい」など、意識的に「していない」としている。中には「休日に休めるようにスケジューリングするのもスキルのうち」という意見もあった。逆に「やりたいけれど余裕がなくできない」とした人は13人だった。
| 休日のスキルアップは「読書」「資格取得の勉強」 コツは「楽しみながら」「必要なら場所を変えて」 |
■ITエンジニア理想の休日とは
今回は現実だけでなく、理想の休日についても質問している。休日の過ごし方の理想的な時間配分を答えてもらい、現実と比較したのが次のグラフである（図5）。
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| 図5 休日の過ごし方・理想と現実 |
「趣味／リフレッシュ」「家族と過ごす」「自己研さん／スキルアップ」の3項目については、理想の方が全体に占める割合が高い。一方、「寝て過ごす／のんびりする」「家事／雑用」「自主的に仕事」の3項目については現実の方が割合が高い。つまり「趣味や家族だんらん、スキルアップにもっと休日の時間を使いたいが、どうしても雑用や残った仕事に追われてしまう。または疲れて寝てしまう」という傾向があるらしいことが分かる。
「理想の休日」に欠かせないと思う要素も聞いてみた。皆さん熱い思いがあるようで、291人が理想の休日について語ってくれた。
特に目立ったのは「家族と過ごす時間」。コメントをくれたITエンジニアのうち、家族と同居している人が171人、さらにその中で家族との時間やだんらんが欠かせないとした人が42人。家族がいる人のほぼ25％が家族との時間を「理想の休日に不可欠」と考えていることが分かる。現在家族と同居しておらず、不可欠な要素を「パートナー」「家族」とした人もいた。
「体を動かす」「とにかく寝る」「ひたすらのんびり」「仕事を忘れる」「趣味に没頭する」も多かった。変わったものでは「縁側とお酒」「サザエさん」という回答もあった。
■忙しいITエンジニアは休日も効率的に
4割以上が「休日が足りない」と感じているITエンジニアだが、アンケートからはそれぞれに工夫を凝らして平日の疲れを取っている様子が分かった。
休日のスキルアップについては「する派」「平日と休日のメリハリをつけるためやらない派」「したいが余裕がない派」に分かれた。いずれにしても、休日はしっかり休んで英気を養う人、休日ならではの時間の余裕を読書やまとまった勉強に当てる人など、効率的に「休日にしかできないこと」をしている人が多い。
理想として、趣味や家族団らん、スキルアップにもっと時間を使いたいと考える人が多い。雑用や休日の仕事を減らせれば、休日を理想のものに近づけられるようだ。
いずれにしても、休日をできる限り有効に使ってリフレッシュし、元気に働いてほしいものだ。
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＠IT自分戦略研究所のアンケートを基にした記事
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