Oracleインスタンスを構成するプロセス間違いやすいポイントを追え! Bronze DBA講座(4)(1/2 ページ)

Oracleデータベースエンジニアとしての基礎力を証明するORACLE MASTER Bronze。その取得を目指すITエンジニアのための講座が本連載だ。間違いやすいポイントを確認し、合格に近づこう!

» 2008年06月27日 00時00分 公開

 前回「Oracleネットワーク環境の構成」では、Oracleネットワーク環境を構成し管理する方法、実際に接続する方法に関して、間違いやすい部分を中心に学習しました。

 今回から2回にわたって、Oracleインスタンスの管理について紹介します。今回は以下の項目を確認します。

  • バックグラウンドプロセス
  • 自動共有メモリ管理
  • 初期化パラメータの管理

バックグラウンドプロセス

例題1

Oracleインスタンスを構成する必須のプロセスではないものを、次の中から1つ選択してください。

a.DBWn

b.ARCn

c.CKPT

d.PMON

e.LGWR

f.SMON

例題の範囲をおさらい

参考:「Oracleインスタンスを管理する

 バックグラウンドプロセスはOracleインスタンスを構成する要素の一部で、メモリ(SGA:システムグローバルエリア)の管理、データファイルへのデータの書き込みなどを行います。

 バックグラウンドプロセスには次のものがあります。

  • DBWn(データベースライタ)
  • CKPT(チェックポイント)
  • PMON(プロセスモニタ)
  • LGWR(ログライタ)
  • SMON(システムモニタ)
  • ARCn(アーカイバ)* 任意のプロセスです。ARCHIVELOGモードで運用している場合に起動します

正解

b

解説

選択肢a:DBWnは、変更済みのブロックをデータベースバッファキャッシュからデータファイルに書き出します。

選択肢b:ARCnは任意のプロセスであり、ログスイッチが発生し、REDOログファイルが切り替わると、書き込みが完了したREDOログファイルをアーカイブ領域にコピーします。このプロセスは必須ではありません。

選択肢c:CKPTは、データベースバッファキャッシュの変更済みブロックをデータファイルに書き込ませるためのイベントです。CKPTが発生すると、DBWnにシグナルが送られます。これにより、DBWnがデータファイルに変更済みブロックを書き込み、データファイルと制御ファイルのヘッダにある情報を更新して整合性を保ちます。

選択肢d:PMONは、ユーザーの接続状況を監視します。ユーザープロセスで障害が発生すると、キャッシュのクリーンアップを行い、プロセスが使用していたリソースを解放します。

選択肢e:LGWRは、REDOログバッファから更新履歴をREDOログファイルに書き出します。

選択肢f:SMONは、システム障害が発生した場合、次のインスタンス起動時にインスタンスリカバリを実行します。

 よって、Oracleインスタンスの必須のプロセスでないものはbです。

自動共有メモリ管理

2例題2

自動共有メモリ管理を使用した場合に自動的に調整されるコンポーネントは次のうちどれでしょうか。正しいものを4つ選択してください。

a.SGA_TARGET

b.JAVA_POOL_SIZE

c.DB_CACHE_SIZE

d.LARGE_POOL_SIZE

e.SHARED_POOL_SIZE

f.LOG_BUFFER

g.SGA_MAX_SIZE

例題の範囲をおさらい

参考:「Oracleインスタンスを管理する

 「自動共有メモリ管理」機能は、SGA_TARGET初期化パラメータをゼロ以外の値にすることでSGA全体のターゲットサイズを設定すると有効になります。

 この機能は、以下のコンポーネントのサイズを自動調整します。これにより、個々のコンポーネントのサイズを調整する必要がなくなります。

  • データベースバッファキャッシュ(DB_CACHE_SIZE)
  • 共有プール(SHARED_POOL_SIZE)
  • ラージプール(LARGE_POOL_SIZE)
  • Javaプール(JAVA_POOL_SIZE)

正解

b、c、d、e

解説

選択肢a:SGA_TARGETは、SGA全体のターゲットサイズを決定する初期化パラメータです。このパラメータをゼロ以外の値にすると自動共有メモリ管理機能が有効になります。自動共有メモリ管理では、SGA_TARGETに設定した値の範囲内で、共有プール、Javaプール、ラージプール、バッファキャッシュのサイズが自動的に調整されます。

選択肢b:Javaプール(JAVA_POOL_SIZE)は、Javaで作成されたプログラムを実行する際に使用するメモリ領域です。自動共有メモリ管理では、このコンポーネントは自動調整されます。

選択肢c:データベースバッファキャッシュ(DB_CACHE_SIZE)は、実行したSQL文の要求に基づきデータファイルから読み込んだデータを記録するメモリ領域です。自動共有メモリ管理では、このコンポーネントは自動調整されます。

選択肢d:ラージプール(LARGE_POOL_SIZE)は、バックアップ/リストア、共有サーバ構成などの際に使用するメモリ領域です。自動共有メモリ管理では、このコンポーネントは自動調整されます。

選択肢e:共有プール(SHARED_POOL_SIZE)には、2種類のメモリ領域があります。1つはデータディクショナリ情報や制御ファイルの情報などを読み込むメモリ領域(データディクショナリキャッシュ)、もう1つは過去に使用したSQL文などが格納されているメモリ領域(ライブラリキャッシュ)です。自動共有メモリ管理では、このコンポーネントは自動調整されます。

選択肢f:REDOログバッファ(LOG_BUFFER)はSGAを構成する要素ですが、自動共有メモリ管理で自動調整することはできません。

選択肢g:SGA_MAX_SIZEは、SGAの最大サイズを指定する初期化パラメータです。

 よって、正解はb、c、d、eです。

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