LPICに見るLinuxを学ぶ意味とは
荒井亜子(@IT自分戦略研究所)
2007/12/12
■LPICの資格取得以外に必要なこと
それは、サービス業としての価値観だと成井氏はいう。「Linuxが何でもうけるか。サービスである。これからは、ハードウェアやソフトウェアのもうけだけに頼る時代ではない。これはエンジニアにもいえること。エンジニアの仕事というのは、ハードウェアやソフトウェアを開発して導入してもらうだけにとどまらない。接遇態度やプレゼンテーション能力、問題解決能力など、人間性を含めエンジニアの能力すべてが商品」(成井氏)。一流のエンジニアに求められるのは、技術力だけではなく、お客さまにどうしたら満足感を持ってもらえるかという感性が非常に重要なことなのだ。
「グーグルが検索エンジンを無料で提供しながら、検索連動型広告というビジネスモデルを構築したように、(Linuxにおいても)無料の先に有料のビジネスがある。これからのエンジニアは、サービス業という感性、価値観を持っていないといけない」(成井氏)。エンジニアが技術力だけを向上させればいいという時代ではなくなっている。
■Linuxを学ぶ意義とは
最後に、Linux技術を学ぶとどんなメリットがあるのかを成井氏は語ってくれた。「Linuxを勉強していると自分が貢献することが重要だということがいろんな意味で分かってくる。いまの時代、職場で上司からの命令待ちで動こうとするのではなく、自分から提案する人が重宝される。オープンソース技術開発に携わっていると、こうした世の中の価値観の変動に気付ける。LPICはその入り口として非常に有効」(成井氏)
多くのエンジニアたちの尽力によって作られたLinuxには、貢献というオープンソースならではの哲学がある。成井氏は「情報を開示することが個人や企業(組織)の差別化につながるとの新しい価値観を生み出している。多くの技術者が貢献という形で参加するLinuxの世界では、貢献度の高い人が優秀な技術者と認知され、結果、個人の差別化が明確になる。『情報の開示が差別化を生む』という価値観は、最近では日本の医療機関にも広がり、新しい世の中の仕組みをつくりつつある。このような観点から、Linuxは世の中のさまざまな分野に貢献の火を付けたと思う」と述べた。
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